恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> イタリア旅日記 >> 2日目 +2日目+(ヴェネツィア) 〜クロワッサンの罠〜 おはようございます。12月のイタリアの日の出は8時前。まだ外は薄暗い。7時すぎにホテルのレストランへ朝食に行くと、日本人の家族連れがすでに来ていた。従業員さんが飲み物は要るかと訊きにきたが、別料金かと警戒したのと、特に必要なかったので断った(でも別料金じゃなかったみたい)。 朝食の内容は一般的な感じだったが、クロワッサンの種類がたくさんありました。妹は普通のを取ったつもりだったのが、中からクリームが出てきて驚いていた。
〜天気が大荒れの予報〜 今日は午後から天気が悪いとのことだが、テレビの天気予報では曇りと晴れマーク??これが当たるといいんだけど。そしていつも気にしているホテルの鍵ですが、今回は「出かけるときはフロントに預けて」と案内に書いてあった。部屋番号を忘れないように、携帯カメラで撮ってから出発。 〜少ししか乗らないつもりでも、1日券を〜 さて、今日はこれからサン・マルコ広場へ向かいます。8時半からドゥカーレ宮殿が開館なので、朝イチで入る計画。歩くと時間がかかりそうなので、水上バスのヴァポレットに乗ってみることに。サンタ・ルチア駅前の乗り場に行き、チケット売り場で「サン・ザッカリアまで」と言うと、片道券(7ユーロ)を買えた。あとで考えたら、1日券の方が良かったかも。なんだかんだ言って、結構何回も乗りました。券売機がない乗り場もあるので、それを考えても1日券の方がいい。 〜最初は「Ferrovia」さえわからなかったが〜 チケットを改札の機械にかざし、停留所の小さい建物に入る。電光掲示板が二つあり、どっちを見たらいいのかよくわからなかったが、よく観察すると停留所も行き先ごとに(ヴァポレットの番号ごとに?)2つに分かれている様子。ここは「Ferrovia」という停留所で、我々は2番のヴァポレットに乗ります。謎が解けたので停留所の椅子に座って待つ。雰囲気は日本のバス停と同じような感じ。
〜カナル・グランデを通りたかったのに〜 しばらく待っていると、ヴァポレットがやってきました。寒いので中に入る。おお…船だ、これは楽しい。しかし、走り出してから気がついた。早いかと思って2番のヴァポレットに乗ったけど、これって大運河を通らずに外側を通って行くみたい。ちょっと失敗した感があるが、行く予定がない島の方を通るので、見学ということでいいか。
〜来た、噂の検札〜 途中、自然な感じで検札のお兄さんがやってきた。検札というと制服をきっちり着て…というのを想像していたので、普通のお客さんかと思いましたよ。でもチケット、って言っているのと、何やら機械を持っているので「ああ、そうか」とわかりました。何事かと思った。
〜ヴェネツィアに来たー!!〜 結局、40分くらいかけてようやく「サン・ザッカリア(San Zaccaria)」に到着。このあたり、よくガイドブックに載ってる景色で「ヴェネツィアに来たー!!」って実感できます。いい眺めですなあ…しばらくぼんやりしていたかったが、かなり寒かったので先を急ぎました。ここがホテルだったらいいだろうなあ…移動が大変そうだけど。
〜やっと宮殿〜 景色がいいのでぶらぶらしてしまったが、ようやく右手にドゥカーレ宮殿が現れました。おおお…これが使節も来た大統領の宮殿…そして正面に柱が2本見えます。これも400年前からあったんだよな…
今回は一人でないのであまり浸ってもいられません。そしてヴァポレットに長く乗っていたので、すでにサン・マルコ大聖堂が開いている様子。いかん、早く行かないと混んでしまう。すでに列ができ始めているのが見える。入り口に行ってみると、「荷物を預けてきなさい」というような看板が立っていた。道順まで写真付きで載っている。ふむ、これがネット上で「荷物預かり場所がわかりにくい」って書いてあったやつだな。
〜ほんとにこの道なの??〜 とりあえず看板に書いてあったとおりに歩いていってみる。確かにわかりにくい、すっごく細い道を入る。が、人が出たり入ったりしているので、見ているとなんとなくわかります。でも預かり所の入り口も見逃してしまうような感じ。 中に入ると、小さな音楽ホールのようなところだった。そこの入り口付近の棚に、荷物を入れていくシステムになってるみたい。係の人がいるので、防犯としては一応大丈夫そう。我々は二人で一つの棚に一緒に入れてもらった。荷物を預けると、番号札を渡される。無料だったが、カウンターのはじっこにお金を入れる小さいタッパーのようなものが置いてあったので、一人1ユーロということで2ユーロ入れておいた。係のお兄さんが嬉しそうにお礼を言っていたのが印象的だった。こちらこそ、ありがとうございます。 <看板でもわかりますが、荷物預かりの場所>
