恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> マカオ旅日記 >> 1日目


+1日目+(日本〜香港〜マカオ)

〜ついに出発です〜

 午前4時起床…ついに出発の日が来てしまった。勢いで休みをとって準備したものの、海外一人旅ということで不安だらけ、微妙に憂鬱である。そういえば久しぶりに一人だなあ…一人の楽しみ方を忘れてしまった気がする。「行くぞー!」と意気込むこともなく、なんとなく家を出て、スーツケースをゴロゴロしつつ駅へ。うわ〜〜、真っ暗だよー、心細いよー。駅のホームからは月が見えた。

〜人が増えてきました〜
 羽田の国際線を使ってみたいということで、今回は羽田空港行きのバスに乗ります。荷物が大きいときはバスの方が楽だということに気がつき、ここ最近は高速バスをよく使っている私。バス停で待っていると、人がたくさんやってきた。みんな同じバスに乗る人のようで、「屋久島に行く」とか「福岡に行く」と話をしている。そうだ、羽田は国内メインなんだよね…。おしゃべりできる人がいていいな、と思いつつバスへ。
 途中、混雑で迂回路を使うとアナウンスが入ったが、私は数時間余裕をみて行動しているため(ちょうどいい時間のバスがなかっただけ)、遅れてもいいかと思い車内で睡眠。でも、ほぼ定刻どおりに到着でした。さすが日本のバス。

〜国際線ターミナル!〜

ホテルのアズレージョ 国際線ターミナルの様子

 さて、初めての羽田空港国際線ターミナルです!おお…なんか、成田を少し小さくしたような感じ。ここで、大事なWifiのルーターを借りに専用のカウンターへ。使節の海外旅に行かれているヘラクレスさんが借りていて便利そうだったので、私も使ってみようと思ったのだ。今回はこちらで予約しました→イモトのWiFi
 ルーターを受け取っていよいよチェックイン。私はツアーにしか参加したことがなかったので、どうするんだ?と思いつつ、フライトが表示されている液晶の掲示板を眺めていると、カウンターのアルファベットが表示されている。そうか、このカウンターに行けばいいんだ。海外一人旅初心者なので、ちょっとしたことがわからない。ツアーって楽なんだな…と実感。

〜チェックインに挑戦〜

ホテルのアズレージョ 掲示板で確認しましょう

 カウンターのあたりでうろうろしていると、職員の人が声をかけてきてくれた。ああ、ここでスーツケースを預けるんだっけ。これはツアーのときもやった。
 私は今回、香港空港まで行き、フェリーに乗り換えるというルートにしている。ここで「マカオまで行きます」と言うと、荷物をそのままマカオまで運んでくれ、フェリーを降りたところで受け取れるらしい。早速「マカオまで行く」と申し出て、フェリーの予約確認書を見せると、手続きしてくれた。途中、フェリーの便名を聞かれたが、私もわからないので「たぶんこれだと思います」と、予約確認書に書いてあった記号を適当に指し示してみた。担当してくれた職員のお姉さんはなんか怪しんでいたが、他の職員にも確認して、大丈夫そうだったので事なきを得ました。とりあえず一安心です。飛行機のチケットの裏に、何やらバーコードを貼られて渡されました。これが荷物を預けている目印になるのかな??
 ちなみに、フェリーはこちらで予約してもらいました↓
マカオフェリーチケット予約

〜ちょっとした観光〜
 無事チェックインも済んだところで、iPhoneの設定をする。Wifiルーターのセットの中に説明書が入っているので、それを見ながら設定完了。
 搭乗開始の時間までしばらくあるので、空港内を探検してみることにした。国際線ができたときに、空港内のお土産街が和風で日本らしさを出していると話題になり、行ってみたかったのだ。薬局で念のための下痢止めを購入したあと、エスカレーターで上の階に行ってみる。ここだここだ!テレビで見たところだ!朝早いので人影はまばらだったが、見たところ全ての店がすでに営業中のようだ。まあ、とくに日本のお土産も必要ないので、うろうろして終了。春仕様になっていたのか、桜の飾り付けがきれいでした。

