恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> 長崎旅日記2 >> 3日目


+3日目+(長崎市内〜千々石)

〜ボケ+ボケ=大ボケ〜
旅も後半になって参りました。ホテルグラバーヒルの朝食もバイキングです。エレベーターで一緒になったオジサンについて行ったら、「こっちは修学旅行生ですよ」と言われました。危ない危ない。レストランと正反対の方向に行こうとしてた。朝からボケてる母娘は、やっとこさバイキング会場のレストランへ。

〜お金のこととなると〜
今日は洋風朝食で決めてみた私。パンだからと甘くみていたら、たちまちお腹いっぱい。でもおいしかった…昨日の繰り返しだけど、朝ご飯をゆっくり食べられるって素晴らしい。時間にゆとりのある生活を送りたいものです。もっと早く起きればいいんだけど。
レストランでは、お金を払っている人を見かけたので「お金いらないよなあ…」と、ちょっぴり不安になる。小心者。母は「(お金を)ちょっと持ってきたから大丈夫」と言ったが、なんだかソワソワ。食事を済ませ、レストランをあとにした。お金は請求されなかった。何だったんだろう。別料金の何かかな?

〜オシャレ〜
出発の準備をし、ホテルをチェックアウト。今日は平和公園方面へ行ってみたいと思います。路面電車に乗り込み、一度長崎駅で荷物を預ける。
今日もよく晴れてて暑い。平和公園方面の電車内は空いてて、座ってゆっくりできました。ガタゴト揺られて、電停松山町で下車。まずは平和祈念像のある広場へ向かいます。途中、私お気に入りの、中国から贈られた乙女の像を母に紹介。母の感想、「なんかオシャレだねぇ」。平和公園へ行った際には、ぜひご覧下さい。

〜ヒミツ〜
「あれがそうかあ」かの有名な、平和祈念像を発見した時の母の一言。私も最初見た時は、同じことを思いました。あれがそうなのです。母は指先にチョンとついてるのが避雷針かどうかが気になっていたようだった。私はそんなことより、祈念像の座っている方の足は「静」を表し、立ち上がろうとしている足は、戦後復興のために活動しようとする「動」を表していることを初めて知り、感心しました。秘密を知ったような気分です。解説版に書いてあるので、みんな知ってると思うけど。

〜この半逆光な感じ〜

私も半逆光に挑戦

写真撮影のオジサンたちに混じって、私も記念撮影。オジサンいわく「この半逆光な感じがいいですね」。そうなのか。私もこの半逆光を活用して、斜めから撮ってみました。母を探すと、早々に木陰に避難してお茶飲んでた。

〜ピース〜


母子像。大きい。

浦上天主堂の被爆当時の遺壁

さて、次は原爆落下中心地へ。「こうなってたら、もう何もわからないよねぇ」と母の言葉。そうなのだ。木が生い茂り、小鳥が鳴いてたりして、とてつもなく平和で、原爆が落ちたなんて信じられないのだ。だからこそ、被爆した壁や当時の地層を残しておいたり、資料館を建てたりしなければならないんだと思う。そうしないと忘れちゃうし、戦争を知らない世代に伝えられない。…にも関わらず、母は怖がって原爆資料館には入ろうとしなかった。時間の節約になるので、私としてはありがたかったが…でも入った方がいいです、本当に。
ここには大きな母子の像があるのですが、抱っこされている子どもは傷ついた日本を表し、母親は日本を支える世界中の国々を表すそうです。像の前で記念撮影している修学旅行生がちらほらいました。ピースとかして。よくよく考えれば、ピース(平和)ってことでいいのかも。

〜素朴で新鮮〜

おひとつ
いかがでしょうか

暑いので木陰のベンチでちょっとひと休み。旅行の前にチリンチリンアイス情報を仕入れていた私は、ここぞとばかりに買いに走った。おばちゃんがカートを押して、移動しながら売ってるの。おばちゃんに「何の味ですか?」と尋ねると、「シャーベットみたいなものですよ」とのこと。味は…?食べてみればわかる、ということで、母の所へ戻ってアイスを味わう。あ、砂糖だ。特に「○○の味」ということではなく、甘い砂糖の味である。素朴な味。いろいろなアイスに囲まれて育ってきた世代にとっては、これは逆に新鮮だった。

〜鳩の視力?〜
鳩が集まってきたので、アイスのコーンを小さく割って、少しあげてみた。餌付けはなんだかいけない気がするので、ほどほどに…。鳩ってすごい、小さいかけらでも、ちゃんと拾って食べる。他のゴミとよく間違えないなあ。たまにどこに落としたか自分でもわからなくなったのに、鳩はちゃんと探しあてて食べていた。匂いがするのか、目がいいのか…??

