恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> 長崎旅日記1 >> 3日目


+3日目+(西海〜千々石)

〜朝からお腹いっぱい〜
この広い部屋ともお別れかあ。1泊するだけで愛着わくよなあ。ああ切ない。朝食をいただきに宴会場へ。焼き魚だー♪卵かけご飯だー♪これ以降、私の胃は「お腹へった」という状態を忘れる。旅に出るとあまりそういうの感じないんだよなあ。なぜかしら。一人で無意識に気がはってるのかもしれん。朝食も少し残してしまった…大変申し訳ない。満腹中枢の反応が人並み以上なので、すぐお腹いっぱいになってしまうのだ。

〜旅の仲間登場〜
フロントに昨日のおじさんがいた。「おはようございます」と挨拶。10時だよね、と確認。チェックアウトのあと、フロントのお姉さんが花の苗をくれた。こりゃあ、いい連れができた♪花に詳しくないので何の苗かわからんが…。

〜バスで楽々〜
昨日すすめられたとおり、ホテルの裏にある西海楽園へ行ってみることに。朝食のとき、おばさんに七つ釜鍾乳洞もすすめられたのだが、時間がない。ホテルのすぐ前に鍾乳洞入り口があったと思います。また来よう。さて、入園料を払っていざ行くぞー!と思ったら、山の上まではバスで連れていってもらえるそうです。山から降りてきたバスに乗り、黄金の観音様のもとへ参ります。

〜西海楽園で大暴れ〜


すんごく大きい観音様。

ここは異世界。自分をファンタジーの国の住人とカンチガイ。

すごい、観音様!ピカピカしてる!でかい!見上げて「はあ〜」とため息。観音様のもとからは、東シナ海が見えました。次は化石の森へ。誰もいないのをいいことに、縦横無尽に歩き回る。すごい迫力。日本一の石灰藻化石群だそうです。なんか違う世界みたい。思う存分異世界を満喫したあとは、七福神と十二支本尊の霊場へ。ここは七福神と十二支の守り本尊の像がぐるっと円状に配置されています。私の守り本尊は阿弥陀如来…だったかな、たぶん(よく覚えてないのだ)。花壇にパンジーがたくさん咲いててきれいだった。お気に入りはお不動さまの像と水子観音様です。イヤ、気に入られても…。近くにあった鐘を好奇心だけで思いっきり鳴らし、移動。こんな不謹慎な者は来ちゃイカンな。

〜ミニ洞窟探検〜

ちゃんと解説板があるのに、しっかり読んでない。反省。

途中、キリシタンが隠れたという洞窟があった。そのキリシタン、何て名前だったかなあ〜。また行って、次こそメモしてこよう。早速入ってみることに。階段で足をくじいたが、そんなことではヘコたれないぞ。洞窟内はけっこう狭かった。そして一人だとなんかコワイ。こんなところに隠れてたのかあ。急に心細くなり、さっさと出る。

〜また来たいのう〜

山の中腹にあった木陰のベンチ。いいなあ

山を下り続け、やっと下に着いた〜。もっとじっくり見たかったなあ。楽しかった。西海楽園のおじさんが「次は春に来るといいよ」とおっしゃってました。花がたくさん咲くんだって。わ〜いいなあ。私が行った時は、まだ春が来たばかりだったので、花たちは準備段階だったのでしょう。ちなみに西海楽園、グラウンドゴルフやゴーカート、夏はスライダープールなどもあり、一日中楽しめそうです。

〜おじさんのお仕事は大変なのだ〜
さて、10時前になったのでホテルのロビーへ入る。おじさんは団体のお客さんをお見送りしてたので、待ってる間、おみやげを見てました。お見送りが終わったようなのでロビーでフラフラしていると、おじさんが「ごめんごめん」と言いながら荷物を車に積んでくれました。私こそ、送ってもらってすみません。そしていよいよジュリアン記念公園へ。途中、おじさんは「公園って言っても、何もないよ」と言ってたが…

〜輝いているジュリアン〜


資料館。上にジュリアン像がたってます

ジュリアン像。感動〜(T_T)