ホテルのアズレージョ 国際ターミナルお土産街の様子
きれいめな江戸という感じ
神社を連想させる…こっそり液晶画面が脇に立ってます

〜水のガブ飲み〜
 保安検査場の前で、さっき買ったばかりのペットボトルの水を捨てる。大きい液体物は機内に持ち込めないらしいのだ。捨てる前にできるだけ飲んだが、もったいない。もう少し飲んでおけばよかった…。
 検査場を無事通過し、出国手続きのあとは搭乗ゲートへ。そういえば、目薬とかハンドクリームとかの小さい液体物をカバンに入れっぱなしだったけど、大丈夫だったな。電子機器を出すのに必死で、液体物はすっかり忘れてた。

〜お腹すいたなあ〜
 実は、さっきからコンビニを探しております。私は起きたばかりでいっぱい食べられる体質ではないので、朝ご飯は少なめなのだが、数時間するとやはりお腹が鳴り出す。サンドイッチとか売ってないかなあと思いつつ、指定された搭乗ゲートへ向かっていると、ゲートのすぐ近くにカフェがあった。やった、サンドイッチ売ってるぞ!早速購入し、椅子に座ってムシャムシャ。向かいの椅子には、ビジネスマン風の男性が座って、パソコンで何やらやっていた。お仕事かな。

〜ベルト、ひきずってますよ〜
 搭乗開始時間になったので、列に並ぶ。すると、後ろから突然声をかけられた。「コートのベルト、引きずってますよ。汚れちゃうといけないから」人懐っこそうな、主婦風のお姉さんが、わざわざ教えに来てくれていた。うわ〜〜、ありがとうございます!!おっちょこちょいだから、こういうのよくやるんだよな…マフラー引きずってたこともあるし、タオル落としたり、電子辞書を置き忘れたり、電車の網棚にクリアケースを置き去りにしたり。カーディガンを電車に置いてきたこともあった。そのたびに「なんてバカなんだ」と思うのだが、必ずフォローしてくれる人がいるのだ。おかげで、今まで忘れ物でなくしたものはボロい折り畳み傘1本だけ。常々、人に恵まれてるなあと思っている(思い込むようにしている)。ちょっとしたことですが、今回も助かりました。ありがとうございました。ベルトは外してカバンにしまっちゃいました。

〜窓際だったー〜

ホテルのアズレージョ 今日も翼が見えます

 飛行機は窓際でした。早い時間にチェックインしたから、窓際にしてくれたのかな?トイレに行きにくいので通路側でも良かったのだが…まあいいや。数時間だし。ラッキーついでに、隣の席には誰もいませんでした。通路側には変わったオジサンが座ってたけど。私の感覚からすると、かなり「え??」な感じ。席についていきなり「飲み物くれ」と注文。離陸してからです、って断られてたけど。でも、他の客より先に飲み物持ってきてもらってた。さすがCAさんだなあ、ちゃんと覚えてるんだ。

〜CAさん来ちゃった〜
 飛行機、ついに離陸…もう引き返せない。と思ったのは一瞬だけで、すぐに遊び始める。今回乗った飛行機には前の座席に画面がついていて、映画を観たり、マンガが読めたりする。オジサンはすでに映画を観ているようなのに、なかなか自分の画面のスイッチが入らなかったので、リモコンのボタンを片っ端から押してみる。しばらくガチャガチャやっていると、中国語なまりのCAさんが「お客様、お呼びでしょうか」とやってきた。通路側のオジサンに言っているのではなさそうだ。すると、私か。「大丈夫です」と答えて帰ってもらった。なんだったんだ。備え付けの冊子に、リモコンの説明が載っているのを発見したので見てみると、「乗務員呼び出しボタン」なるものが存在することが判明。あ、これ押した気がする…しかも何回も。え、隣に「呼び出し取り消し」ボタンがあるじゃん…これを押していれば、CAさんに迷惑かけることもなかったのに。申し訳なかったなあと思っていると、画面がいきなり表示された。何これ、何で出てきたんだろ。一括で管理しているのか?まあいいか。とにかく画面がついたので、フライトマップを表示。結局マップかい。でもこれ、楽しいんだよね。

