恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> 長崎旅日記3 >> 1日目


+1日目+(長崎空港〜諫早〜北有馬〜口之津)

〜睡眠時間が30分って〜
眠い…少し、いや、だいぶ後悔していた。だって眠いんだもの。この週は月曜から金曜までずっと帰宅が午前様、平均睡眠時間が3時間半という生活をしていた(これでまだ仕事量は少ない方なのだが…)。普段から睡眠時間が足りないと感じているにも関わらず、さらに睡眠時間を削られて生きていたために顔から血の気が引き(母親に顔色が白いと言われた)、さらに自分で鏡で見た時には、なんだか冴えない土のような色をしていた。生気がない。先輩達は慣れているせいか、なぜか健康そうなのに…。そんな生活なので旅の準備をする暇もなく、前の週に準備しておけば良かったという後悔もむなしく前日に準備。その結果睡眠時間30分。何だコレ。気が張ってるのでちゃんと起きられたが、電車では知らないうちに眠っていた。

〜新ターミナルでピンポーン〜
しかし今回の羽田空港はちょっと違う。全日空の便は新しくできた第2ターミナルから出るのだ。私は毎回ANA利用で今回もANAなので、この第2ターミナルを少し楽しみにしていたのだ。眠気はふっとんだ。30分眠れたんだからいいじゃないか。プラス思考が出てきた。窓口で航空券を受け取り、セキュリティーチェック。早速ひっかかる。靴まで脱がされ、もう一度チェックしてもやっぱり反応。係員のお姉さんに「何か他に付けてますか」と聞かれてネックレスを出したが、「それじゃ反応しないんですよねェ」なんて言われた。じゃあベルトか?と思って申し出たが、なんだかまだ腑に落ちないご様子。しばらくごたごたした後にようやく解放された。何だったんだ。もういいや、飛行機に乗れればそれでいいや。

〜翼の話は誰も聞いてくれないの〜
新ターミナルになったせいか、建物内が空いている。私は建物から直接機内に乗り込めるかと思っていたのに、長崎行きは前と変わらずバスで飛行機まで行くそうな。「そんなもんだよなぁ」と思いながらバスに揺られ、飛行機へ。私の隣は誰もいなかった。窓口のお姉さん、いい席取って下さってありがとう。後ろに座ってる男の子が翼の動きを見て喜んでる。ヤバイ、私も密かに同じ反応をしてた。かっこいいんですよ、飛行機の翼。着陸の時はバッと起き上がったり、多彩なアクションを見せてくれるのですよ。そんな翼を見ていたら、いつのまにか機内でもグッスリ。

〜着いたー!!〜
いよいよ長崎到着です。冬は来ないと思ってたけど、とうとう来てしまった〜。雲が多いけど、日も出ていてあったかいです。よかった〜。空港で諫早行きのバスに乗る。あ、なんかカップルがいる〜。珍しい。カップルはハウステンボスか長崎市方面に行くかと思ってた。大村市の公園前で彼らは降りていった。さよなら、いい旅を!と外国人みたいに言いたい気分。言ったところで変人扱いだけど。その後、眠りをこらえながら諫早に到着。島原鉄道に乗り換えるのだが、いきなり駅の方向を間違えてなぜか川沿いを歩く羽目に。まあいいや、時間もあるし。そういえば今回は地図を全く用意していなかった。

〜パックリ〜
ようやく駅にたどり着き、島原鉄道に乗り込む。今回は海の見える方に座ってみました。これから2時間余りかけて、北有馬町へ向かいます。2時間もあるので寝ても大丈夫!私の場合、電車で寝てもたいてい1時間すると目がさめる。さっきから寝ることばかり考えているが、移動時間に寝ないと本当に体がもたないのだ。発車してすぐに眠くなる。電車はあの揺れがいいんですかね。止まってるうちはなぜか眠くないんですよね。というわけでしばらく睡眠。たぶん口開いてたりしたと思う。見てしまったみなさんごめんなさい。とんでもない醜態をさらしてしまったわ。まあいいや、旅は恥のかき捨てだよね。なんか使い方違う気がするけど。