ジュリアンの元から東シナ海を望む。
像はこの方角を指しているのだ♪
はぁ〜、この海を渡って行ったんだねぇ…

細い道の前で、車は止まりました。とうとう来たんだわ、ジュリアンの生まれた土地へ!その道を歩いていくと、小さな公園がありました。まだ整備されたばかりでとってもきれい。塀に「ジュリアン記念公園」と書かれたタイルが埋め込まれてました。そして前方にはジュリアンの像が!小さな建物(資料館)の上に、海の方を指さす少年が立ってます。登ってみると、海がよく見えました。ジュリアンを見上げると、まぶしくてよく見えなかった。いろんな意味で。

〜資料館、鍵がかかってるかと思ったのよ〜
資料館の中の壁には、ジュリアンの一生が絵で描かれていました。すみっこにガラスケースがあり、ジュリアンの手紙の複写と訳が展示されていました。初めて見た!すごい、何語かわからない(後日、ポルトガル語だと知る)。ガラスケースの上には、中浦ジュリアン顕彰会の方が発行した「西海町偉人伝 中浦ジュリアン」のしおりがあったので早速もらう。なんて素晴らしいしおり!その後、穴吊りの絵を見て号泣しながら手紙の訳を写し始める。写しながら、今年初めてウグイスの声を聞きました。あと、私の好きなトンビの声も。静かだ…。資料館の中には、私の鼻水をすする音だけが響いていました。

〜不審者発生〜

中浦ジュリアン顕彰の碑。上部は船の帆を表し、下は地球をデザインしているそうです♪
かっこいいなあ〜

資料館を出たあと、ジュリアン顕彰碑を見に行く。素敵な形♪裏に書いてあった碑文を写さなかったのが悔やまれる。案内板には「Julian monument」って書いてあった。かっこいい!しばし、周辺を散歩してみる。のんびり。海を見ようとしてそちらに向かって歩いていたが、途中、おじいさんおばあさんが話している所に遭遇。怪しまれないように引き返したが、返ってアヤシイ人物になった気がする。堂々とできない小心者なのです。ハア。

〜おじさんとの息もピッタリ〜
車で来た所へ引き返し、おじさんに電話しようかな(終わったら電話してと言われてたのだ)と思っていたら、ちょうどおじさんが車で現れた。すごい、おじさん!「ちょうど良かったですよ〜」なんて言いながら車に乗り込む。そして車は駅へ向かいます。
車中の会話。
おじさん:「何もなかったでしょう」
私:「いえいえ、とっても勉強になりましたよ」
おじさん:「中浦ジュリアンって結構有名なんですかね。教科書か何かで載ってたんですか?」
私:「ええ、教科書にも載ってたし、日本史の授業で先生が得意げに言ってたんです。四人全員の名前を」
おじさん:「修学旅行でもけっこう来るんですよ。あの場所」
私:「えっ、あそこに?すごいなあ」修学旅行生でにぎわうジュリアン記念公園…あまりに静かだったので想像できない。でもいいなあ、そんな修学旅行。

〜西海町とお別れ〜
西海町もいいところだったなあ〜。ジュリアンの故郷だもん、当たり前よ!ありがとう、西海町!お世話になった西海町からどんどん遠ざかり、車は早めに早岐駅へ到着。おじさんにお礼を言って別れる。おじさんもいい人だった。少々寂しくなる。しかし、次へ向かわねばならぬ。電車に乗り、今度は南下。諫早駅へ向かいます。到着まで時間があるのをいいことに、電車でグーグー寝てた私。緊張感ないなあ。大丈夫なのか?

〜諫早は大きい〜
とうとう諫早に到着!睡眠でさらに元気になった私は、はりきって島鉄バスのターミナルへ入っていく。そうそう、昨日母から伝言があったのだ。今日泊まる旅館のおばさんから「いない時があるので、到着時間がわかったら教えて下さい」と。乗るバスを決めたのでおばさんに電話する。「3時ごろ着きます。最寄りのバス停ってどこですか?」バス停はわかってたのだが念のため。

