恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> マカオ旅日記 >> 2日目(その2)


+2日目(その2)(マカオ)


〜再び聖ポールへ〜
 さて、一休みして向かった先は、またもや聖ポール天主堂跡。9時を過ぎて地下納骨堂と博物館が開いたはずなので、まずはヴァリニャーノたちのお墓に行っておこうと思ったのだ。一人だとこういうバカみたいな無駄歩きもできますぞ。
 さっき撮り逃したカルサーダスを撮影しながら、2回目のセナド広場へ。おおー、人がいっぱい!これが本来のセナド広場!なんか人だかりができているところがある…よく見たら、見逃していた(特に興味のない)世界遺産だった。人だかりって結構大切ですよね。それのおかげで何かに気づけたりするので。

さすがに早朝より人が増えてきました。昼間はもっとすごいことになります

〜人込みを避ける能力を発動するも〜
 おおお…人がたくさんいてうまく進めない大三巴街…せっかくなのでお店の観察をしてみると、肉を売ってる店が多い。干し肉かな?それを四角いシート状にして、何枚も重ねて店頭に並べている。肉に特に興味がないので、この道って昔からあったのかなあ、などと考えてみる。そうこうしているうちに、再び聖ポール天主堂へ。

聖ポール天主堂(2回目)。
また同じような写真とってる…

〜物売り??〜
 聖ポール前には、たくさん人が集まっていました。人を避けながら石段を上っていくと、ファサードの前で何やら叫んでいるおじさんがいる。言葉が聞き取れないので何だかわからない。手にはオレンジ色の袋をたくさん下げて…ははあ、何か売ってるんだな。私はひっかからないぞ。おじさんをスルーしてファサードの奥へ。ここが教会か〜。何もないせいか、思ったより広い感じ。左手に小さい観光案内所みたいな所があったが、特にチェックしなかった(今思えば、何か資料があったかもなあ…きちんと見てくるべきでした)。ネット情報だとファサードの裏側が上れるようになっているとのことだったが、今回はなぜか進入禁止に。工事中みたいでした。ちょっぴり残念。

シートがかかっていて、いかにも「工事中」な裏側

〜なんで入らないのか〜
 さて、いよいよヴァリニャーノたちが眠る地下納骨堂へ行きますよ。右側の入り口から入ります。係員の人があっちだよ、と示しているのでそのまま前の客についていくと、みんなドアを開けて「だめだ、こりゃ」というような感じで引き返していく。なになに、何があるの?何もないの?私は入ってみるよ!と突き進んでみたら…

〜墓きたー!〜

写真に撮るとこじんまりしてしまうが、実際は結構大きい

 わ〜〜〜、これ写真でみた!お墓だ、お墓だ!こんなに大きいんだー…でも何で2階から見下ろしてる感じになってるんだろう??…納骨堂は吹き抜けになっていて、上のバルコニーみたいな通路から見下ろせるようになっている。私が今いるのはその通路なのだが、上から見るしかないのかな?立ち止まって眺めていると、下から人が入ってきた。え、下からも入れるんじゃん!さっきなんで入れないようにしてたの??時間制?とにかく今行けば下から入れるみたい。

〜もう一度並んでみた〜

階段を降りた突き当たりにある表示。あとで気付いたが、「聖堂」でもあったのか

 さて、今度こそ地下納骨堂へ通じる下の扉から入ります。階段を下りて、左へ曲がると入り口です。扉の横には日本語の解説板も設置してあり、殉教者の名簿も載っていました。じっくり見てから、地下納骨堂へ(再)。おお…やっぱり間近で見ると迫力あるなあ。両脇の棚にも遺骨が並べられてて、下から見ると、その棚がかなり上の方まで続いているように見える。

右に女性が立ってますが、これで岩の大きさが何となくわかるのではないでしょうか。
左の台みたいなのは説教台かと思われます。「聖堂」なのでミサのときはこれを使うのかもしれない