〜目がさめたら〜
窓の外が海でした。ホームの向こう側がすぐ海なの。すごい風景。思わず携帯電話のカメラで撮影したが、あとで見たらなんだかわからない写真になってた。今日の海の色は春とは違い、うすい群青色…。あ、空曇ってきたー。雨降るのかなあ。そしたらフェスティビタス・ナタリスは体育館開催なんだそうです。うーむ…やっぱり外でやりたいよねぇ…北有馬まであと1時間ちょっと。晴れてくるのだろうか。

〜いよいよ北有馬〜
寝たり起きたりを繰り返しながら島原を過ぎ、いよいよ北有馬に近付いて参りました。空は…雨は降っていないものの、雲がかかってどんより。1回晴れたのにまた曇ったりしてハラハラさせます。なんか地面が濡れてるなあ。雨降ってたのかな。やたらと天気を心配しながらようやく北有馬町に到着!こじんまりした駅舎で、近所の人と話してた駅のおじさんが「お疲れさまでした」と声をかけてくれました。駅の前にはお迎えの車が1台…もちろん私のじゃなく、一緒に降りた高校生(?)のお迎えでした。「いいなあ…」とちょっと寂しくなりつつ、地図を探して歩き出す。駅前にあったポストに「年賀状ください」という貼り紙がしてあって、ちょっと可愛かった。

〜ここにもモニュメントが〜


北有馬駅からの道をまっすぐ行くと
このモニュメント。サンタかな?

こちらは保健センター前。
宣教師風だそう。黒いマントが素敵

さて、駅からの道をまっすぐ歩いていくと最初の曲り角に使節のモニュメントがあるのを発見。その隣に地図があるみたい…でも前に車が止まってて見えない。じっと見ていたら、車にいたおじさんと目が合ってしまった。気まずくなって立ち去る。とりあえず役場まで行ってみようかな。左に曲がって歩いていたら、今度は保健センター前に使節の青いモニュメント発見!人もいないので記念写真をパチリ。モニュメントは子ども達の手によりクリスマス仕様に飾り付けられてました。

〜近くて遠い〜
保健センター前から来た道へ戻ろうとすると、上に看板があるのを発見。「北有馬町役場0.4km 有馬のセミナリヨ跡0.4km 日野江城跡1km…」セミナリヨ近い!矢印は役場と同じ、左向きになっている。役場の方なのか?役場まで行ってみればわかるかな。しかしこの後、私はセミナリヨを求めてさまようことになる。

〜役場までやってきました〜

役場前のモニュメント。これもサンタさん。
モニュメントでオリエンテーリングというのも面白そう

役場の隣の建物で、話してる人がいる。セミナリヨを探すのもいいのだが、実はトイレに行っておきたいのだ。借りられそうな所がないかとウロウロしていたら、人がいなくなってしまった。あー…思いきって話しかければよかった。その隣にある「文化センター」と書いてある建物の中から、なんだかいい匂いがしてくる。あ、今日のイベントの料理を作ってるのかな。話しかけたいけど、部屋が奥まってて声が届きそうもない。というわけでまたウロウロしていたら、建物の管理人室の前にトイレがあるのを発見した。管理人さんに一声かけようと思ったら…お休み中でした。起こすのもなぁ…と思い、また戻る。再び文化センターの中をのぞくと、ちょうどエプロン姿のおばさんが出てきた。
おばさん:「あら」
私:「こんにちは…すみません、お手洗い借りていいですか」
おばさん:「あ、どうぞー。そこにあるからね」
無事にトイレに入れました。おばさんありがとう。

