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+6日目(その1)(ローマ)

〜ついにヴァチカンへ〜

マッジョーレに挨拶して出発

 おはようございます。本日はいよいよヴァチカンへ参ります。天正遣欧使節が目指したヨーロッパでの最大の目的地、気を引き締めて訪問したいと思います。
 彼らが教皇に見せてもらったシスティーナ礼拝堂なんかは現在、ヴァチカン美術館になっていて、入るのに相当並ぶらしいので、私は日本でさっさと予約してきました。ゆっくりできる旅なら並んでもいいんだけども。
 9時の予約に間に合うように、地下鉄に乗ってサン・ピエトロ駅へ。本日も地下鉄乗り放題のローマパスを使っております。駅から地上へ出て、地図を見てみる。けど、人がぞろぞろ歩いているので流れに乗っていけば迷いません。少し歩くと、城壁のようなものが見えてきました。

道の両脇に人の列。みんな同じ方を目指しております
壁に沿って歩いていきましょう

〜まだ着かない〜
 ヴァチカンの壁らしきものは見えたものの、入口っぽいところが全く見えない。壁に沿って人が並んでいるのだけど、予約している人はまた別の列が前の方にあるらしいので、どんどん人を抜かして歩いていってみます。観光客にまぎれて「チケット売るよ〜」みたいに声を掛けてくるオジサンがいたけど、それも無視してどんどん進みます。途中、「予約している人は前に行って」というように案内している公式ガイドさんみたいな人もいたので、このままいけば大丈夫そう。

〜仲間発見〜
 だらだら歩いていると、入口と思われる場所が見えてきた。お、あそこから入れそうだ…でも、どこに並べばいいのやら?と思っていたら、後ろから颯爽と歩いてきた一人のアジア系男性。「あれ、日本人っぽいよね?」と、妹とヒソヒソ。妹が言うには「日本語のガイドブック持ってた」。日本人だ。少なくとも、日本語はわかる人だ。大学生っぽい若者だったので、「専門に勉強してるのかなあ、偉いなあ」と言いながら、我々は彼のあとについて行くことにした。「ここにいるってことは、たぶん予約してるよね」「ここまで来るくらいだから、日本語以外もペラペラなはず」「彼についていけば間違いない」勝手に期待をかけ、大学生らしきお兄さんを見失わないようにくっついて行く。

そろそろ入口です(人が少ない写真しかないですが、この途中にものすごく並んでいる所がありました)

〜無事入場〜
 お兄さんにくっついて、荷物チェックを受ける。妹がローマパスを落としたと騒いでいたが、X線の機械の下に落ちているのが発見され、無事回収。それから窓口のようなところで予約票を見せ、正式な入場券を受け取る。ここで数分並んだだけで、すんなり入れました。やっぱり予約してると早い。
 どこへ進めばいいのかよくわからないが、とりあえず人の流れに乗って、エスカレーターで上の階へ。

〜じょうりゅうかいきゅうを見つめる〜
 エスカレーターで、我々の前に日本人らしき家族連れが乗っていた。小・中学生くらいの女の子2人と、両親と思われる女性・男性である。みんなで日本語で話している。「…お金持ちだなあ」「しかもここに連れてきてもらえるって、かなり学のある親だよね」またもや妹とヒソヒソ。自分で働くようになってからも、やっぱりお金持ちに対するうらやましさはなくならないなあ。生まれた家の財力によって全く違う人生になるのは、この世だと仕方ないことではあるけど。まあ、神様が決めたことだと思うので、私は今ここに来るのがふさわしかったということだな。

〜日本語音声ガイドに期待〜
 エスカレーターから降りると、音声ガイドの機械を貸し出すカウンターが現れた。今回はこれも含めて予約しておいたのだ。使節の旅でも最大のクライマックスだったであろうヴァチカンで、ケチってはいられない。早速予約票を見せて機械を受け取る。これでフィレンツェのウッフィツィみたいに無駄にブラブラすることにはならないぞ。

中庭みたいなところがありました

〜ガンガン進みますぞ〜
 さて、ここでの目的は「地図の間」と「システィーナ礼拝堂」なので、他は適当に見てまわります。というのも、使節の史料に出てくるのがこの2つ(他にもあったかもしれないけど、覚えてなかった)なので、彼らが確実に見ているのがこれだけ。ヴァチカン博物館はどんどん増築して進化しているらしいので、400年前からだいぶ変わってるんだろうなあ。とはいえ、「この部屋は○○年にできた」などと覚えてるわけないので、今回は史料に載ってない部分は軽く見ていきます。ガイドを流せば説明してくれそうだけど、全部聞いてると2日くらいかかりそう。