〜急いで戻ってみたが〜 荷物預かり、いつもここなのかな??ちょうど今夜、奥のホールでコンサートがあるみたいで、ポスターが貼ってあった。舞台にも楽器が準備してあったので、普通に使われてる場所みたいだけど。いろいろ謎は残るが、とにかく聖堂の列に並ばねば。いそいそと聖堂の入り口に戻ったが、まだ2・3mくらいの列だったので、なんてことなかった。 〜いつも見かけるもの〜 入口と出口には、透明なコップに小銭を入れてジャラジャラ鳴らしながら、何事か言っているおばあさんがいた。みんな無視している。海外の観光地に行くとよく見かけるけど、こういう人の実態ってどうなってるんだろう?本当に困ってるなら助けた方がいいんだと思うけど、よくわからない。でも調べてみると国際的な問題みたいなので、私一人が何かしたところで、どうにかなる問題じゃないんだろうな。ただ、特に教会の前にこういう状況があると、なんか矛盾している気がして、複雑な気持ちになってしまう。 〜しばらく写真ありません〜 数分して、ついにサン・マルコ大聖堂の中へ。目に飛び込んできたのは、金ピカの天井。中は薄暗いのでまぶしいほどではないが、その薄暗い中でも、はっきりわかる金色。ここは写真撮れないのが残念。でもかなりユルいみたいで、撮りまくってる人がいても何も注意されてなかった。 〜パラ・ドーロとは〜 人の流れに乗って歩いて行くと、パラ・ドーロの入り口にいつの間にか突入。ここからは2.5ユーロかかるので、引き返す人も多かった。でもこれ、確か使節も見てたはず。せっかく来たので、カウンターに座っているお兄さんにお金を払って入場。みんな、祭壇の裏側にまわって何か見ている。私も行ってみると、宝石で飾られた絵があった。額縁に入って、ガラスで保護されている。ガイドブックによると、祭壇画らしい。ガイドブックの写真では何が描いてあるのか全くわからなかったが、イエス、マリア、聖人たちが描かれ、宝石がちりばめられている。来ないとわからなかったなあ〜。これ、何かの事情で裏を向いてるのかな。 ※400年前はどうなっていたのか不明ですが、現在は祭壇画の部分が回転し、祝祭日のみパラ・ドーロの祭壇画が表になるみたいです(普段表になっている祭壇画も14世紀くらいの古いものだそう)。 〜もっと予習しておけばなあ〜 主祭壇には聖マルコの遺体が収められているらしかったが、あまり予習していなかったので、きちんと見てなかった。それよりも柱の装飾が気になり、腰より少し低い部分の装飾が一番摩耗しているのはなぜだ、などと妹と話しながら出口へ。もったいないことしたが、他の客も祭壇画以外は特に見てる様子がなかったので、みんな気付いてないのかも。※ちなみに主祭壇の下(というか中?)に聖マルコの棺があるそうです。柱はコンスタンティノープルから奪ってきたものとのこと。 〜宝物庫、面白い〜 パラ・ドーロ入り口の隣から出て、聖堂入り口に戻る方へ歩いて行くと、左側に「Tesoro」と書かれた看板があった。あれ、これなんだっけ?なんとなく宝物庫っぽいと嗅ぎ付け、入って行くと今度は3ユーロとられた。中は狭い部屋が2つあり、入り口から見て右の部屋へ行くと、昔のガラス製品や飾りのついた箱とか、燭台や聖体を安置する箱など、聖堂内で使う道具が展示されていた。これ、使節も見たかなあ…むしろ400年前だと、この道具が現役で使われてたときかな?私の見学基準はあくまでも「使節が見たか、400年前にあったかどうか」である。 〜聖遺物ごっそり〜 ひととおり見終わって、向かい側の部屋(入り口から見て左側の部屋)に行くと、さらに狭くなっており、何かがガラスケースの中に並んでいた。近づいてみてびっくり。骨である。飾りがついたケースに入って、ずらっと並んでいる。一個一個は欠片だったり、骨の一部分だったりなので、見た目は大したことないのだが、これだけ並ぶと迫力がある。入ってくるときは見逃したが、入り口に一番近いところには太い骨が展示されていた。足の骨かな。よく見ると、その奥に頭蓋骨もある。名前が書いてあったので読んでみたが、残念、知識不足で誰だかわからず。「なんか偉い人なんだろうね〜」と適当なことを話しながら、外へ。