〜久しぶりブヨ〜

隠れキリシタン像。北有馬町のHPで調べたら、
「青面金剛像」という名前だったことが判明

さて、セミナリヨ跡が見つからないので、大きい案内板があった日野江城跡へ行くことに。案内板によると、役場脇の細い道をしばらく行って、左に折れればいいらしい。地図がないのでだいだいの位置だけ確認して出発。住宅地の中を歩いて行きます。なんか、ブヨすごい!すさまじいブヨの大群!地域ごとにブヨの呼び名が違うようなので説明すると、道ばたにやたら集まって飛んでいる小さい虫のことです。沼の近くにもよくいるかも。自転車通学の時はよくブヨの大群に突入していたのだが…ここ何年か、ブヨとは無縁の生活だったのに…とにかくすごいのだ、よけられない。しかも歩いても歩いてもずっとブヨ。コートとかバッグにもブヨがとまってる。苦しいので、左の道に曲がってみた。ふぅ〜、助かった…目の前に、なんだか奇妙な形をした像がありました。なんだっけなあ、この名前…来る前に北有馬町のHPで見たはずなのに忘れてしまった。確か、地元の人に大事にされてる…そこしか覚えていなかった。とにかくマリア様とイエス様に見える像なのだ。そこで小休止。せっかく曲がったし、ブヨの道に戻りたくないので左に曲がる道をそのまま行ってみることにした。さっき軽トラックが登っていったし、道があることは間違いない。頑張って登っていくと…

〜ここはどこですか〜
お墓にいました。どうしよう。なんか登っても登ってもお墓…登り切ったら何かあるかも…と思いつつ、やっぱり間違えてるよ…という気持ちもわき上がってくる。トボトボ歩いていると、犬の散歩のおばさんが下ってきた。やった!天の助け!早速きいてみる。
私:「こんにちは…すみません、日野江城跡ってこっちですか?」
おばさん:「は?何て?」
私:「日野江城なんですけど」
おばさん:「ああ、日野江城。こっちじゃないですよ、もっとあっち」
なんてこった。左へ曲がらずにもっと奥へ入って行くらしい。その後おばさんと共に、登ってきた道を戻り、元のブヨ道に出た。大量のブヨにおばさんも「虫が…」と言って手で払っておられたが、私も「いつも虫がたくさんいるんですか」ときけずに「すごいですね」と言って終わってしまった。口を開けたくなかったのだ。おばさんの家に到着し、「この道を行けばわかりますよ」と教えられる。どうもありがとうございました。お礼を言ってお別れ。再び1人で歩き出す。

〜やっと正しい道です〜

日野江城跡への案内板。だいぶ高い所までやって参りました

迷うような曲がり道はないのだが、少しずつ道の傾斜がきつくなってきてる…言い忘れてましたが、実はリュックの他にボストンバッグも持ち歩いてます。預ける所がなかったのさ…1泊なので前のような大きいバッグではないのだが、これだけ歩いてるとなかなか辛い。途中、工事中の所を通ってさらに登る。「日野江城跡→」の看板がちらほら建ってるのでもう迷わないだろう。道はずっと舗装されてるので歩きやすいです。舗装された道が終わり、さらに進んで…

〜到着!!〜


「史跡日野江城跡」の碑。
奥には町が広がってます

日野江城跡からの眺め。
海岸線もバッチリ見えますよ

とうとう着きました!ちゃんと解説板も建ってるので、間違いない。草が青々としていて、なんだか春のよう。石垣が残ってるけど、これは当時のものなのかな…。まわりを見回すと、さらに上に登れる階段がある。解説板の所に荷物を置いて、登ってみることにした。階段と言っても、コンクリートではなく木の狭い階段。登りきると、ここが頂上らしく広場みたいになっていて、ベンチがある。奥に「史跡日野江城跡」の碑が建っていた。ここ、眺めが素晴らしいのですよ。目の前に町や田んぼが見えて、その先に海が広がってる。はあ…山を登ったかいがあった。家臣の人は登るの大変だったろうな。城跡に来ると、なぜかいつも家臣のことを思ってしまう。

〜神社…?〜
ここから一段下の山に降りると、今いた場所のちょっと奥に鳥居があるのを発見。ありゃ…有馬晴信はキリシタンなのに…まあいいか、有馬氏でもキリシタンじゃない人はいるし。でもちょっと寂しい気がした。人がいないのと冬のせいもあって、このあたりはなんだか近付きがたい雰囲気を感じる。足を踏み入れてはいけないような、恐い気持ち。1人だというのも原因だと思うけど。ソワソワしながら神社の横を通り過ぎ、頂上に戻る。すると、急に雲の隙間から太陽が出てきた。やったー!!晴れたぞ!わーいわーい!嬉しくなってクルクル回る。これだから寂しくてもやめられないよね。