〜諫早湾は見てないのだ〜
言うのが遅れましたが、これから行く所はまたもや使節の1人、千々石ミゲルの故郷である千々石町。すごいなあ、苗字がちゃんと残ってる。大村純忠の大村市もそうだけど。現在いる諫早は、使節のお手伝いさんのコンスタンチーノ・ドラードの故郷です。コンスタンチーノ、すごいよ!諫早駅、はやってる!電車の乗り換えとかあるしねぇ。ちなみにもう一人のお手伝いさんのアグスチーノは大村出身だそうです。大村は歩いてみたから、次は諫早観光もしたいなあ。バスを待ってる間、ホテルでもらった連れ(花の苗)の様子を見てみる。ごめんよ、こんなきゅうくつで暗いリュックの中に入れたりして。もう少しの辛抱だぞ。

〜やっぱり海にあこがれる〜
バスは愛野町という所を通っていきます。途中、バス停に「愛津」というところがあってちょっとビックリ。「あいづ」って読むんだよね。会津と一緒。一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなった。千々石町に近づいてきたとき、右手に海が見えた!はしゃぐ、はしゃぐ。やっぱりすごいなあ、海は。内陸じゃ絶対見られない景色です。地元のバスでは沼が見えるが。沼って…。

〜ドキドキの旅館デビュー〜
「千々石学校前」で降り、旅館へ歩いていきます。バス停がある道沿いにあるのでわかりやすかった。本日お世話になるのは「武蔵野旅館」です。インターネットで見つけたのだが、なんとも運命的なものを感じる。私が生まれ育ったのが武蔵野なので、すぐそこに決めたのです。安直。

〜自分の家みたいよ〜
「こんにちは〜」と入っていくと、おばさんが出てきた。見るからにいい感じのおばちゃん♪部屋に案内され、私を喜ばせたのはコタツの存在。コタツ大好き〜♪昨日まで仕事の方が泊まってらっしゃったそうですが、今日はおばちゃんと私二人きり。息子さんもいらっしゃるとのことですが、本日旅行中だそうです。「女だけでいいでしょう」とおばちゃんが言ってました。うん、確かに。あまり気を使わなくていいし♪

〜おばちゃんはミゲルを知ってるのだろうか〜
おばちゃんによると、仕事で泊まりにくる方はけっこういらっしゃるようですが、私みたいなのはめずらしいらしく「どこを見にいらしたのですか?」と優しく尋ねられました。「釜蓋(かまぶた)城ってありますよね」と言うと、「ああ、釜蓋城ですか。ここから見えますよ」と、廊下の窓を開けて見せてくれました。山の上に、白い建物が小さく見える。すごい、ここから見えるのか!「あ、あれですか!すごいですねぇ!」とはしゃぎだした私。ついでに「ここから海には行けますか?」と訊いてみる。おばちゃんに海への道を教えてもらい、早速でかけようとしたが、まだ日が高い。あわよくば夕日を見ようとしていた私は、もう少し休んでから行くことにした。

〜本当に自分の家みたいに過ごしてるし〜
部屋に戻り、連れの苗のことを思い出す。急いで出し、すみの方へ置いておく。これで息ができるだろ。テレビの下のラックに「狐狸庵うちあけ話」の文庫本が置いてあるのを発見。母が遠藤周作のエッセイのファンなので、家でもけっこう読んでいたが、やっぱり面白いなあ。最近になって、やっと「沈黙」と「王の挽歌」も読みました。それしか読んでないけど、母の影響で遠藤周作先生は身近に感じられます。 意外な所で遠藤周作を堪能したあと、時間を見はからって出発。

〜住宅街は厄介なのよね〜

千々石町の住宅街。写真手前にレンゲが咲いていた

教えてもらった道を来たのに、住宅街へ迷い込んだ。どうしたものか。田んぼにレンゲが咲いていたので写真に撮る。迷ってるのにこういうことしてるし。「海の方角はわかってるから着くだろう」というノンキな考えで再び歩き出す。住宅街の中、用水路がはりめぐらされていました。フラフラと歩いているうちに、見覚えのある道に出てきた。さっきバスからみた道だ!「海へ行くときはあそこを歩いて行こう」と思ってたのだ。ヤッタヤッタ♪しばらく歩くと、左に「ちぢわ海水浴場」のアーチ状の看板がありました。とうとう海へ出るわ〜!