〜機内食です〜

ホテルのアズレージョ 今回は和食系でした

 しばらくすると、機内食が運ばれてきた。前の座席の人の様子が隙間から見えるんだけど、なんかアイスがあるみたい!わくわくしながら待っていると、私のところにも運ばれてきた。わ〜〜〜、ハーゲンダッツだ!バナナだ!こっそり喜んでいると、隣のオジサンは「これさ、方向性としては一つなの?」とCAさんに話しかけていた。方向性って何だ。CAさんはすぐに理解したらしく、「一種類しかないんです」と言って謝っていた。あ、機内食の話か。黙って食べればいいのに。知らない人に敬語を使わないのも、日本語を話す者としてどうなのって言いたい。オジサンにイライラしても時間がもったいないので、機内食に専念することにした。今回は和風で、私はアイスまで完食しました。一人で次にいつ食べられるかわからないので、食いだめ。

〜べ、べんきょうせねば!〜
 機内食のあとはお昼寝。ふと目がさめたとき、マカオのことを何も知らないということを思い出した。特に、使節との関係はしっかり学んでおかねば。何のために行くのかという話になってしまう。私の使節バイブル、松田毅一先生の『天正遣欧使節』を取り出し、マカオに関する部分をノートに書き始めた。…と思ったら、途中でまた寝てしまった。何してるんだ。
 ウトウトと読書を繰り返していると、下に香港の町並みが見えてきた。すごい、ビルばっかり!都会だ〜〜。そうこうしているうちに、飛行機は無事に香港着陸。ついに一人で異国の地に来てしまった…次はフェリーに乗り換え。気持ちを切り替え、フェリーの乗船手続きへ。

〜ホンコン、ダメ〜

ホテルのアズレージョ この表示に従って進みます。マカオへのフェリーは「E2」です

 乗り継ぎについては、インターネットで予習していたので、受付カウンターまで迷うことなくたどり着きました(でも結構歩いた気がする)。カウンター付近で並ぶでもなくウロウロしていると、職員っぽいおじさんが「マカオ?」と訊いてきた。やった、おじさんありがとう。「マカオです」と言うと、カウンターにすぐ案内された。お姉さんにパスポートと飛行機のチケットを見せ、手続き完了。フェリーのチケットと、「Turbo Jet」のロゴが入った赤いシールを渡された。シールは胸に貼れという。そしていつのまにか、荷物のシールがフェリーのチケットにホチキスどめされていた。乗船の30分前までに受付ゲートに来ることと、ゲートの位置の説明を受ける。それから、香港に絶対入国しちゃダメ、と片言の日本語で言われた。大事な部分なので日本語を使って下さったのだろう。日本語に引きずられて、日本語で「ありがとうございます…」と言いながら、カウンターを去った。

〜時差があったんだった〜
 さて、フェリーの時間まで暇になってしまった。時間を間違えるといけないので、腕時計を香港時間に合わせようと思い立つ。時差は一時間なので、変えなくても大丈夫かなと思っていたが、なんだかんだ不便なので、やっぱり合わせることに。
 フェリー乗り場への受付ゲートを確認してから、今の時間を確かめるため、空港内の時計を探す。グルグルと歩き回っていると、両替所を発見。そうだ、両替もしようと思ってたんだ。あとで来なければ。
 その後、空港内の時計を発見し、腕時計の時間を合わせる。一時間戻ってしまった。なんか、待ち時間が増えたような感覚。がっくり。

〜次は両替です〜
 時計を合わせてから、両替所へ。とりあえず香港ドルに換金してみた。そんなに大きい金額ではないので、私はレートをあまり気にしないのだが(あと数字に弱いので見たくない)、1香港ドル=10円ちょっとくらいなので、返ってくる数字としては少なくなる。5ケタの金額を出しても、4ケタの金額が返ってくるということだ。手元にきた香港ドルを見て、「なんかずいぶん少なくなっちゃったな」感が否めなかったが、仕方ない。