〜だいぶ上にいたみたい〜
さて、城跡を満喫したので山を降りる。登ってきた時は必死だったからあまり感じなかったけど、結構歩いてたんだなあ。下っても下っても着かない。途中、行きも通った工事中の所で町の人が集まっていた。おばさんが「そこ通れますよ、気をつけて」と教えてくれたので「ありがとうございます!」とお礼。行きも通ってきたから知ってるけど、教えてくれたことがとっても嬉しい。狭くなっている道におじいさんおばあさんがいた。私が通ろうとすると、みなさん脇によけて下さいました。す、すみません…。「こんにちはー」と挨拶を交わしながら通り抜けた。

〜とりあえず会場確認〜
ブヨの道を通り(ちなみにまだブヨがいた)、役場に戻ってくる。文化センターからは、まだいい匂いがしていた。さあ、これからどこに行くか…まだセミナリヨを見てない。探しがてら、イベント会場の小学校でも確認してくるか、と歩き出した。狭い道なのになかなか車通りが激しくて、ちょっと危ない。「町のみなさんに見られてるんだろうなあ…」と思いつつ歩いていると、お店に「フェスティビタス・ナタリスのチケットあります」という貼り紙がしてあった。そうだ、買わなくちゃなあ。あとでいいか、今はセミナリヨだ。トコトコ歩いていくと、前に小学校のプールが見えた。よし、場所はもう大丈夫だ。相向かいに中学校らしき建物が見える。ここだけは地図で確認してきたので大丈夫。

〜おじさーん〜
問題はセミナリヨだった。見つからない…田んぼの中の道を歩いてみたけど、島鉄の線路にぶつかってしまった。こっちじゃないだろう…あーあ、どうしよ。さまよった果てに保健センターに戻ってきた私は思いついた。
そうだ、駅のおじさん!!
相談できそうな人はおじさんしかいない。早速駅に戻ってみる。談笑していたおばさんたちはいなくなっていた。おじさんに声をかけてみる。
私:「すみませーん」
おじさん:「あ、はい何ですか?」
私:「セミナリヨ跡ってどこにありますか?」
おじさん:「ああ、セミナリヨですか。そこの道をずっとまっすぐ行って、左に行くのですよ。あ、今車が曲がった所を同じように曲がって」
私:「ああ、あそこの道ですか!」
おじさん:「セミナリヨっていうのは、場所ははっきりしてないんですけどね。このあたりじゃないかって所に、きれいな碑が建ってますよ」
私:「まだ確実じゃないんですね」
おじさん:「そうそう。左に曲がると町営住宅があって、『ここに車を止めるな』っていう町が建てた看板がありますから、それをまっすぐ行って。そしたらそこのあたりの人にもう一度きいてみればわかりますよ」
なるほど。だいたいの場所はわかった。おじさんにお礼を言って出発。まったく反対方向を探検してた私。相変わらず方向オンチ。

〜素晴らしい町営住宅〜

町営住宅前のベンチモニュメント。
みんな南蛮風の襟が付いてて可愛い

駅からまっすぐ行って、最初の十字路を通り過ぎる。ここを左に曲がると役場に行けるのだが、セミナリヨはもう1本向こうの道を左に曲がるそうだ。おじさんに言われた通り進むと、植木に囲まれたきれいなアパートが見えてきた。なるほど、これが町営住宅…なんか周りと雰囲気違うと感じるのは私だけだろうか。この先、私はもう1つ立派な町営住宅を見ることになる。それはともかく、町営住宅の前にまたもや使節のモニュメント発見!水色で、2人繋がっててベンチみたいに座れるようになってる。さすがに座らなかったが、記念に写真撮影。ここまで来ると、このモニュメントは一体いくつあるのだろうかと気になってきた。ちなみにここのはクリスマス仕様にはなってませんでした。