 じっと見ていると、他の観光客たちは「とりあえず入れるから入ってみた」というように後ろを素通りしていく。まあ、それはいいんだけど静かにしてほしいですね。たいていの人はコソコソっと去って行くのだが、中には大声で話したりする人もいる。こりゃあ、ヴァリニャーノもおちおち眠っていられないのではないかなあ。まあ、今頃は天国でバリバリ働いてそうだけど。

納骨堂を出たところの階段。なんか、左の岩も遺跡の一部に見えてしまう

〜濃厚な博物館〜

ミカエル像。たぶんフラッシュ禁止だったけど、写真は大丈夫なはず…と見張りのおじさんを気にしながら一枚だけ撮影

 そういえば、グレゴリオ聖歌流れてなかったなあ…やめたのかな、と思いつつ、隣の博物館へ移動。かなりせまいですが、かなり濃いです、ここ。よくぞ残った!というような、古いものばかり。御像とかいろいろ並んでましたが、みんなアジアンな顔立ちでした。アジアンといえば、マカオに来てから「やーい、チャイニーズ!」というように馬鹿にされてないなあ…と、ふと考えた(今まで行ったイスラエルやギリシャでは必ず「チャイニーズ」とからかわれたので)。そりゃ、ここが一応中国だから、わざわざ「チャイニーズ」と言わないのは当たり前だが、「やい、ジャパニーズ!」というのもないので、人種を意識することがなく、何か安心感があるなあ、と思ったのでした(見分けがつかないだけか?)。

〜聖ポール天主堂オリジナルグッズ?〜
 博物館をタラタラ見学し、聖ポールを後にする。また来まーす。これは、またマカオに来ますということではなく、本日中にまた来ます、という意味である。一体何回行くんだ。でも納骨堂が騒がしくてゆっくりできなかったので、閉館時間ギリギリに入ってみる作戦を発動することに。
 ファサードをくぐると、観光客たち、さっきの物売りおじさんが持っていたオレンジの手提げをみんな持っている。なんで!???買ったの??様子を見ていると、買ったのではなく、おじさんが手提げを配布している模様。あれ、もらえるんだ!しかも、聖ポールの前壁が印刷されてる!!欲しい!にわか聖ポール天主堂マニアになっていた私も、おじさんに手提げをもらいにいった。おじさんは誰に言うでもなく、まだ何かを叫びながら私にも手提げをくれた。おお…超観光客っぽい。

おじさんからもらったオレンジの手提げ。一見「I love Macau」とか書いてあるのかと思いきや、「Jesus Loves You」だった。中身は布教用パンフレットとかDVDだった

〜聖ドミニコ教会の宝物庫〜
 ド派手なオレンジのトートバッグを肩から下げ、石段を下って再びセナド広場方面へ向かう。聖ドミニコ教会が開いていたので、鐘楼を改装して作られた宝物庫を見学します。ここは17世紀とか18世紀とか、結構新しい年代のものが多い(ここではあくまでも使節の年代を基準にして考えているので、使節が生きた16世紀〜17世紀前半は「古い」という感覚になる)。19世紀か…チッ。という、舌打ちをしたくなるくらい新しいものもある。でもミサで使う杯とか、お皿とかも展示されている。大学のときに典礼について調べてたなあ…なつかしいなあ…と眺めていると、日本語が聞こえてきた。む??うるさいおばちゃん3人組である。おばちゃんたちは私をあっという間に追い抜き、「頭があるよ!いや〜〜」「怖いね〜」等、感想を述べ合っている。しゃべっちゃうのはわかるけど、もう少しヒソヒソ声にするとか、気を遣ってほしい。