いや〜、これは面白かった。たぶんこれは使節も見ただろう。教会に行くと、必ず宝物とか聖遺物を見せてもらっている。400年経ってるから、数はもっと少なかったかもしれないけど、追体験したような感覚になれました。 〜よく見てごらん〜 さて、引き続き人の流れに乗り、正面の祭壇の前にやってきた。ここには聖像がずらっと並んだ壁があり、一つ一つじっくり見たくなる。ここで写真を撮りまくっているアジア人がいたが、「なになに、写真撮っていいの?」と私が言うと、妹が「よく見てごらん、あれ」と、アジア人の隣を指差した。そこには撮影禁止マークが描かれた看板。やっぱりだめなのか…残念。どん欲に写真を撮り続けるアジア人を横目に見て、祭壇前を通過。 〜Prayer Onlyにも入場〜 聖堂入り口から見て左奥のあたりにやってきた。ここにはお祈りする人専用のスペースが用意してあって、空いていたので入ってみた。いや、ちゃんとお祈りもしたんですよ。でも見たいものがあったので、近くで見るためでもありました。祭壇の脇に、プレゼピオ(馬小屋)が飾ってあったのです。これはイエスが生まれたときの様子を再現したクリスマスの飾りで、この時期じゃないと出てこないので、実は少し楽しみにしていたのだ。教会ごとに飾るので、いろんなのが見られるよな〜と。ここサン・マルコのは、かの有名なガラス細工でできていました。ガラス細工というと小さいのを想像しがちですが、結構大きめ。マリアとヨセフ、三博士は50cmくらいあった。でもガラスなのでつるっとしててのっぺらぼう。しかしガラスで作るとは、さすがヴェネツィア。 〜海外の古い教会は設置してあるみたいだけども〜 妹のところへ戻ると、ひざまずく台の上に足を乗せていたので、注意すると、「みんな乗せてるからいいのかと思って」と言う。まわりを見てみると、確かにお祈りしていると思われる人も乗せている。今や足乗せ台になっているのか?いや、もしかしてそもそも初めから足乗せ台?誰か、カトリック教会に詳しい人教えてください。 〜そろそろ出口です〜 妹が「床がすごい」と言っているので見てみると、きれいなモザイクになっていました。なんか、デザインが今っぽい。鷲みたいなのがあったけど、プロ野球とかJリーグのチームのキャラクターみたい。素朴な感じじゃなくて、手が込んでるというか。これは新しいのかしら。いつもそこが気になる。 〜日本で見たことあるグッズもあった〜 出口手前にはお土産屋さんがありました。教会らしくロザリオとか、メダイはもちろん、観光地っぽい絵はがきやマグネットも取り揃えてあります。小さいカウンターを出口前に置いただけの店だけど、面白いものがたくさん。ロザリオとかメダイは日本でも買えるしたくさん持っているので、ここではサン・マルコ大聖堂の解説本『ST.MARK'S BASILICA』(仕方なく英語版)と、DVD「ヴェネツィアの魂 サン・マルコ寺院」(なんと日本語版)を買いました。「ヴェネツィアの魂」ってすごいネーミング。「これ、日本で見られるかなあ」と話しながら聖堂を出る。「All Regions」って書いてあるから大丈夫そうだけど。※帰国後、再生したらちゃんと見られました。 <サンマルコ大聖堂とその周辺のもの>
〜宮殿ついでにトイレ〜 妹がトイレに行きたいと言い出したので、荷物を取りに行き、ドゥカーレ宮殿へ。宮殿2階のトイレが空いているという情報があったので、そこを目指します。宮殿も少し並んでいたが、5分くらいで入場。最初に、柱の展示がありました。これ、装飾が結構面白い。解説のパネルもあり、じっくり見入ってしまった。
〜あれ…?〜 夢中になってたらいつの間にか帽子がなくなってた!!おかしいなあ、手に持ってたはずなのに。カメラを出したら入れ替わりで手放してしまったようだ。前の部屋に戻って探してみたが、見つからず。なくすの前提で安いの買ってたからまあいいか、と思ったが、観光一日目でなくすとは。 〜列整理のおばちゃん〜 気を取り直して、見学の続き。柱展示の部屋を出る。お、ここ中庭だ!皆さんの旅行記によく写真が載っているところ。階段を上がったところにトイレがあったので、早速並ぶ。掃除のおばちゃんが列の最初にいて、トイレが空くたびに案内している。というのも、どうやら男女同じ場所にトイレがあるらしく、列は男女混合で並んでいるが、男性側が空くと先に男性を呼んで案内しているようである。謎の構造だったが、きれいで良かった。掃除のおばちゃんかと思ったけど、なんか違うのかな?トイレ案内専用のおばちゃん?