〜べんきょう再開〜
 フェリーの時間まで、まだ2時間もある…歩き回るのに疲れたので、椅子に座って、マカオと使節の関係をメモに書き出す作業を再開。そういえば、中国圏に来て思ったけど、漢字がわかるってだいぶ便利だな〜〜。日本の「優先席」は、香港の空港では「優先座」と書いてある。日本人の感覚として、椅子に「優先」と書いてあればすぐに理解できる。もちろん英語併記してあるのだが、日本と同じ感覚で過ごせるというのは便利だなあ。

〜移動開始〜
 使節メモの整理も終わり、時計を見るとあと45分。少し早いが、ゲートに行ってみる。まだ誰も並んでいないけど、すでに係員の人がいたのでチケットを見せてみる。係員の男性、「まあ、大丈夫でしょう」という表情で先に進めと指し示した。進んでみると、女性が小さいカウンターにいたので、その人にチケットを渡してみる。何やらチケットのバーコードを読み取っていたようだが、大丈夫だったみたいで先に進んでいいと言われた。

〜貸し切り車両〜

ホテルのアズレージョ 誰もいない車内

 エスカレーターで地下へ。このエスカレーター、なんかずっと「ピピピピピ…」って言ってるんですけど。こういうものなのかな。下りきると、日本の地下鉄のようなホームに到着した。並んでいる人が、硝子の向こう側に見える。あっちか…と思ったら、え??あっち側のホームに行けないんですけど。何だこれ、どうするんだ。見ていると、私がいる方にも電車がやってきた。あ、こっち側もホームだったのか。すみっこの方に係員らしき女性がいたので、チケットを見せてみると、今来た電車に乗れと言う。よくわからないまま乗ってみた。誰もいない。わ〜〜、貸し切りだ!テンションが上がり、先頭に行ってみた。ふと後ろの方を見てみると、車両がもう一両あったらしく、そこには人が乗っていた。あ、一人じゃなかったんだ。

〜開放的なフェリー乗り場に到着〜

ホテルのアズレージョ 早く乗りたいな〜

 この電車、無人で動いてるって聞いてたけど、本当に無人で動いてる。すごい。一番前で暗い線路を眺めていると、数分でフェリーターミナルに到着したらしく、ドアが開いた。今度は上りエスカレーターで上へ。上りきると、目の前のガラス張りの窓の外は海だった。おお、フェリーっぽい!液晶の掲示板を見てみると、私が乗るフェリーも表示されている。大丈夫だ、ここで合ってるっぽい。乗り場がいくつかあり、画面に番号が出てくるのだが、まだ時間が早いせいか、番号は表示されていなかった。ちょうどフェリー出発の合間なのか、乗り場は閑散としていた。私はカメラの時間を香港時間に合わせたり、地図をもらって見たりして(見づらかったので結局使わず)、時間をつぶした。

ホテルのアズレージョ トイレにあった貼り紙。日本語だ!日本人がいかに多いかということがわかる


〜日本人ですなあ〜

ホテルのアズレージョ 右上の黒い画面が掲示板。まだ乗り場がわからない

 出航30分前くらいになり、だんだん人が増えてきた。日本人が多いみたい。彼らは「掲示板に乗り場の番号が出ない」と騒いでいる。日本人としてはわからなくもないけど、静かに待ってればいいのに。10分前くらいにようやく乗り場が表示され、ぞろぞろと並び始めた。私も便乗。中に、現地人のような大人数の家族連れがいたが、みんなビーチサンダル、半袖、ハーフパンツというような、真夏の格好をしている。え??確かに空港は暑かった気がするけど、ここはかなりクーラーが効いていて寒いくらい。実際、日本人たちは長袖ジャケットとかトレーナーを着ているのに。こいつら、やるな…。

〜海が見たかったのに〜

ホテルのアズレージョ 船内の様子
ほぼ満席です。設備はちょっと古いかなという印象

 フェリーは自由席で、すでに窓際が埋まっていた。早く並べば良かったかも。窓際に座っていた、物静かそうな白人女性の隣に、一つ席を空けて座った。彼女も一人なようだ。時折、メモに何かを書き付けている。フェリーは時間より少し遅れて出航。まわりを見てみると、大学生のような若い日本人の女の子も乗っている。オジサンと話したりしている。どういう団体なんだろ?そしてマカオに何をしに行くんだろ??…そんなことどうでもいいか。さっきの現地人の家族連れの子どもが騒いでいてうるさかったが、眠くなってきたので少し寝てしまった。