〜これは展示なのか??〜
 おばちゃんたちが去ってから、彼女たちが騒いでいた「頭」が何を指していたのかわかった。作り途中の御像がそのまま展示されていたのだ。イエス像の頭部だけ、そして腕だけ、というように、バラバラに展示されているので、おばちゃんたちが気味悪がっていたようだ。まあ確かにいい気分ではないが、それよりも「このまま展示しちゃうんだ」という驚きの方が大きかった。なんかここ、倉庫と展示を兼ねているような節があって、箱になんだかわからない雑多なものが入っているのをそのまま床に置いていたりする。日本の博物館ではなかなか見られない光景で、逆に面白かった。

宝物庫最上階。鐘がそのまま展示されています
宝物庫の天井。木造だからか定員は10人まで、って書いてあった

〜うるさい日本人、再び〜
 宝物庫のあとは、聖ドミニコ教会の聖堂へ。クリーム色の内装で、明るい雰囲気の聖堂です。しばし堂内を見学したあと、座って地図を開く。さて、次はどこへ行くか…この先、教会は私の休憩地点になっていきます。静かで落ち着くんですよね。聖堂は祈る場所だと思うので、別のことをしているのは、本当はあまりよろしくないのかもしれないけど、まあ神様は地図見るくらいだったら許してくれるんじゃないかなと思ってます。

聖堂内部。表通りの騒がしい声も、小さくなって遠くに聞こえます
正面の祭壇。中心には聖母子像があります

 地図を見ながら考えていると、すぐ後ろでガタン!と音がした。何かと思ったら、日本人観光客のオジサンが転んだ模様。すぐ後ろの席だったので振り返ってジロジロ見ることもできず、そのままイラッとして席を移動。どうやら、足下に設置されている台(信者がミサのときにひざまずく台)につまずいた様子だった。オジサン、「気をつけなくちゃダメよ」とたしなめる妻に向かって「こんなのがあるとは知らなくて…」と言い訳。そうだよなあ…思わずイラッとしてしまったが、信者じゃないとこんな台があるなんて知らないよな…と思い直し、ちょっぴり反省。この台、日本だと出し入れできるようになっているところもあるのだが、マカオの教会はみんな固定式だった。知っててもつまずきそうな感じ。

〜観光客、いなくなる〜

こんな感じの道を進みます

 さて、再び人の多い大三巴街を抜け、聖ポールには行かずに左の道へ。次は北の方にある聖アントニオ教会に行ってみます。人通りが少ない道を進みます。人ごみも嫌だけど、人がいないのも不安になるわ…あ、道案内の標識がある。「聖安多尼教堂」…大丈夫、合ってそう。とりあえずひたすらまっすぐ進んでみる。

たまたま見つけた戀愛巷。「戀」は「恋」の旧字体らしいので「恋愛巷」ですね。『地球の歩き方』によるとカップルに人気の撮影スポットらしいですが今は誰もいません。奥に聖ポール天主堂が見えます
マカオのスーパー。地元の人が店内に入っていきます。ここでも暮らしてる人がいるんだよなあ

〜広場に出ました〜

聖アントニオ教会前の広場。右奥が聖アントニオ教会

 なんか小さい広場っぽいところに到着。そのまま進んでみると、例の世界遺産解説の角柱が立っているのが目に入ったので、近づいてみる。「…あれ??ここだ!」聖アントニオ教会に到着。なんか溶け込んでて気がつかなかったけど、中に入ってみるとやっぱり教会だった。解説によると、マカオで最も古い教会の一つだそう。1560年以前に創建…古っ!!(あとで調べたところ、最初は藁葺き屋根の粗末な小屋だったとか)今の建物は1875年のもの、外観は1930年に修復とのこと。かなり新しいけど、昔から同じ位置に教会があったというのは、なかなか素晴らしいことではないでしょうか。