〜ついにセミナリヨ〜


セミナリヨ跡の解説板。
この道をまっすぐ行きましょう

来ました!有馬のセミナリヨ跡の碑。
ピカピカです

さらに歩いていくと、前から中学生くらいの女の子が2人歩いてくる。きいてみようかとも思ったが、先にまた使節の黄色いモニュメントが見えた。あ、あそこだ!あれに違いない!おじさん、無事に発見できそうです!隣にはセミナリヨの解説版と、方向が書かれていた。右だ。行ってみると、堂々とした黒い碑が建っていた。「有馬のセミナリヨ跡」。やったー!ついに来た!真っ暗になって発見できず…の最悪の展開も頭をかすめていたのだが、無事に発見できました。よかったよかった…しばらくセミナリヨに思いを馳せる。解説版によると、結構広い敷地だったらしい。こじんまりしたのを想像してたので、ちょっと驚きました。

〜まだ明るいよ〜
時刻は5時前。関東だともう暗くなっているのだが、長崎はまだ明るい。同じ日本でもこんなに違いがあるんだなあ。そろそろ会場に行こうかな。ダラダラ歩きながら小学校へ。まだ始まる前なのに、だいぶ人が集まってました。チケットを買うために入り口のテントへ行くと、事務局の方が「大きい荷物ですね、遠くからいらっしゃったんですか」と声をかけてくれました。
私:「あ、埼玉から来ました」
事務局のお兄さん:「ああ、もしかして今日は『真砂』に泊まるとか?」
私:「いえ、違うんですけど…もしかして○○さんですか?」
○○さんというのは私が連絡をとっていた事務局の方なのだが、いろいろ御迷惑をおかけしてしまったのだ。「北有馬町に旅館はありませんか?」ときいておきながら、「ないようなので原城の方の旅館に泊まりたいと思います」と勝手にメールを送りつけていたので、謝ろうと思っていたのだが…
お兄さん:「いや、○○ではないんですけど。でも話はきいてますよ。そこの道を歩いてらしたから、もしかしたらそうかなあと」
うわー、やっぱり見られてた!
私:「あはは…いろいろ見てきまして…」
お兄さん:「そうなんですか。じゃ、楽しんでいって下さい」
近くにいた事務局のお姉さんが、「時間がないのでちょっと使えないかもしれないですけど…これでお店の割引になります」と言って、チケットを渡してくれました。

〜これ持って帰りたいです〜


どうですかこれ!?驚きました。欲しいです。左からミゲル、マンショ、マルチノ、ジュリアン。
もしかしたらミゲルとジュリアンは逆かも(本によって違ったりするので私はわからないです…)

小さな電球で飾られた光の通路を抜けると、いよいよ会場です。舞台があって、まわりにぐるっと露店が並んでます。校庭には所々ストーブが置かれ、椅子が並べられて座れるようになってました。左の方のテントは北有馬町の歴史の展示コーナー。そのテントの前に、なんと使節の全身パネルが…!!すごい、これ!欲しい!私より背は低かったが、ほぼ等身大かも?ちゃんと4人いるのですよ。あああ…これ見られただけで満足。どうやって作ったのかなあ。すごいなあ。作ろうとした人に拍手です。デジカメの残り枚数が少なくて携帯のカメラできっちり撮影。その後展示されている写真を見ていたら、日野江城の石段があった。「天正遣欧使節も歩いたであろう…」と解説に書いてある。あれ?こんなのなかったぞ…もしかしたら反対側の入り口かも。あー、残念。あの時間じゃさすがに反対側までは行けないもんなー…。

〜いよいよ始まりますよ〜
あきらめもついたところで、会場内を散歩。北有馬町の小学校や幼稚園のみなさんが飾り付けたツリーがずらっと並べられてたり、露店の様子を見たり。そろそろ席につこうかなと思い、近くに座っていた優しそうなおばさまにきいてみる。
私:「あのー…これって、席決まってるんですか?」
おばさま:「あ、べつに決まってないみたいですよ。私もわからなくてここに座っちゃったんですけど」
私:「ああ、そうなんですかー。ありがとうございます」
というわけで、舞台が見やすい真ん中付近の席に座ることに。荷物邪魔だなあ…仕方がないけど。始まるまでプログラムを見る。チケットと一緒にホッカイロももらったので、ありがたくあったまる。気がきくなあ…。席が人で埋まり、だいぶ暗くなってきた午後5時半。フェスティビタス・ナタリスは始まった。