〜そういえば、天気予報は「霧」〜

ホテルのアズレージョ 霧が出てきた海上

 目が覚めると、まだ海の上。エンジン音がおさまったので、マカオに着くのかな?と思いきや、外を見るとすごい霧。日本で出発前にマカオの天気予報を見ていたのだが、「霧」と出ていたので「霧って何だ、天気は晴れか雨か曇りじゃないのか」と思っていたのだが、こういうことかもしれない。霧のせいでなかなか進めないのかな。なんかアナウンスが入ったが、中国語と英語なのでよく意味がわからず。まあ、そのうち着くだろう。17時出発で遅れたとはいえ、もう18時過ぎ。あとどれくらいかかるんだろ。明るいうちに着いたら、少し散策しようと思っていたのだが。
 暇なので、フェリーの予約会社からもらった、マカオへの入国手順のメールを読み返してみた。入国カードというのが船内で配られるらしい。でも、誰も持っている様子がない。これからかな??もらい損ねたら入国審査のときに書けばいいらしいので、そんなに気にしなくていいみたい。

〜入国カードはありませんでした〜

ホテルのアズレージョ マカオに上陸!赤いのが乗ってきたフェリー

 ずいぶん時間が経った気がする。やっとマカオに着いた。たぶん18時半過ぎくらい。でもマカオはまだ明るく、これなら散策できそうな感じ。順調に行けば、7時すぎくらいにはホテルに着けるかな…順調に行けば。他の客に交じって、入国審査へ。ちなみに、入国カードはなくなったらしく、必要ありませんでした。日本人男性グループが話しているのを盗み聞きしていたら、彼らも入国カードがないのを不審に思い、フェリー内のカウンターにあるのを見つけて取ろうとしたら、スタッフに必要ないと言われたらしい。入国審査は何事もなく終了。マカオの審査官は黙々と仕事をこなす感じでした。質問も全くなし。パスポートと一緒にレシートみたいなのが返ってきたので、とりあえずパスポートにはさんでカバンへ。あとで見たら、「入境申報表」と書いてあった。「きちんと入国手続きしましたよ」的なものかな?

〜ガチャン!!と〜
 その後、荷物を引き取りに行く。人がいっぱい集まっているのですぐわかる。私はターンテーブルを想像していたのだが、コンテナが裏口からゴロゴロ運ばれてきて、そこから荷物が降ろされていく。入ってない…?と思ったら、コンテナがどんどん出てくるので、そのうち出てくるだろうと思って見ていた。荷物を降ろしている最中、係員のおじさんがスーツケースを落とす場面を目撃し、あー、傷になりそうと思ったりして、自分の荷物が出てくるのを待っていた。

〜え、ヒビ!!???〜
 私の荷物は一番最後のコンテナから出てきた。まわりの日本人の話を盗み聞きしてみると、早めに飛行機のチェックインをしたので荷物が一番奥に積まれ、最後に出てきたのだということだった。そうか、それは仕方ないな。とにかく、ちゃんとマカオまで荷物が来てよかった。さて、このスーツケースはダスキンさんから借りたものなので、壊れてないかチェックしなくてはいけないらしい。タイヤOK、側面OK、持ち手OK………ん???なんか、角にヒビ入ってるんですけど!!どうすんだ、これ。ダスキンさんからもらった説明プリントによると、「破損証明書」なるものをもらわないといけないらしい。そうしないと私が修理代を払わないといけなくなる。う〜〜ん。