<エジプト美術館>1839年創設
 オーディオガイドを借りて、はじめにやってくるのがここ。

よくわからず撮ってますが、正面に写ってるのはエジプトじゃなくてピオ・クレメンティーノ美術館かも…順路としては現在地点からエジプト美術館をぐるっとまわって、奥の部屋から出てくるようになってたと思います
なぜか外ばかり気になる私。中庭にも人がたくさんです(ピーニャの中庭かな??)
気に入ったので適当に撮りました。解説を見てないので何だかわからない
エジプトっぽいのがいましたぞ!!ギリシャの博物館でも見たけど、背景が赤ってなんかおしゃれ〜
また外を見ております
窓まわりの壁にも細かい装飾がされていました。これも貴重な美術作品に見えてくる

<ピオ・クレメンティーノ美術館>18世紀後半創設
 エジプト美術館が終了しました。写真は以上で全てです。私がいかに適当に見てきたかがわかる代物です。順路に従って進むと、中庭に出ます。このあたりより少し前からピオ・クレメンティーノ美術館になるようです。いろんな美術館がくっついてるんですね〜。

八角形の中庭に出てきました
人だかりができているところに近づくと…ラオコーンです!!ギリシャ神話の授業でこれ見たなあ
ラオコーンは適当に見て、室内へ。
どこかの入口の上にありました。こういうやつの方が気になる
うわ〜〜、動物がいっぱい!!たぶん「動物の間」にやってきました
カニ。ケースに入ってる
ヒョウ(?)。模様はどうやって付けてるんだろう
鷲。かっこいい
これまたかっこいいライオン。素材の模様(大理石っぽい)がまた素晴らしい
小さい動物いろいろ。奥に違うライオンがいますね〜
オオカミ(?)。ハイエナかも…これも素材の模様が素晴らしい
ワニがいました!歯もあります
むむ???架空の動物かな?上半身はヒョウのような哺乳類、下半身は魚みたいになってます
これなんだろ…いそうでいない動物…猫の仲間??台座に書いてある字も読めないし、解説も聞いてないので想像しているだけ
賑やかな展示で楽しかった
足下にモザイクが!!自然な感じで凝った装飾してくるよね…
動物の間を出て、(たぶん)ミューズの間か円形の間あたりにやってまいりました。これはバッカスかな?
何げに天井もすごい
これは…???たぶん左側のオッサン顔が気になって撮ったと思われる
円形の間の天井。細かい絵とかはないけど、なんか吸い込まれる感じ。パンテオンを真似して作られたそうです
円形の間に入るところ。ぐるぐるまわるような順路になっています
円形の間の床。またもやモザイク!油断ならない
円形の間、中央部分。これ何だろ…解説聞けばよかった
ちなみに中央部分の床はカラーのモザイク。とってもきれい
隣のギリシャ十字の間。ものすごく大きいのに謎なこれの正体を知ろうと、やっとガイドを聞きました。棺桶だそうです(ガイドブックを見たら「コンスタンティアの石棺」と書いてありました)
(再掲)これはガイドを借りた直後に撮った写真ですが、今この部屋の左の方にいると思われます。奥が円形の間
ギリシャ十字の間の中心部。こちらもカラフルなモザイクです
また気になるものが発見されました。なんでこういう顏ばっかり使うんだろう
ギリシャ十字の間から進むと、こんな階段(シモネッティの階段というらしい)。みんなせっせと上ります
こんなところに出てきました。「ビーガの間(Sala della Biga)」という部屋らしい。奥までは入れないようになってます
おや…仮設の通路みたいなところに来てしまいました。改装中かな?

<大燭台のギャラリー Galleria dei Candelabri>1800年代改築
 人の流れに載ってガンガン進んでみると、なんだかわからないところに出てきます。たぶん、今は大燭台のギャラリー…(ちゃんと案内見てないのでこういうことになる)。他の観光客もほとんど、展示物見てません。

(たぶん)ここのギャラリーで撮ったもの。急にこういうのあるんだよね…なんだかわからないけど気になる
どこにいるのかわからず撮影してますが、順路の流れとガイドブックで確認すると、たぶん「大燭台のギャラリー(Galleria dei Candelabri)」

<タペストリーのギャラリー Galleria degli Arazzi>
 でっかい織物が飾られてるのでここは迷わない。1523年〜1534年に教皇だった、クレメンス7世の時代に織られたタペストリーが展示されているとのこと。

薄暗いので写真を明るくしてみました。通路の両側にタペストリーが飾られています
歩きながら撮ってたら、暗くてブレまくって妹に注意されたので、ちゃんと止まって撮ってみる
タペストリーのテーマは「キリストの一生」とのこと。これは最後の晩餐かと思いきや、人が少なすぎるので「エマオの晩餐」??1つ1つ見たら面白いかも
次の部屋は明るそうだ!!と思って撮影→ほぼ真っ暗で何が写ってるかわからず→写真を明るくしてみる→目の前におじさんの背中現る