〜後ろだけかぁ〜

アンジェラスの鐘の音が聴きたい

ひと休みを切り上げて、次は浦上天主堂へ。今回は平日だったので、普通に見学。しかし!さすがに祭壇近くまでは入れなかった…。それどころか、広い堂内の、一番後ろの通路しか通れないの。はぁぁぁ…なんだか長いため息です。しかもパンフレット1部100円だし…買った…。私みたいな興味本位の観光客を、入らせないようにするのはいいと思う。私が教会の人でも、入ってほしくないと思う。でも、せめて後ろの席4分の1くらいでいいから、入れるようにできないですかね…?ダメですかね…?ちなみに信者でお祈りをしたい方は、言えば入らせてくれそうです。不謹慎な者には無理です…ハイ。

〜半逆光ではなかったけれども〜

浦上天主堂のマリア様たち

残念無念な気持ちを切り替え、出口の机で鶴を折る。外に出ると、母が待ち構えていて「横の窓からステンドグラスが見えるよ」と教えてくれた。行ってみると、さっき平和公園で撮影していた、半逆光のオジサンたちがウロウロしていた。窓から中のステンドグラスを撮影しているらしい。私も隙間から失礼して、ちょっと覗いてみた。きれいですね〜…ステンドグラスって、鮮やかなのに派手じゃなくていいですね。

〜普通に雑用〜
さて、駅へ戻ろうかという時に、郵便局を見つけたので入る。ちょっとした用事があったのだが、平日は仕事だから、郵便局が開いている時間には行けず…というわけで、旅先で雑用を済ませる。何をやってるんだか。
用事を済ませ、長崎駅に戻る。今日はこれから諫早に行き、千々石に向かいます。今回の旅は、毎日諫早を通る…なんとも効率が悪い気がするのだが、仕方ないのだ。発車待ちの電車の中から、駅のホームでうろうろしている猫を見つけた。ネ、ネコー!昨日触ったが、まだ満足していない。駅にいた猫は、まだ子猫みたいで小さかった。3匹くらいチョコチョコ歩いていた。

〜不思議なご婦人〜

諫早公園の眼鏡橋。結構大きい。
かなり丈夫で、水害の時も流されなかったそう

諫早まで各駅停車だったので、ちょっと昼寝。元気になって諫早駅で降り、荷物をコインロッカーに預けて出発です。目指すは諫早市立図書館。できたばかりのコンスタンチーノ・ドラードの像を見に行きます。これが楽しみだったんだぁ…気合いバッチリで歩き出したものの、図書館まで結構かかる。歩いて20分と聞いていたので、まあ普通に歩けるかなと思いきや、結構な距離。知らない道だということと、夏日の天気ということも手伝って、なんだか歩いている時間が長く感じられた。途中、諫早公園の眼鏡橋が見られました。結構大きいんですねー、この橋。1人で来ていたおばさんに、「写真撮って下さい」と頼まれたので、眼鏡橋とおばさんを撮ってあげる。その後私も橋を撮っていたら、おばさんはタクシーに乗って颯爽と去っていかれました。

〜文明の利器に頼る〜
諫早公園を通り過ぎ、しばらく歩くとやっと図書館を発見。なんかグッタリ…。図書館の一番の最寄り駅は、島原鉄道の本諫早駅です。思いのほか疲れたので、「帰りは電車かバスに乗ろう」とたくらむ。バス停の時刻表を見たら、今日はもう1本も来ないの。なぜ…利用者が少ない路線なのかしら。私が時刻表を見間違えたのかしら。うまい具合のバスを発見できなかったので島鉄に望みを託し、とりあえず今は図書館へ。

〜ドラードぉぉ〜

ドラードの像。
衣装は当時の印刷工のものを
参考にしたそうです

入り口を入ってすぐの所に、ドラードの像はありました。とうとうご対面です。ドラード、来たよ〜…。天正遣欧使節の随員だったコンスタンチーノ・ドラードは、ここ諫早に生まれ、なぜだかわかりませんが、当時布教に来ていたイエズス会の宣教師によって育てられたそうです。捨て子とかだったのかな〜…。教会のお手伝いをしながら成長し、使節に加わってヨーロッパで活版印刷術を学んで帰ってきました。日本に初めて、金属活字の活版印刷を持ち込んだんだよね。活版印刷って、昭和に入ってからもやってたんじゃなかったっけ。うちにもそれらしき(母の)本があります。印刷してある裏側を触ると、ポコポコしてるの。でもドラードが持ち込んだ時はキリシタン迫害の時期で、みんな消されたんだそうで…なんとも残念な話です。