聖アントニオ教会外観。シンプルな感じ

〜自己中な私を変えてくださいって祈れば〜

迫力ある正面祭壇

 聖アントニオ教会の中に入ってみる。正面の主祭壇、なんかすごい迫力。そして私以外誰もいない(警備員の人がいたかもしれないけど、全く気がつかず)。ここで、イスラエルでシスターに教わった話をふと思い出した。「初めて行ったカトリック教会では、3つの願い事をすると叶うのよ」…早速願い事を考えてみる。「日本に無事帰れますように」「日本にいる家族が無事でありますように」「……」三つ目が浮かばない。ああ、自分は願い事が浮かばないほど幸せなんだな、と思いながら、困っている人のために祈った。理想としては、人のために最初に祈るのがいい気がするが、私は自分に余裕がないと人に気を遣えないと思っているのでこれでいいや。こんな自分でも少しずつ変わっていくといいのだけど(それを祈ればよかったんだ!)。

脇にある祭壇にいる人。う〜〜ん、誰だかわからないなあ…勉強不足だなあ…↓
…と思っていたら、すぐ左にある像が優しい目で見ていました。「いいのですよ」と言っている感じ。これってイエス様かな…??
これもよくわからない…矢が刺さってるから聖セバスティアヌスな気がする…
たぶん「みこころのイエス」。心臓を指しています
聖アントニオの祭壇。背後の壁画はアントニオの逸話が描かれているようです

〜作戦会議〜
 さて、しばしのお祈りが終わってから、また地図を開く。そろそろお昼なので、どこかで昼食を調達したい。暑くて喉も渇いたので水以外のものが飲みたい。地図をじっと見ていると、見慣れたマーク発見。セブンイレブンあるじゃん!!ここでいいや、何か売ってるだろう。朝ご飯が遅めだったので、何か適当に食べられればいいのだ。こういうときも一人は楽である。一人暮らしで適当に食事するのと同じ感覚。
 作戦を考えていると、日本人の老夫婦が聖堂に入ってきた。慣れているみたいで、特に騒ぐこともなく静かに過ごされていました。騒いでいる日本人にうんざりしていたので、少しほっとした。
 セブンに行くには、「新勝街」という道を歩いていけばいいらしい。早速出発〜。

〜本当にこの道なの?〜
 分かれ道に来た。にぎやかな大通りを予想していたので、そっちに入ってみたら「連勝街」の表示が出てきたではありませんか!あれ?もしかして、あの暗い方の道なの?ちょっと気が進まないけど、行くしかないか…。引き返して、建物の影になっている暗い方の道へ。なんか、あまり店もなくて裏通りという感じ。それもそのはず、あとで気がついたが、この道は昔日本人が住んでいたらしい「茨林園」の裏にある道だった。『地球の歩き方』によると、「茨林園」は通り抜けできないので地元の人もあまり入らないという場所だ。どうりで、ずっと壁が続いてるわけだわ。

壁沿いを生かして設置されている運動器具。モンテの丘に続く道の脇にも設置されてました

 『地球の歩き方』さんは、日本人が掘ったかもしれない井戸が「茨林園」にあるって書いたあとで、すぐ下の欄外に「閉鎖的な場所であり、野良犬も多いので立ち入らないほうがよい」って書いてる。なので何か荒れてる地域なのかも…という印象で、私の頭には「茨林園=怖い場所」という公式がインプットされてしまっていた。あとでそのすぐ裏を歩いていたことを知り、愕然とすることになるが、このときは「人通りが少ない道だな」くらいにしか思っていなかった。

新勝街の様子

〜食料ゲット〜
 さて、寂しい印象の新勝街を抜け、セブンがあるロータリーへやってきました。ここは車通りも多く、にぎやかです。道を渡り、セブンに入ってみる。品揃えは日本とそんなに変わらない感じ。日本のお菓子や飲み物がたくさんあって、いちいち「これ何だろう?」と考え込まずに済みます。ここではアクエリアスとサンドイッチを購入。レジのおばさんに「これもどう?」と、レジ横のキットカットを勧められたので「じゃあ、1つください」と適当に答える。外はチョコが溶けそうと思わせるくらいの暑さで、なるべく避けていたのだが、非常食用ということで。おばさん、最初は中国語(ちなみに北京語か広東語かはわからない)で値段を言っていたが、私がなかなかお金を出せないのを見て察したのか、英語で言ってくれた。無事、支払いを終えて外へ。あとは途中で適当なところを見つけて食べよう。さっきもらった聖ポールのオレンジトートバッグに食料を入れ、再び出発。