ホテルのアズレージョ ヒビが入った私のスーツケース。白くハゲているのは借りたときからあったけど…

〜え、えくすきゅーずみー…〜
 どうしようか迷ったが、頼んでみることにした。ダメだったら、自分で弁償するしかあるまい。英語ができないので「破損」と「証明書」の単語を和英辞書で調べ、いざ、近くにいた、人の良さそうな黒人係員の人に話しかけてみる。「えくすきゅーずみー、まい スーツケース はず だめーじ…あい にーど ぷるーふ」片言なので、本当にこんな感じで話している。あとはスーツケースのヒビを指すと、わかってくれたのか、フェリー会社の方に行ってみて、と言われた。さっきコンテナが運ばれてきた方へ歩いていくと、カウンターが見えた。若いお姉さんが奥にいる。ここでもさっきの会話を繰り返すと、お姉さんがでっぷりしたおじさんを連れてきた。でっぷりおじさんはどこかに電話し、「お前出ろ」と携帯電話を私に渡してきた。

〜英語で電話なんて〜
 「は、はろー…」と出てみると、相手は若そうなお兄さんの声。英語だったが、何だかよくわからず、最後の「level 2」だけ聞き取れた。ははあ、2階に来いってことか。「OK」と返事をし、でっぷりおじさんに電話を返してお礼を言って2階へ。しかし、階段もエレベーターも見つからない。再び、黒人のお兄さんを頼る。なんかニコニコしているので話しかけやすいのだ。しかし、「level 2」がなぜか理解してもらえず。必死で上を指し示したりしていると、「Oh, second.」とわかったらしく、そこから出ればエスカレーターがあるよ、と案内してくれた。なんだ、セカンドって言えばよかったのか。ひたすら「トゥー」を連呼して馬鹿みたいだった。

〜チケット、行方不明に〜
 さて、エスカレーターで2階へ。ターボジェットさんのカウンターがあったが、ここで言えばいいのか?でもこういうときって、たいてい事務所っぽいところがありそうなんだけど…裏の方へ歩いていこうとすると、若いお兄さんが「スーツケース、ダメージ?」と話しかけてきた。あ、この人だ!さっき電話で話した人に違いない。「いえす、いえす!ひあー(ここ)」と話してみると、フェリーのチケットを持っているかと言う。持ってる持ってる、さっき荷物引き取るときに出して、そのあとしまった…あれ??どこ行った?あせって辞書とか出して、どさくさまぎれにどこかに行ったみたい。ガサガサ探している私に向かって、お兄さんは「たぶんパスポートの間だ」という助言をくれたが、なかった。ちなみに、ホテルで探したら『地球の歩き方』の間から発見された。なんでこんなところに…

〜テキパキ〜
 引き続きガサガサしている私を連れて、お兄さんは事務所の中へ。「プレミア」とか書いてあるけど、何の部屋なんだろ。私がチケットを探している間に、書類を書き始めるお兄さん。スーツケースのヒビを写真に撮ったりしている。私は荷物の中を全部出したりして探してみたが、やっぱりチケットは見つからず。トボトボとお兄さんのもとへ。「すみません、チケットなくしました…でも予約してます」と適当な英語で言って、フェリーの予約確認書を出してみる。お兄さんはそれを見たあと、スーツケースについていた荷物のバーコードタグを外し、それをパスポートと一緒にコピーした。どうやらチケットはもういいらしい。それから、私への聞き取りを始めた。

〜「buy」って言ってるよね!?〜
 やりとりは英語だったが、お互い母国語ではないせいか、うまくいかない。もちろん、私なんかよりお兄さんの方がうまいのだが。「あのスーツケースはいつ買ったのか」と言うので、「買ってません、借りました」と言ってるのに、「だめだ、こりゃ」みたいな雰囲気で「OK, OK.」と言い、スマホを取り出した。お、翻訳アプリか!!日本語のを入れているとはさすがだ。お兄さんが画面を見せてきた。そこには「するときに、いつ買いますか?」えええ???「するときに」って何?まあいいか、そこは無視して、「買ってません、借りました」を繰り返す私。すると「いつ?去年?先週?」と訊くので、「先週です」と言うと、「OK.」と返事があり、押し問答は終わった。手に入れた時期を知りたかっただけか?

