恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> 長崎旅日記1 >> 2日目


+2日目+(波佐見〜西海)

〜波佐見の朝〜

やっと日が昇ってきた波佐見。

温泉センターのにわとりの声で目が覚める。彼らはダチョウと同じ場所で飼われている。それはいいとして、8時に朝食を頼んであったので、ちょっと前に宴会場へ移動。どうやら団体のお客さんも来てるらしい。ご飯を用意してくれたおばさんもいい人だ。1人で黙々と食べていたら、団体のお客さんが集まってくる。食べながら、1人1人に「おはようございます」と挨拶。話を聞いていたら、地元の方らしく方言で話してた。カッコいい!ご飯係のおばさんが「五島からのお客さんなんですよ」と教えてくれた。すげー。五島列島といえば、隠れキリシタンがたくさんいた所ですな。

〜宿を去るのはいつも切ない〜

最後にダチョウさんを撮影。ケンカしてたなあ、ダチョウ。

部屋を片づけ、いよいよ出発です。楽しかったなあ…。フロントのお姉さんにお金を払い、温泉センターを出ます。切ないですなー。ありがとう、温泉センター!!そしてバスに乗り、いざ波佐見町役場へ!バスから波佐見高校見学。今日は何かあるのかしら。生徒さんが廊下にぞろぞろ…さては卒業式か。

〜バスの時刻でひと騒動〜
役場前のバス停で降り、すぐに帰りのバスの時間確認。しかし、今降りたバス停に載ってるわけがないのだ。駅とは反対方向行きだから。それに気が付かない私は「あ、載ってない!まさか、バスがないのでは」と1人不安になる。しかし、その後「あとで役場に訊こう。交番でもいいか。バスがなかったらおまわりさんに乗せていってもらおう」と調子のいいことを考えだし、勝手に安心。いいのか。地図によると、例のマルチノ像は道の反対側にあるらしい。とりあえず道路横断。そしてバス停を発見し、そこで初めて「反対方向に行くバスの時刻表を見ていた」ことに気が付いたのでした。アホだ。常識がない。

〜マルティノはいずこ〜

迷ってる途中で撮影。写真撮ってる場合じゃないぞ。
なぜか「マルティノは絶対見つかる」と自信まんまんだったのだ

無事、川棚駅行きのバスの時刻を調べ終わり、早速マルチノ像を探す。公民館があって、細い道を…また住宅街じゃ。ちょっと慣れてきた。しかし、行けども行けども像は見つからない。そのうち、田んぼの中の道に進入してきてしまった。家もまばら…。おばさんとすれちがう。「こんにちは」と挨拶。いい感じ♪しかし、こんな田んぼの中に像があるのかー?地図確認。道には迷ってないのだが、ただ銅像が見つからん。大きくて重い荷物を持って、田んぼの中の細い道をうろうろしてる私。少々強い風に吹かれながら、さまよい続ける。「ウゥ…マルティノぉ〜〜」どうか、お導き下さい。あなたの銅像のもとへ。私の声よ、風に乗って飛んで行け!!こんなこと考えていても銅像が見つかるわけがないので、人に訊いてみることにする。

〜2人目の波佐見の女神〜
しかし、人が通らないなあ〜この道。やっとおばさんとおばあさんが前から来るのを発見。おばさんは運動中らしく、早歩きで近づいてくる。よし、訊け!「あのー、すみません」「はいはい?」なかなか感じのいい人だ。「このへんに、銅像ないですかね?」「銅像??」おばさんを困らせてしまった。申し訳ありません。おばさん、マルティノのこと知らないかもなあ。でも、いちおう波佐見町の人っぽいし…というわけで。「原マルチノなんですけど…」すると、おばさんは「ああ、原マルチノね!!」と元気よく答えてくれました。マルティノ、知ってる人がいたよ。よかったよかった。おばさんの話によると、像は近くの公民館前にあったのだが、新しく文化会館ができたのでそちらに移されたそうだ。道を教わり、おばさんと別れる。おばさんは「まあ、遠くから…エライねぇ」と言い残し、早歩きで去っていきました。おばさん、ありがとうございました。本当に助かりました。

〜マルティノ、来たよぉ〜

とうとう見つけた「原マルチノ像」。涙が出た。(T_T)