〜はい!〜

ツリー点灯。会場内が明るくなりました

「フェスティビタス・ナタリス2004!セミナリヨの里からメリークリスマスin北有馬!!」
うわ!いきなり超元気なお姉さんが出てきた!司会のお姉さんだ。町の人…じゃないよねぇ…?話すのうまいなあ…うらやましい。会場内の説明や主催の方のご挨拶のあと、いよいよツリー点灯。そのスイッチを押す人を募集していたので、手を挙げようと思ったら今日誕生日の人だって。もしかして該当者がいなくて、今月誕生日の人とかにならないかなあ…とくだらない期待をしていたら、可愛い女の子が本日誕生日でした。おー、おめでとう!忘れられない誕生日になりそうだね。ツリーに無事灯りがともると、拍手とともにツリーの上に打ち上げ花火。うわー、すごい!わーいわーい!なんか盛り上がる。大きなツリー2本と真ん中に少し小さなツリー2本。本物の木でこんなに立派なツリーは初めて見たかも。ツリーのおかげで会場内はさらに明るくなりました。

〜アンコール!〜

少年たちによる演奏。
使節たちもあんな感じだったのかなあ

さー、次はなんだと思っていると、真ん中の通路に宣教師姿の外国の方と、着物にキリシタンの襟をつけた少年4人が登場。私はちょうど真ん中の通路側に座っていたので、よく見えた。わー、すごい!使節だ!舞台へと向かう少年たちを見て、涙が出そうになった。あー、あんな感じだったのかあ…。使節に扮した中学生たちは、400年前の音楽をキーボードで演奏してくれました。なんて曲だったかな。なんか夢中で覚えてない。ダメダメじゃん。でももう1曲は『千々の悲しみ』でした。あー、たくさん練習したんだろうなー。2曲終わると、少年たちはすぐに退場していきました。秀吉みたいにアンコールしたかったなあ。

〜間に合わなかったぁ〜
次は聖歌隊のみなさんの登場です。可愛いなあ。なんかラテン語の歌とかあったよ…すごい、私にも教えてほしい。400年前にも流れてたのかなあと思うと、なんだか嬉しくなる。歌を聴きつつ、お腹が空いたので食料調達。受け付けで食事券と飲み物券をいただいたのだ。まずは食事券でうどんをゲット。あったかくておいしい〜。席に戻っていただいていると、舞台では聖歌隊のみなさんに続き、外国人のみなさんがスタンバイ。どうやらシャンパンを開けるらしい。
「みなさん、お手元にあるクラッカーをお持ちくださーい!」
司会のお姉さんが元気よくすすめてる。な、ないぞ。クラッカーがないぞ。会場内のテーブルに並べてあったのだが、私はうどんを食べていたので取り遅れ。ウワーン。次はクラッカー持参か。

〜お酒がありました〜
シャンパンが開けられ、会場内は大盛り上がり。私の好きなマライア・キャリーのクリスマス曲もかかったので、やたらハイテンションに。とは言っても1人なのでしゃべることもなく、飲み物券で静かに白ワインをゲット。やったぞ。ワインはほとんど飲んだことはなかったのだが、そんなにアルコールが強くなくておいしかったです。どうやらポルトガルのワインらしいですよ。お酒に強くないので酔ったらどうしようと思っていたが、コップ1杯では酔うこともなく無事に過ごせました。ワインに舌鼓を打っている間、舞台では再び聖歌隊のみなさんが登場。ハンドベル演奏や歌を披露してくれました。幸せですなぁ。

〜ポルトガルのお菓子〜
今回のイベントではポルトガルのお菓子も推定復元され、販売されてました。私が楽しみにしていたものの1つです。早速購入してみる。説明が書かれたしおりもいただきました。「…今回は宣教師たちが作り、有馬の殿様に献上したと思われる西洋菓子を推定復元しました。ポルトガルの伝統菓子で『Bolo de Gema(ボーロ デ ジェーマ)』といいます。…」わ〜、これを有馬の殿様が食べたかも…そう思うと感動です。これは大事に持ち帰ることに。あとのお楽しみです。