〜無事に手続き終了〜
 その後、傷は1カ所だけか等の質問があり、お兄さんは傷の様子を中国語で書いていった。書きながら、「今、中国語で書きます。空港の者がわかるようにです。これを香港空港にFAXして、空港から数日後あなたにメールを送ります」と説明があった。なるほど、乗り継いだからかチケットがないせいかはわからないが、今は「証明」というものが出せないということか。(ちなみに、4日後にSkypierから「壊してゴメンネ」みたいな内容のPDF文書がメール添付で届きました。英語なのできちんと読んでない(^^;))

〜インシュアランス〜
 最後にメールアドレスとサインを書けと言われ、記入していると、お兄さんが思い出したように訊いてきた。「保険は入ってますか?」なぜか「保険」が聞き取れた私は「Yes.」と、ネットで加入した海外旅行保険のプリントを見せた。お兄さんは英語併記のそのプリントを見て、「対物保証」のところを指さし、「あなたはこの保険か、この証明を出すかを選べます」と言ってきた。う〜ん…でもここまで来たし、あとで保険会社に連絡するのも面倒くさそうなんだよな…しかも、本当に香港からメールが来るのか疑わしい。証明がもらえなかったときのために、保険はとっておこう。妙に冷静な判断をし、「私は証明が欲しいのです」と依頼。お兄さんは「OK.」と香港にFAX。最後に、書類のコピーを渡してくれた。念のため「香港空港では、何かする必要がありますか?」的なことを訊いてみたが、メールを待っているだけでいいという。お兄さんにお礼を言って、フェリーターミナルを後にした。

〜ホテルのバス乗り場にやってきました〜
 外はすでに真っ暗。も〜、散策はあきらめた。とにかくホテルまで行かなければならない。今回お世話になるのは、ホテルシントラさんです。観光の中心地に近く、名前も気に入った。あの有名なホテルリスボアに近く、リスボアと同系列のホテルらしい。ネットの口コミによると、シントラのバスがわからないときは、リスボアのバスに乗ればいいと書いてあったので、とりあえずリスボアのバス停を目指してみた。バス乗り場…ホテルの名前が書いてあるのはいいのだが、大きいホテルしか表示されてない。リスボアのバスはちょうどいなかった。どうしようかな。暗闇の中、遠くに見覚えのあるホテル名が入ったバスが見えたので、そこまで行ってみた。

〜違うバスだった〜
 あ、このバス、グランド・リスボアだった…これに乗っても近いみたいなのだが、運転手のおじさんに訊いてみる。「シントラに行きたいのですが…」すると、「ああ、シントラなら彼が知ってるよ!!」と近くにきたお兄さんを指した。「シントラはあっちだよ、白いバスだよ」と教わり、示された方へてくてく歩いていく。なんだ、こっちにもバス停があるのか。フェリーターミナルの到着ゲートからは一回地下に下がって、エスカレーターでバス停に上がってくるのだが、その出口の向きと反対側にもバス停があったのだ。探してみると、シントラの名前が入った小さめのバスが待機していた。あったあった、これだ!!バスの前で待っていると、ほどなくして運転手のおじさんが戻ってきて、乗っていいよと手で示したので乗車。バスには私しかいなかった。

〜ネオンがギラギラ〜
 夜のマカオを走り始めたバス。それぞれのホテルが、競うようにネオンを輝かせている。うわ〜〜〜、何アレ!!リスボアだ!ひときわ派手な原色のネオンだ。道ばたを見ていると、やはりネオンを見にきたのか、写真を撮っている人がちらほら。今はあまり見かけなくなったかもしれないが、一昔前の日本のパチンコ屋のネオンを、もっとすごくしたような感じ。私も見に行きたいけど、夜は出歩かない予定なので無理だろうな…。