さて、道を教わった私は波佐見中学校を目指して歩いていきます。中学校の隣に文化会館があるそうで。地図には文化会館が載ってないのだ。いつの地図じゃ。たしか1997年発行…そりゃあ載ってないですな。仕方ない。中学校では、生徒さんがサッカーの授業中。おお、ナツカシ。そして道の反対側に変わった形の屋根が見えてきた。あれかも。なんか新しそうだし。塀の向こう側に、銅像の後頭部が見えた!あの像だ!しかし、胸像っぽいんですけど…マルティノ、胸像なの?顔のわからない人の胸像作ってどうするんだろう。「もう、あれじゃない!」と決めた私は、入り口に向かって歩いていきました。すると、今度はポニーテールさんの像が!あれだ、間違いない!思わず走り出す。そして、とうとうご対面〜。ああ、マルティノ…どうもありがとう。キリリとした少年の像の前で、涙したのでした。

〜誰の後頭部なのよ〜
バスの時間までだいぶあるので、銅像の下にある解説板を写してみる。そして、さきほどの後頭部が気になった私はそっちも見に行ってみた。「福田清人先生の像」…あ、使節の物語とか書いた人だ!そうかー、波佐見の出身だったのね。記念に写真を一枚。まだまだヒマじゃー。旅って時間との戦いになりがちなのだが…。おひさまもポカポカしていて気持ちがいいので、マルチノ像の横のベンチでひと休み。本を読んでみる。そのうち、中学生が校門から出てくる。やけに早い帰りだなあ。今日は短縮なのかしら。日本を発つときのマルティノと同じ年代なんだなあ、彼ら。なんかしみじみ。中学生がいなくなったあと、私もやっと動き出しました。

〜波佐見で遊ぶ〜
バスの時間まで、まだ1時間半くらいあるのだが…。早々とバス停に着いた私は、しばらく本を読んだり、公民館で発見したマルティノの解説板をまた写したり、さっき迷った道へ行って四つ葉のクローバーを探したりして過ごしました。

〜波佐見を去る〜
13時半のバスに乗り、波佐見町に別れを告げます。ありがとう波佐見!マルティノ、いいところに生まれたね。よかった。バスには、途中から受験生らしきグループが乗り込んできた。「ぜってぇー(絶対)落ちた!」と男の子が叫んでます。ほほう、時間と場所が違っても言うことは一緒ですな。高校受験の時、よく聞いたセリフだ。そうか、波佐見高校、今日は入試だったのか!卒業式じゃないじゃん。受験生の話を聞いていると、どうやら面接だったことが判明。懐かしいなあ〜。みんな、合格だといいね。

〜ハウステンボスは通過するのだ〜
川棚駅へ到着。自動販売機でポテトを買ってみる。意外とお腹いっぱい…。しばらくして、電車へ乗り込みまた北上。早岐(はいき)駅へ向かいます。途中、ハウステンボス駅に停車。あー、すごい建物!!素敵!でも、一人で行ってもつまらないでしょうな。今回はあきらめるのだ。

〜早岐駅前探検〜
早岐駅には、予定の時間より早く着いた。これから西海町の「七つ釜観光ホテル」に移動します。西海町は使節の一人、中浦ジュリアンの故郷。16時半に、ホテルの方が迎えに来てくれるのだ。なんて親切なホテル♪ヒマになったので、商店街を見て歩くことに。またもやコインロッカー大活躍。荷物を預け、いざ商店街へ!何日か前に、ネットで「みかんカステラ」が売ってるとの情報を仕入れたのだが…あー、ちゃんとメモしておけばよかった!!店の名前も全て忘れてしまったのでした。しまった、ツメが甘かった。駅に戻ってきた私は、キオスクでカステラパイを買ってみた。誰かのおみやげ。友達か、バイト先か。あとで決めるべ。

〜お迎えのおじさんあらわる〜
16時半近くになり、駅でうろうろしてる背広のおじさん発見!あの人かな、いや違うかも…と思い、もう少し待ってみる。駅の外に移動してみたが、やはりあのおじさんがお迎えの人っぽい。でも、普通の白い乗用車!佐世保ナンバーの。ホテルの名前が車体に入った車を想像していた私は、少々しりごみしていたが、とうとうおじさんが「カツタさんですか?」と話しかけてきてくれました。あー、やっぱりそうだったのかと、ちょっと安心しながら「はい、そうですっ」と意気込んで返事。車に乗り、ホテルへ向かいました。