〜音楽ってかっこいい〜
その後、長崎市で活動中のクリア・ソウルというグループが出演。オリジナル曲や私も聞いたことのある歌(誰の歌かは忘れてしまった)を歌ってくれました。かっこいい〜〜。長崎で何が流行っているのか全く知りませんが、聞いたところによると結構有名らしいですよ。何でも、メジャーデビューの日が近いとか。頑張って下さい!続いてトニー・ボット カルテットのみなさんが出演。今日のために結成されたグループだそうで、ギターもベースもドラムも、ボーカルも、その道を極めた人ばかり。かっこいい〜〜。私の好きなワム!のラストクリスマスを歌ってくれたので、一緒に口ずさんでました。中学の英語の時間に歌ったなあ。音楽って楽しいものですね。

〜ガイコツか〜
お次は抽選会です。チケットに番号が印字されていて、くじ引きでその番号が出たら当たりです。私の番号は2035。当たるかな〜と思って待っていたのだが、運を使い果たしていたらしく何も当たらず。帰りの時間が近付いてきたので準備しはじめる。航空券欲しかったなあ。ギリギリまで会場にいたいので、使節パネルの隣に立って抽選会の様子を見物。お母さんにだっこされた女の子が通り過ぎるとき、使節を見て「ねぇねぇ、これガイコツ〜?」と言ってました。ガイコツ…確かに見えるかも…。さらに使節パネルは小学生に蹴られてた。私は怒りがこみあげることもなく、反対に子どもの反応がおかしくなってしまいました。なんか…正直だ。

〜そっちはパネルですが、こっちは一応生きてる人間です〜

会場の出入り口にある光のトンネル。
柔らかい光で本当にきれい。

帰ろうかなあと思っていると、若夫婦が通りすぎた。
「わァ、人間かと思った!」
奥様の発言。私が使節パネルの隣に立っていたので、本物の人間が2人たっていると思われたらしい。ビックリさせてすみませんでした。そろそろ時間なのでさよならして会場を去る。受け付けにいた事務局の人に、遠くから「ありがとうございました」と言って足早に帰ってしまいました。すみません、もっとお礼言えばよかったです。本当に楽しかったです。

〜ちょっと寂しい〜


役場前にあった壁画。可愛い…

帰りはライトアップで見送ってくれました

駅への暗い道を早歩きで行く。イベントが終わったら、車通りが激しくなって歩いていられないかもしれない。そして無事に駅到着、最終の島鉄が来るのを待つ。遠くから何か音楽が聞こえてくる。イベントもそろそろ終わりかな。駅のおじさんも帰ってしまい、ここには私1人。道沿いの街路樹が電球で飾り付けられて、きれいに光っていました。ふと電車がくるのか不安になったが、遠くから警笛が聞こえてきたので、ほっと安心しました。黄色い電車に乗り、いよいよ北有馬とさよならです。どうもありがとう、とても楽しかったです。有馬のセミナリヨは、のんびりしたいい所にあったんだなあ。殿様がいて、使節がいて、聖歌が流れてたんだろうなあ。それを思って、400年後にまた聖歌が流れて…私は歴史のそういうところが好きです。人間が暮らしてて、何百年後の人間がそれを思って暮らしているということが、単純に嬉しい。

〜島原半島さらに南下〜

駅から撮影。
北有馬町のHPにも載っていた街路樹のツリー。
光の道です。もっと近くで見ればよかった…

整理券をとろうとしたら、車掌さんが「取らなくていいです」と言ったので、おとなしく席につく。降りる時に払うのかなあと思っていたら、電車が走りだしたあとに車掌さんがやってきた。なるほど、ここで払うのか。「白浜海水浴場まで」と告げて、お金を払う。そう、今日は口之津町まで南下し、そこで1泊。本当は南有馬町の原城温泉に泊まろうと思ったのだが、予約がいっぱいだったのだ。それなら…と考えたのが、今回の口之津温泉。国民年金の健康保養センター「くちのつ」という施設があるのだ。ガイドブックにも載っていたし、ここに泊まるかと電話してみると、無事に空きがあったので予約。原城温泉宿泊→翌日原城見学というモクロミは崩れ去ったが、まあいいか。