〜ホテルのチェックインに挑戦〜
 バスはすぐにホテルシントラへ到着した。ボーイさんがスーツケースを降ろしてくれたので、私はそのままフロントへ。「予約してます…」と言いながら、ネットの予約票を見せる。受付のお姉さんにパスポートも出せと言われたので渡し、チェックインの手続きを待つ。お姉さんが「paper」と言っているので、まさか、またフェリーのチケット?持ってないんだよな…と思いつつ、ここまでにもらったペーパーっぽいものを出してみると、「これ、これ」と、さっき入国審査でもらった入境申報表を取り上げた。え、それ大事だったんだ!ちゃんと持っておいてよかった。それから500香港ドルを預け、ホテルでよくある名前とか住所とかを書かされる紙に記入。住所か…どうやって書くんだっけ?日本語じゃだめかな?と思いつつ、「英語で?」と訊くと、「Yes. 」とのことだったので、「うわ〜」と思いながら、英語での書き方を思い出して記入。確か、日本と逆になるんだっけ?これ書くの、中学校以来だよ…なんかよくわからないので適当に書き、やり過ごした。みなさんは気をつけましょう。

〜やっと部屋へ〜
 最後に、部屋のカードキー、朝食券と一緒に500香港ドルを預かった証明を受け取る。私はさっき払っていることをすっかり忘れ、また出そうとしたら「もうもらってますよ」と言われた。お姉さん、やっとここで笑う。え、そうだったっけ。それならいいか…財布をあとで確認すると、お姉さんの言う通り500ドル札がなくなっていた。
 愛想のいいボーイさんに連れられ、予約した部屋へ。8階で、本当は2人用の部屋である。なんか安くなってたので勢いで予約してしまったのだ。ボーイさんが部屋のドアの開け方を教えてくれ、スーツケースを運び入れてくれた。「ほら、景色がよく見えますよ!しかも広いでしょう!」と言っている感じで、私よりボーイさんの方が嬉しそうに部屋の説明をしている。窓からはグランド・リスボアのネオンが間近に見えた。

ホテルのアズレージョ 部屋の様子。2人用だが、あと4人は寝られそう
窓の外の様子。左の、だ円形の球体と、見切れてしまっているタワーがグランド・リスボアさん。実際に見るとすごい迫力


〜喉すっごく渇いてた〜

ホテルのアズレージョ ホテルの備え付け。水があって良かった…

 ボーイさんにチップを渡し、一人になった後、荷物整理を始めた。なんかものすごく疲れた…置いてあった水をゴクゴク飲む。ホテル到着20時。時間的にはそんなに遅くないが、本当はもっと早く着くつもりだったのだ。Wifiをつないでメールチェックすると、自宅の妹から連絡が来ていた。母が心配性なので、連絡を定期的にする約束をしていたのだ。連絡メールを送ったあと、夕飯を食べていないことに気がついた。ちょっと小腹が空いている程度だったので、機内食でもらった「あられ」をポリポリ食べて終了。なんかお菓子持ってきておけば良かったな…。

〜明日も早起きです〜
 いつでも寝られる準備をしたあと、明日の計画を立て始める。いつもなら綿密に計画するのだが、今回は行きたい場所がみんな徒歩圏内なので、リストアップして、だいたいのグループ分けだけしておいた。メインは聖ポール天主堂跡である。これはゆっくり見たいので、人が少ない早朝に行ってみることにした。このために近くのホテルを取ったのだから、やらなければね。

ホテルのアズレージョ 引き出しをあさってたら発見。この装丁だけ見て、マカオのガイドブックかと思ったのだが…
中は文字だらけ。新約聖書でした。ホテルに置いてあるという状況や、「Good News」という言葉から、気付くべきだった。
使節も愛した、「山上の垂訓」の部分です
(聖書見てないで早く寝ればいいのに)

〜マカオのテレビ〜
 私は旅に出ると、「現地っぽい番組」を見るようにしているのだが、今回はマカオの観光地を紹介するチャンネルをずっと見ていた。中には、日本のアニメ番組(中国語吹き替え)を流していたり、ディスカバリーチャンネルとかもあるのだが、マカオに来たら、ここでしか見られないものが見たいということで。マカオ名物のお土産屋を紹介してたりして、私も行こうと思ったので、かなりCMになってると思う。お土産屋もチェックしたところで、そろそろ寝ましょうかね…

ホテルのアズレージョ これもあさってたら発見。なんかおしゃれなシントラの紙袋。結構しっかりした作りで欲しかったが、使わないので戻しておいた


+2日目へ+(マカオ)

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