〜この道で合ってるのかな〜

本当は新勝街じゃないのでは…と疑っていたところへ、この表示。合ってた

 次に目指すのは聖ラザロ教会です。再び新勝街をまっすぐ進んで、どこかで曲がらないと…と思っていたら、左側にエメラルドグリーンの壁が出てきた。

引き続き、新勝街の様子。グリーンの壁が出てきました

 なんだろう、これ。そのまま進んでいくと、今度は右側にヨーロッパ風の町並みが現れた。あ、これラザロ地区だ!!!こんなところにひょっこり。ということは、左側のエメラルドグリーンは…

〜聖ミカエル教会でした〜

ひょっこり現れた聖ミカエル教会

 お、これもガイドブックで見たところだ!!エメラルドグリーンの聖ミカエル教会。墓地が楽しい感じ、というと不謹慎に聞こえるが、お墓のデザインがいろいろあって面白いのだ。お墓なので奥に入るのは控えておいて、通路からの見学だけにしたけど、一個一個じっくり見たくなるような墓地でした。
 さて、まっすぐ進んで聖堂内部へ。天井が低く、なんかこじんまりしててかわいらしい教会。写真ダメみたいなので様子をメモ。祭壇には最後の審判のステンドグラス、その前に彩色されたミカエルの像が置かれてました。あれ?イエス像は?と思ったら、ミカエルの像の下に小さい磔刑像がありました。主役はミカエルっぽい。

〜おばあさん現れる〜
 やっと地図をひらき、現在位置を確認。ラザロ教会までの道を調べてみる。それから外へ出ると、ベンチがあったので「お昼食べようかな…」と思ったが、人が来たのでやめておいた。聖堂の外とはいえ、モグモグするのは何となく気が引けたのだ。
 そのまま出ようとすると、門のところでおばあさんが小さな椅子に座っているのが目に入った。あれ?この人、さっきからいたかしら。気がつかなかった。おばあさんは私に気がつくと、小さな丸い缶のような皿を出してきた。ああ、お金入れろって言ってるんだ。私はそのまま小さく頭を下げて通り過ぎたが、門を出たあとに、ふとイスラエルの教会にも同じような人がいたことを思い出した。ここで、お金を渡したら何が起こるのだろう。…やってみよう。
 さっきセブンでもらったおつりを出し、引き返しておばあさんに渡してみた。おばあさん、にっこり笑って「バイバーイ!!」…??特に何も起こらなかった。おばあさんの対応に面食らったまま、ミカエル教会をあとにした。

〜ラザロ教会どこへやら〜

ガイドブックにやたら載っているラザロ地区。実際に行ってみると、奥のマカオらしいアパートがよく見えて気になり、そんなにヨーロッパな気分にならない

 さて、気を取り直してラザロ教会へ…と思ったら、なんか迷った。地図をちゃんと見ないとこういうことになる。軌道修正する途中、小さな店があり、軒先に猫がいた。お、マカオの猫。そういえば、マカオに来て猫を見てなかった。野良ちゃんはあまりいないのかな。

マカオの猫。つながれてる(笑)
こんな感じのところにやってきました。階段になってます。これはこれでいい雰囲気です。瘋堂中斜巷という道みたいです

〜何となくわかる日本人〜

軌道修正完了。なんだ、さっきのラザロ地区の写真の道をまっすぐ行けばよかったのか

 やっとこさラザロ教会の近くまでやってきました。おや、日本人っぽい女性が道の隅で本を見ている。迷ってるのかしら。隣を通り過ぎるときに盗み見してみると、やはり日本語のガイドブックだった。同じアジア人なら、何となくどこの国の人かわかるもんなんだなー。西洋の人から見るとみんな同じ「チャイニーズ」なんだろうけど。私から見ると、白人はどこの国の人か見分けがつかないのと同じか。