〜ここはどこ?〜
白浜海水浴場前の駅に到着。しかしホームに降りたのはいいが、どこが出口かわからない。キョロキョロしていると、運転手さんが「後ろだよ」と指をさしてくれていた。すみません、ありがとうございます!車掌さんにもペコリとお辞儀すると、あちらも会釈を返してくれた。こういうちょっとしたことが嬉しいですな。駅を出ると、踏み切りの向こうに「くちのつ」の看板が出ているのが見えた。よし、こっちか。暗い道を行ってみることに。

〜そこは人んちですよ〜
ここはどこだ。さっぱりわからんぞ。あ、お墓…そして豪邸発見。なんだろうここ、ホテルかな。もしかしたらここ?ちょっとおしゃれな西洋風の建物がある。いや〜、なんか違うだろう…と思いながら入っていくと、建物の壁にAとかBとか書いてある。あ、マンションか!すごい、なんか豪華!…感動してる場合じゃなかった。さらに奥に進むと、つき当たりにまた「くちのつ」の看板発見。よし、左か。しかし、左の道は2つに分かれていた。1つは街灯のある明るい道、もう1つは真っ暗…決まった、明るい方だ。明るい方に行きたい。明るい道を進んで行くと、なんと行き止まり。なんだこりゃ。じゃあ暗い方か…恐いよ…でもこっちしかない…仕方なく足早に進んで行く。右側は掘りになってるらしくガードレールがあり、左側は民家だけど真っ暗…空だけうっすら明るい。足下が見えない。急に穴とかあったらどうしよう。必死で歩いていくと、右側がパッと開けて「くちのつ」の建物が現れた。あった!行けるかな、右に曲がらなくては。つき当たって右に曲がり、何やら空き地みたいなところを通り抜ける。そして…

〜ガタガタ〜
着いた!やったー!恐かった、明るい電気が嬉しい。暗い道がこんなに恐いとは思わなかった。もちろん街灯があればまだ平気だが、真っ暗で何も見えなかった。受け付けのおじさんに予約したことを告げると、名前や住所を書く紙を渡された。そこで初めて、手が震えていることに気がついた。

〜車じゃなくて〜
ガタガタ文字を書いたあと、部屋への行き方を教わる。お風呂は11時までだそうな…今9時半だから、そう急ぐこともないんですけどね、とおじさんは言っていた。私トロいからなあ…無駄な動きが多いし。早めに入ろう、ということでエレベーターに乗る。部屋に着くと、車が通り過ぎるような音が聞こえてきた。車通りが激しい道があるのかなあ…とぼんやり考える。窓の外は真っ暗で何も見えないし、確認しようがない。と、ここまで考えた時にはっと思い付いた。海だ。これは波の音だ。同じリズムでザザー…ザザー…と繰り返している。わー、すごいすごい!!静かな部屋の中で密かに大はしゃぎ。贅沢だなあ。昔、母がカセットテープまで買って聴いていた波の音が、生で聴けるなんて…!こりゃあ明日の朝が楽しみですな。窓を開けたら一面海!なんていう景色が広がっているのだろうか。むふふ…とりあえずお風呂に入ることにする。

〜ちょっとした豪遊〜
もう10時過ぎていたので、お風呂にはおばさん2人しかいなかった。そのうち彼女たちも引きあげて、残るは私1人。露天風呂で月を眺めたり、ジャグジーで浮かれてバタ足したり。わっはっは、楽しいぞ。あ〜、来てよかった。あさってからまた仕事なんて考えないぞ。11時前にお風呂を出て、部屋に戻る。販売機で売ってたフルーツ牛乳、ちょっと飲みたかった…でも慣れないもの飲んでお腹壊すのが恐かったので、今回は諦めた。

〜とてもあったかい日でした〜
寝不足と夜遅くに帰ってきたせいで、眠くて日記がつけられなかった。湯たんぽがなくて眠れないかもしれない…という不安で、寝る直前までカイロを布団の中に入れていたのだが、そんな心配は無用。夜中暑くて目が覚めるという事態になった。この12月、あったかかったおかげで助かった〜。さざ波の音を聴きながら眠りにつく…。



+2日目へ+(口之津〜加津佐〜諌早〜長崎空港)

恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> 長崎旅日記3 >> 1日目