<地図のギャラリー Galleria delle Carte Geografiche>
 薄暗いタペストリーの間を抜けると、来た!!地図のギャラリー!グレゴリオ13世が使節に見せたという、あれです。使節も見た「地図の間」、ついに私もやってきました。
 ここの通路にはちょっとしたミュージアム・ショップがあり、システィーナ礼拝堂の天井画パズルを買ってしまった(^▽^;)

「間」というより通路の両側に地図の絵が描いてある感じ
振り返るとこんな感じ。奥はタペストリーの間
なんか、天井もすごい!!1つずつ見たいけど、よく見えない
とっても長い廊下
ゆっくり見たいけど、いつの間にか各国のこんな団体がたくさんいて流される…
シチリア島のようです。山とか町も細かく描き込まれてる
窓があるので明るい。使節もここを歩いただろうか(当時からこの状態なのか、ちゃんと調べてくればよかった)
ちなみに左手奥は修復作業中
最後にイタリアの地図が出てきました

<ピウス5世の居室 Appartamento di San Pio V>
 『地球の歩き方』によると、かつてピウス一族が使用した部屋とのこと。ピウス5世は1566年〜1572年に在位、1712年に列聖されて聖人になってるそうな。今調べたら、1570年にミサ典書(ミサのやり方の本)出版してた人だ!!卒論のときにお世話になったミサ典書…すっかり忘れてた(というか教皇を意識してなかった)。いや〜、そんな人の一族が使ってたなんて、ありがたく見学しなくては。

このときはピウス5世のことを知らないので適当に見てます
ここにもタペストリーが展示されてました
みんなほとんど素通りしてましたが、私はこれが気に入ったので撮影

<ソビエスキ王の間 Sala Sobieski>
 小さい謎の部屋だったので、解説板を撮ってきました(その場ですぐ読めないので、あとで訳す用)。訳せたら載せます(^▽^;)

たぶんこの部屋。普通の部屋のよう

<無原罪のマリアの間 Sala dell'Immacolata Concezione>
 ソビエスキ王の間の隣にある小さい部屋。壁画がびっしり。

こんな感じ。手前に祭壇(?)っぽいのもありますね…全体はどんな部屋だったか忘れてしまった…
このあと、謎の通路に出ました(ガイドブックによると、混雑緩和のための順路用通路らしい)

<ラファエッロの間 Stanze di Raffaello>
 『地球の歩き方』で細かく紹介されているラファエッロの間ですが、我々はほとんど素通り。その素通りぶりを見てみましょう。

ラファエッロの間その1「コンスタンティヌスの間 Sala di Costantino」。修復作業の足場に圧倒され、絵はよく見ていない(あと、修復作業を職業にしたいと思った)
こんな解説板が設置されてます(この撮り方からして、真剣に見る気がない)
どうやらラファエッロの間その2「ヘリオドロスの間 Stanza di Eliodoro」にやってきたようです。ちなみに壁画は撮ってません
このあたりで何を思ったのか、天井を撮りました。どの部屋か不明ですが、とても鮮やかできれい
そのまま、隣のラファエッロの間その3「署名の間 Stanza della Segnatura」にノコノコやってきたようです。ここには、結構有名と思われる「アテネの学堂」の絵があるので、人もたくさんいました。素通りしてるので、もちろん写真はありません
最後、ラファエッロの間その4「火災の間 Stanza dell' Incendio di Borgo」にやってきました
人が若干少なかったのか、かろうじて壁画の写真を撮っていました。「ボルゴの火災」という絵だそうです

 システィーナ礼拝堂へ急いでいたのでこんなことをしてますが、もう少しちゃんと見てくればよかったなあ。また機会があったらよく見てこよう。あと何に使われてた部屋なのか調べていかなくては。

<ウルバヌス8世の礼拝堂 Cappella di Urbano VIII>
 小さい礼拝堂。解説板の写真をよく見たら、1600年代に礼拝堂に変えられたとのこと(文字が不鮮明なので実は違うかも)。

内部はこんな感じ。この絵はキリストを十字架から降ろしてるところかな?
天井。解説板では天井画を描いた画家についても書かれてたけど、やっぱり写真が不鮮明で読み取れず(ラファエッロの間より真剣に見ているのは何故)

こんな通路を通って…

<ボルジアの居室 Appartamento Borgia>
 順路から行くと、たぶんここ。ガイドブックでも省略されていて何の部屋なのかわからないけど、立派な装飾が施されていました。