千々石海水浴場入り口。
ここから階段を登ります
階段 頂上付近。
もしかして、パーッと海がみえるのかしら。ドキドキワクワク。
ヤッター!海だ!私の理想の展開。

〜久しぶりの砂浜!〜
砂浜へ降り、まわりを見渡す。人いない。カモメの群れが、波打ち際で海の方を向いてボーッとしてます。砂浜まで来たのは2回目、8年ぶりくらい。これでも家族の中では海経験が多い方。風、強いなあ〜。しかも、波って意外と音が大きい。1人だからしゃべらないけど、けっこう大声じゃないと聞こえないかもなあ。森高さんの歌がふっと頭をよぎる。あの素敵な恋人たちの歌が…あ、自分ひとりだった。しまった。アハハ、と空を見上げると、カモメが風に乗ってフワフワと通り過ぎていきました。

〜ミーハー魂はちょっとお休み〜

浜辺。カモメぇ、御用だ!待ちやがれぇ〜
白い点々がカモメ。

日が沈むまで1時間くらいあるので、遊び始めた私。まずはボンヤリとたそがれているカモメに近寄ってみる。ヒッヒッヒ。しかし、カモメもやはり野生であった。近づいた分だけ逃げる。私とカモメ、つかずはなれず。友達以上、恋人未満のような。何の話だ。そっけないカモメは置いといて、小さな貝殻が目についた私は早速拾う。小さな頃から拾いグセがあるのだ。一番古い記憶は、道ばたに落ちていたお菓子(わたあめにパチパチする粒が入ってるやつ…ブドウの味だったなあ)を拾って食べたこと。拾い飲みもした。ヤバイですな。もちろん、キレイな石とかビービー弾なんてのは普通に拾ってました。というわけで、久しぶりに拾う作業をしてみる。もう夢中。ガラスの破片が波に洗われて、丸くなったやつとか(ビーチグラスっていうんだって)、すでに貝の形を成していないカケラとか、いろいろ拾いました。旅館のおばちゃんが「埋め立てた海岸だ」って言ってたけど、けっこう落ちてるもんだなあ。そのうち片手に持ちきれなくなり、袋を出して収納。1時間ずっと冷たい風に吹かれ、鼻水をすすりながら、小さなカケラ集めに夢中になる。

〜自然に感謝〜

初めて見た海辺の夕暮れ。夕日好き〜。

さて、ひととおり拾って満足したので太陽の様子をうかがう。おお、夕暮れじゃー。棒きれで砂に文字を書いて遊ぶ。「しあわせ ありがとう」。なんのこっちゃ。でも私、生まれてきてよかったと思いました。

〜千々石の夕暮れ時は〜
海水浴場の階段を降りたところで、軽トラにひかれそうになる。ふぃ〜、危ない。その後、地図を見ないでトコトコ歩いていたら住宅街(商店街だったのかも)へ入り込んだ。またか。ベンチの下に猫を発見!白くてふわふわ。さわろうとしたら怒った。こっちをにらみつけたその目は、金色と銀色。ワオ!金目銀目だあ!めずらしい。ニャンコに「バイバイ」と手をふり、広い道路を目指して進んでゆく。中学生をちらほら見かけました。いいなあ、地元が千々石。かっこいい〜〜♪中学、転校したい!あ、もうとっくに卒業してますけど。田んぼのあぜ道を通って、広い道路に出た。ああ寒い。海風は冷える。鼻水ズルズルのまま旅館到着!夕食の前にお風呂をいただく。はぁ〜極楽。湯船につかりながら、ミゲルに思いをはせる。なぜかミゲルの奥さんが気になった。

〜普段ならもう少し食べられたのに〜
部屋に帰ると、夕食の準備が整ってました。すごいごちそう!おさしみ、フライ、魚の煮付け、はまぐりのお吸い物…。あ〜、ハラペコの状態で食べたかった。昨日の夕食を引きずって、なかなかハラペコにならないのだ。うーむ。しかし、食べないわけにもいかん。またもやノロノロ食べる。これが普通なのだが、おばちゃんがお皿を下げに来てくれた時にも、まだ食べてました。遅すぎ。結局残しちゃったし。食材たちに何回も頭を下げる。あやまった後、おばちゃんを呼びにいくが、すでにお休みになったらしい。うーん、これは悪いことをしてしまった。こうして、夕食の残りと共に一夜を過ごすことになりました。



+4日目へ+(千々石〜長崎)

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