〜速読できたらな〜
図書館に来ていた諫早市民に不思議な目で見られながら、ドラードの像を何枚か撮らせていただく。島鉄の時刻表を確認すると、ちょうどいい電車がある。時間まであと20分。実は活版印刷の本をお書きになっている青山敦夫先生が、ドラードの物語を出されたので、少し読んで帰ろうと思うのだ。母は館内にあったテレビを見ているそうなので、私だけ本のコーナーへ。すぐにドラードの本を発見し、読み始めた。しかし…読むのが遅くて、使節が船出する所までしか読めなかった。くぅぅ…自分で買うのもいいが、せっかくなので地元の図書館に入れてみなさんにも読んでもらおうというわけで、帰ったら必ず図書館に予約することを頭に刻みこんでおいた。この時読んだ青山先生の本は『もう一人の少年使節ドラード』で、昭和堂から出版されています。童話で読みやすいです。

〜さよなら、先輩〜

近寄ったらブレた…
この帽子、ちょっと気に入りました

そういえば仕事中に、印刷の種類が書いてある資料みたいなのが回覧されてきて、「凸版」の所に
・活版
・フレキソ
って書いてあったんだよなあ…。(私はフレキソ印刷の方にちょっと関わってたりするので、なんだか嬉しくなりました。)大先輩の同業者、大好きなドラード(の像)に別れを告げ、本諫早駅へ。母のカンにより駅が発見され、無事に黄色い電車に乗れました。

〜ちょっと酔いそうに…〜
諫早駅に戻ってきた私たちは荷物を伴い、島鉄のバスターミナルへ移動。予定より1本早いバスに乗れたが、慌てて乗らなくてもいいかと思い、待ち合い室でしばし待機。
テレビを見て、「いちご狩りいいねぇ」なんて話していたらバスがやってきた。はりきって一番前の席へ。千々石への道のりは、思ったより長かった…以前の記憶が薄れているので、「こんなに長かったかなあ…」と思いながら、ちょっと眠ってしまった。途中、坂道がクネクネしていて、なんだかジェットコースター気分。車で走るの難しそう…。

〜帰ってきました〜
旅館の最寄りバス停で降り、なつかしの武蔵野旅館へ。今回もこちらでお世話になります。中に入り、「こんにちはー」と声をかける。「はぁ〜い」という返事とともに、おばちゃん登場。おお…お元気そうで何よりです。前回「千々石に帰りたい」と泣いていた私ですが、本当にまた来ることになるとは…。前と同じ部屋に案内してもらい、ひと休み。お茶を持ってきてくれたおばちゃんと母がしゃべっているので、私はずっと聞いていた。講演会の話になり、「ミゲルのお墓を探していた人がいた」とおばちゃんが話してくれました。へぇ、探してる人がいるのかー。今回見つかって、本当に嬉しかっただろうなあ。

〜トンビに惚れぼれ〜

海辺の鯉のぼり。
気持ちよさそう〜

しばらくしてから、母を伴ってまた海へ。道に新しく歩道ができていたので、歩きやすかった。車通りが激しくて、恐くて歩けなかったのだ。よかったよかった。住宅街の中を通っていくと、海へ出られる道に出た。ここの道は難しい。海から吹いてくる風の中、鯉のぼりがよく泳いでいた。
浜辺に降りると、トンビが3羽くらい頭の上を飛んで行った。トンビって海にも来るものなのか。浜辺に転がっている流木にとまって、よく鳴いている。近くで見ると思ったより大きくて迫力がある。なんかかっこいい。いつのまにか、そばにどこかの犬が来ていた。母は「うわっ、びっくりした!」と大声で言ってたが、その声に驚いたのは私である。「ついてきちゃったらどうしよう〜」と話していたのだが、犬は知らないうちにどこかへ行ってしまった。