〜え、開かない??〜
 日本人女性が眺めていた方に行ってみると、教会らしき建物が現れた。これがラザロ教会かな?近くまで行ってみると、扉が開いてない。おかしいな、閉まってるのかしら。ドアに手をかけてみたが、びくともしない。あれ?ここ本当にラザロ教会?誰かいないかと思って建物の脇を見たりしてみたが、人がいないので尋ねることもできない。おかしいなー…道に出て、私もガイドブックを開く。さっきの女性と同じことをしている。ははあ、さっきの人も閉まってるからおかしいと思ったんだな。調べてみると、閉まってる建物はラザロ教会で間違いなかった。残念だなあ、何で閉まってるんだろう。

閉まっていてガッカリしたので、こんな写真しかない聖ラザロ教会

〜昼食です〜
 聖ラザロ教会が不発に終わってしまったが、気を取り直して歩いていきます。まっすぐ行って突き当たったところに緑の木が見えるので、もしかして公園かも…と期待を抱いてみる。もう暑くてサンドイッチが腐る気がして、早く食べてしまいたかったのだ。横断歩道のない交差点を横切ろうとして車に轢かれそうになったが、どうにか反対側に渡ってみると、ベンチがあった!!これでやっと昼食だー。暑いので日陰になっているベンチを探して座る。近くには日傘をさして休んでいる家族もいた。

〜来るつもりはなかったのだが〜
 このベンチは真ん中に手すりがついていて、二つに分かれている。その片方に座ってサンドイッチをモグモグしていると、なぜかもう片方にいきなり若い男性が座ってきた。え、他のベンチ空いてるじゃん!なんでわざわざ私の隣に…警戒して荷物を自分の方に引き寄せる私。隣の男性、弁当箱を出してご飯を食べ始めた。なんかいい匂いするんですけど。あったかいご飯にちょっとうらやましさを感じつつ、家に連絡メールを入れる。
 それから再び地図確認。お、どうやら今バスコ・ダ・ガマ公園にいるみたい。こんなところまで来てしまったか〜。さて、どうやって戻ろうかな。

偶然やってきたバスコ・ダ・ガマ公園

〜こんなに小さいお店だとは〜
 公園のお手洗いに寄ってから、再びセナド広場へ向けて出発。次は南の方に行ってみます。途中、ガイドブックに載っていた「藝舎」というお土産屋に立ち寄ろうとして、いきなり通り過ぎる。おかしいな、と思って戻ってみたら、通り沿いにさりげなくあった。入ってみると、客は私だけ…なんか気まずいので、店のお兄さんに「はろー」と声をかけてから物色。
 お店の中は雑貨がたくさんで、中国っぽいものと、鶏の置物などのポルトガルっぽいもの、そして聖ポール天主堂が描かれたコースターなどのマカオっぽいものがありました。通りの名前が書かれているアズレージョを再現したマグネットも。これ、どれが一番売れるんだろ…
 私は聖ポールのマグネットとアズレージョ風の置物、鶏のコースターを買うことに。レジに持って行こうとすると、白人のおばちゃん軍団が入ってきて、お店のお兄さんと話し始めた。どうやらしおりを探しているらしいが、この店には置いてないみたい。おばちゃん軍団、諦めて店の物色を始めた。

〜小銭ないです〜
 どうやら会計ができる様子なので、お兄さんに品物を渡す。お金を出すと、お兄さんが焦ったようにコインを見せ、指を一本立てた。ああ、おつりが足りないんだな。小銭はさっきのおばあさんにあげちゃったし、私も持っていないのだ。首をふる私を見て、お兄さんはジャラジャラとおつりをかき集めて渡してきた。おつりなんて間違えても全くわからないのに。真面目なお兄さんを困らせて申し訳なかったなあと思いながら、店を後にした。

+2日目(その3)

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