こちらも天井画が素晴らしかった…見る人が見れば何だかわかるんだろうけど、私は知識不足で無理でした

<現代宗教美術館 Collezione Arte religiosa Moderna>
 人が全くいませんでした。絵画が好きな人にとっては、いろんな画家の作品がゆっくり見られていいかも。

ちなみに私はシャガールしか知らなかった…そして後で気づいたけど、この絵は「ヤコブのはしご」ですね
これもシャガール。なんの場面かよくわからないけど、左はキリストの磔刑像、真ん中はマリア様でしょうか…右下にいるヤギ(?)が気に入った

<システィーナ礼拝堂 Cappella Sistina>
 いよいよシスティーナ礼拝堂です。ここからは撮影禁止なので写真がありません。

ここがシスティーナ礼拝堂入口。全く気づかず、入ってすぐ撮影禁止だと係員に注意される。イメージでは入ってすぐ真正面に「最後の審判」があるのかと思ってたら、逆から入るんですね〜
天井画のイメージ映像(ヴァチカンで買ったパズル)。音声案内がたくさんあるので全部聞けばよくわかるかもしれない。私は人が多いので疲れて一部しか聞きませんでした

 メインのシスティーナ礼拝堂に来たわけですが、メインなのはみんな同じ。人が多くてあまりゆっくり見られませんでした…。左右に座れるようになっているところがあるけど、なかなか席も空かず、立ちっぱなし。ツアーで貸し切り見学できるのがあるから、今度はそれでゆっくり見たいなあ…料金高いけど。
 「最後の審判」もあまり細かく見ていないのだが、背景はきれいな青になってました。確か、日本が協力して修復したんだよね。修復前の写真は茶色っぽくてくすんでいるんだけど、今は鮮やかな青が見られます。使節のときもこんな感じだったかな〜。

<ヴァチカン図書館 Biblioteca Apostolica Vaticana>
 システィーナ礼拝堂を出て、順路に沿って進むとヴァチカン図書館の一部に入っていきます(ガイドブックには右側の出口から出ると聖堂に行けると書いてありましたが、私は普通に左から出たと思います。聖堂に直接行けるのを忘れてたので、このあと外に出ます)。
 図書館で一般客が入れるのは廊下(通路)だけみたいですが、その廊下にいろんな展示がされていて、博物館・美術館として公開されています。

なんだかわからない写真を撮ってしまった…と思っていたら、ヴァチカン図書館にあるアルドブランディーニの婚礼の間だった。ガイドブックにも載ってた(^^;)

<キリスト教美術館 Museo Cristiano>
 このキリスト教美術館も、ヴァチカン図書館の一部のようです。展示物はそんなに多くない印象ですが、日本でもよく見かけるようなメダイなどの遺物や、昔ミサで使っていた道具なんかが展示されています。システィーナより面白かったかも…(^^;)

面白かったのにこれしか写真撮ってない

 このあとは外に向かって歩いて行くだけ。順路によっては絵画館に行くみたいですが、我々はそのまま出口へ。
 ◎ヴァチカン図書館にある「シスト5世の間」には、我らが使節のラテラノ行幸図があるので、入れる場合は忘れずに見てください!!私はすっかり忘れていたので、順路に沿って普通に歩いていたら見逃しました。あとでガイドブックを見たら「図書館の回廊」として載っていたので、公開されていると思われます。後日リベンジしなければ。このあたり、帰ってから調べているせいもあり構造がよくわからず、「シスト5世の間」と「図書館の回廊」は一緒なのか違うものなのか未だに不明…どなたか教えて下さい。

出口へ向かってるとは言っても、結構豪華な通路を歩いている。あとで調べたら、ここがシクストゥスの間(1586〜1588年建造)らしい。左右はクローゼットのような扉になっているけど、開くのかわからない
上の写真の出口上部にある壁画を拡大。サン・ピエトロ広場にオベリスクを運んでいるところだそうです。使節も会ったシスト5世は、ローマの主要な場所にオベリスクを建てたそうです
なんかわからないけど、いきなりテーブルが置かれている(展示品なのかしら)
地球儀コーナー。日本らしき地形が描かれたものもありました
「パウロの間」にあるステンドグラス。この「パウロの間」は「シクストゥスの間」の続きにあります。解説板によると、このあとも2部屋つながっているそうですが、「パウロの間」も含め1600年代以降に作られたとのこと
下へ行くと出口です。このあたりは人がほとんどいない。なのに、同じ時間に入ったお兄さんが前にいました。彼も我々と同じくらいの速度で見学していたのだな
ミュージアムショップでシスティーナ礼拝堂の本を買いました(日本語があった!!)。さらに進んで、出口付近。メキシコ(だったかな?)のプレゼピオがありました。なんかギラギラしてて斬新

 ヴァチカン美術館を出て、次は大聖堂へ行ってみます!

+6日目(その2)+(ローマ)

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