〜おじさんと盛り上がる〜
車中での会話。はずんだはずんだ♪
おじさん:「なんで西海町に来たの?」
私:「中浦ジュリアンってご存じですか?」
おじさん:「ああ、知ってますよ」
キャー!さすが、おじさん!!
おじさん:「ジュリアンを見に来たんですか」
私:「そうなんですよ。歴史が好きなもんで」
おじさん:「いつこっちへ来たの?」
私:「昨日着いて、一泊しました」
おじさん:「へぇ、昨日はどこへ行って来たの」
私:「波佐見町です」
おじさん:「波佐見!ここから車で1時間くらいだよ」
私:「えっ、そうなんですか?すごい移動をしてたんですよ。電車乗って、バス乗って」
おじさん:「車ならいいのにねぇ」
私:「そうですねぇ」
次はレンタカーに挑戦しよう。ウン。
おじさん:「なんで波佐見へ?」
私:「ジュリアンの仲間の故郷なんですよ」
話はまたジュリアンのことへ…。
おじさん:「ジュリアンの子孫の方が、この間史料を発見したらしいですよ。新聞に載っててね」
私:「そうなんですか?あー、いいなあ」
ホント。地元の方はいいですな〜。使節関係の情報が新聞に載るっていいなあ。でも、私もその話はネットで見たような気がする。ネットさまさまだなぁ。
おじさん:「その史料が見られるかはわからないけどねぇ」
私:「ああ、そうですねぇ…」
いいですいいです。私、その史料見てもサッパリわからないと思いますよ。専門に勉強していないので。してみたいけどねぇ…。

〜長崎はやっぱりすごい〜
ホテルへの道はけっこうクネクネしてました。私、微妙に酔ってしまった。バスは平気なんだけどなあ。車の中でも、ちょっとした観光ができました。西海橋(おじさんいわく自殺の名所。テレビでやっていたそうである。春は渦潮がよく見えるそうだ。そういえば1年前にテレビの中継でやってたなあ。桜と渦潮)、戦争の時の無線塔(不気味である)、海の向こうの平戸…。なんかすごいなあ。山と海が一緒に暮らしてる所なんだなあ、長崎って。

〜ホテルすごい〜
ジュリアンの記念公園に行くと言ったら、おじさんが連れていってくれると約束してくれました!やったぁ、おじさんありがとうございます。これで明日の不安はなくなった。10時出発と決める。ホテルにまもなく到着という時、近くになんかすごい岩山が見えた。おじさんが「この辺は昔、海の底だったんですよ。一番最初に酸素を作り出した藻の化石が、あの岩の中に入ってるそうなんですよ」と説明してくれた。へぇ!すごいなあ〜。最初に酸素を作り出した藻か。その藻たちのおかげで、現在の世界があるんだなあ。ホテルに着き、最初にびっくりしたのは裏山にある黄金の観音様!車の中からアホ面で見上げていると、おじさんが「明日の朝、9時からやってますからぜひ見てきた方がいいですよ」とすすめてくれたので、「お、そうしよう」と思いました。

〜部屋が広いので走り回りたい〜
おじさんと別れ、ホテルにチェックイン。部屋に案内されてビックリ。広い!一人だとカナリ広く感じる。思わずたたみの数を数えてしまった。12畳だ〜。夕食を持ってきてくれたおばさんに訊いてみた。
「この部屋、何人部屋ですか?」
「修学旅行の時には10人くらい寝てたかしらね。普通は4・5人部屋だねぇ」
はあ、なるほど。それにしても修学旅行がここっていうのはカナリうらやましい。どこらへんの学校なんでしょう。

〜お腹いっぱい〜
夕食は豪華の一言!食べきれなかった…。アラ(クエ)という魚が出て、おばさんが「1キロ何万円かするそうなんですよ」とおっしゃってたので、それだけは完食。魚好き〜♪夜9時を過ぎると団体客の宴会が終わるので、風呂が混むと聞いた私はさっさと風呂へ。ほんとだ、今は9時前なので誰もいない。ゆっくり風呂に入り、天然のアルカリイオン水「いのちの水」もしっかり飲んで部屋へ引き上げる。そういえば、ここのお風呂って「いのちの水」を含む温泉なんだそうだ。わーい、二日連続温泉♪ 風呂の近くには水槽があって、いろいろな魚が泳いでいた。

〜どこでもグッスリタイプだ〜
部屋のすみにふとんを敷いてもらい、日記を書く。広すぎて落ち着かないかなあと思ったが、普通にグッスリと眠ったのでした。



+3日目へ+(西海〜千々石)

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