〜波のあと?〜

浜辺で発見
彼はどんな魚だったんだろう

さて、私は早速貝殻拾いを開始。母にも「ほらコレ、ガラスの丸くなったやつとか、貝とか拾うんだよ」と教えたら、「わかった」と言ってせっせと拾い出した。よしよし…私は母が見つけた小さめのペットボトルを借りて、その中に拾い集めていった。いつのまにか別行動な二人。
しばらく拾い続け、ボトルにいっぱいになったので母と合流してみた。彼女は帽子の中にたくさん拾っていた。素晴らしい…。次に海に来る時は、袋を持ってこないと。
母は浜辺に線がついてることが気になっていたらしい。砂より少し大きめの小石が集まって、波と平行な線になっている。しかも何本かあって、母説によれば「満潮の時にはここまで波が来ていた」ということらしい。内陸で生まれ育った私たちにはわからない疑問だったが、面白い現象でした。

〜千々石のラビリンス〜
帰りに立派な鯉のぼりの群れを見る。旗も立ってて、「○○君 初節句」などと書いてある。こちらの方では、旗も立てるのでしょうか?私の地元では旗を見たことがないので(鯉のぼりだけ泳いでる)、ちょっと珍しかったです。
帰り道、思ったとおり道に迷う。どこかへ入っていっても、よそのお家で行き止まり…とりあえず方向だけ頭に入れて歩いていたら、来た道に出た。ふぅ〜、危ない。

〜お次はミゲルと〜


ついにご対面です

西洋の衣装もいいですね

さて、迷路を脱出した私たちは千々石町役場へ。母には「帰ってていいよ」と言ったのだが、懲りずについてきてくれた。ここは前回通ったのに見逃した、ミゲルの像があるのです。2年越しの思いが叶います。役場へ入ると、すぐに見つかりました。おお〜…やっと会えた…。ミゲルの胸に、金色の十字架が光ってる。私がミゲル像を見ている間、母は釧雲仙と橘中佐の像を見ていた。

〜講演会の時間ですよ〜
無事に旅館へと帰りつき、夕ご飯にしてもらう。単波放送で、ミゲルの講演会のことをお知らせしてました。うわ〜、すごい。放送もするんだ〜。旅館のお料理はまたまた豪勢な食事で、二人いても食べきれなかった。すみません、食べ物を無駄にして…もう少し食べられるといいんだけど。ゆっくり食べていたら、たちまち講演会の時間に。急いで出かける。
会場の公民館に着くと、町のみなさんが結構集まっておいででした。おお…同志だ。私の隣には(たぶん)若い女の子が座っていた。中学か高校生くらいの。そんなに若いうちから歴史に興味を持ってるなんて、素晴らしい。私も高校2年の頃から興味を持ちはじめましたが、中学の頃なんか全く興味なかったですもの。

〜濃密な時〜
資料に目を通していると、すぐに始まりました。前半はビデオを見て、後半は墓石を発見された先生のお話です。ビデオは前の週にやっていたNHKの番組でしたが、お話は興味深いことばかり。もう少し聴きたかった〜…。なんというか、自分が何も知らないことに気づかされました。勉強になった〜。最近の中で一番濃い時間だったと思います。私の感想はこちら→「ミゲル講演会に参加して」講演会の詳しい内容は大石一久先生の本をご覧下さい→『千々石ミゲルの墓石発見』長崎文献社

〜拝啓 わが猫よ、いかがお過ごしだろうか〜
講演会が終わり、旅館に帰る。旅館の黒ねこが、玄関のマットの上で丸くなっていた。猫で騒いでいた私だが、この黒ねこちゃんだけは触らない。以前、近付いたら怒ったのだ。おばちゃんと猫について世間話をしたあと、部屋に戻る。ねこ、病気だったんだって。よかったなあ、元気になって…。私はこの2年の間にうちの猫を亡くしたので、猫にこだわっているのはそのせいかもしれないなぁと、ちょっと考えた。

〜この場所に来ると〜
母は布団に入って、テレビを見ていた。「先に寝ていいよ」と告げて、お風呂をいただく。またミゲルの奥さんが気になった。あのお墓が本物だとすれば、清左衛門となっていたミゲルは、奥さんが亡くなった2日後に、あとを追うように亡くなったことになる。どうなんだろう…今となっては、誰にも分からない。

〜これが困りもの〜
明日のバスがなかなか決まらなくて、ずっと考えていたらもう夜中。明日はついに最終日です。飛行機の時間と空港へ行くバスの乗り継ぎやら何やらで、早めのバスに乗ることにしました。釜蓋城へは行けない、残念だけど。でも講演会も聴けたし、とても充実した1日でした。



+4日目へ+(千々石〜長崎空港)

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