〜ここからまた写真ありません〜 トイレも済ませ、やっと宮殿内の見学へ。カメラは「No Flash」と書いてあるので、フラッシュがなければ撮影しても良さそうだったけど、まわりの観光客もあまり撮ってなかったので私もそれにならうことにした。でも、撮っておけばよかったかな〜。記憶というのは何回も思い出すから定着していくのであって、一回見ただけでそのままにしておくと、どんどん忘れていってしまう。 〜美術は置いといて〜 宮殿内には部屋がたくさんあって、それぞれ解説板もあるので、今どんな部屋にいるのかはすぐわかります。そして、部屋の隅に座れるようになっているところがちょこちょこあるので、そこでガイドブックを開いてみることも可能。どこにいるのかわからなくなったので、私もガイドブックを見てみた。「この部屋はさっき通ったから〜…」解説板を見ると、どうやら十人委員会の間にいるみたい。使節の時代もあった部屋だが、いかんせんドゥカーレ宮殿の歴史を知らないので、使節当時と同じなのかどうかがよくわからず。そしてガイドブックにある「老いと若さ」っていう絵が見当たらない。我々二人、美術は全くわからないので、必死に探すわけでもなく、「まあいいか」ということで次の部屋へ。一番有名な「大評議の間」を目指していきます。上からだんだん下に降りてるのかな?なんかよくわからないままグルグル。 〜体育館だった〜 ぐるぐるしてたら、やっと「大評議の間」に着きました。すっごく広い!!体育館みたい。なんか懐かしい感覚だと思ったら、そうか、体育館か。正面は舞台みたいになっていて、例の有名なティントレットの「天国」がありました。「天使もいるからギュウギュウだねえ」などと話しながら、しばし見入る。部屋も広いけど、この絵もでかい。絵の大きさに圧倒されて使節のことが吹っ飛んでしまったが、たぶんここでおじいちゃん大統領に会ってるんですよね。 〜なぜか急に質素に〜 さてさて、他の観光客のあとについて出口へ。途中から、雰囲気がガラッと変わった。何か変だな、と思っていると、廊下でみんな窓の外に向かって写真を撮っている。窓からのぞいてみると、おそらくため息の橋。そうか、ここから牢獄なのか。使節の時代はたぶん牢獄も現役だろうから彼らは見学していないだろうが、今は入れますぞ。どんどん歩いて行くと、イメージどおりの「牢獄」が次々に現れた。石造りの暗く狭い部屋。まわりに人がいるから大丈夫だけど、少人数で来たらちょっと怖いかも。ベッド(?)みたいなのも作ってあって、「ベッドがある、優しいなあ」と話してました。ベッドだったのかは謎だが。 〜牢獄で迷う〜 前の人について歩いていたはずなのに、なんかまだ牢獄みたいなところにいるんですけど。いやいや、これさっき見た部屋だよね?「なんかおかしいよね、さっきこの階段通ったよね」と、やっと牢獄で迷っていることに気がついた我々2人。そうだよ、この廊下からこの中庭みたいなところ見たもん。「この前の人について行けばちゃんと出られるんじゃない?この人さっきいなかったし」と、迷ってなさそうな人の後について行ってみる。普通、こういうところって順路がきちんと書いてあるのに、見逃したのかなぜか牢獄をぐるぐる。牢獄のあとに武器の展示室がある。あ、ここだ!!!やっと違う道を見つけ、ようやく違う部屋へ。
〜ツアーはいいよな〜 「なんかすごいダンジョンだったよね…FFとかポケモンみたいだったよね」若干ぐったりしながらやっと出てきた私たち。昔ゲームをやっているときに経験した、「さんざんウロウロしたあとに、壁の切れ目とかやっと出られるところを見つけた感覚」を実体験するとは…。ただアホなだけだと思うが、貴重な体験だった。これ、使節はやってないよね。彼らはツアーみたいなもんだから。 〜カフェでひと休み〜 その後、宮殿のミュージアムショップで物色し、結局買わずに外へ。本が欲しかったんだけど、重くなるからやめておいた。お昼を過ぎて、寒いので何かあったかいものが欲しいということで、そのまま宮殿のカフェに入る。レジの前でうろうろしていると、お兄さんが「そこにとりあえずどうぞ」みたいな感じで席にメニューをおいてくれた。メニューは英語も書いてあったのでギリギリわかるぞ。 〜ヒアー、ヒアー!!〜 朝ご飯をしっかり食べたおかげか、我々二人ともお腹が空いてなかったが、寒いのでココアだけ頼むことに。ホイップクリームが乗ってるのがあるみたい。自分でやることに疲れた私は、妹を「行ってこい」と派遣。妹はレジ前でメニューを持ってウロウロしていたが、さっきのお兄さんが気づいてくれて、席に戻ってきた。カタカナ英語でメニューを読み上げてココアを2つ頼むと、お兄さんが何か言っている。「…???」数秒考えて、何となく最後の単語が「外で」と言ってるようだったので、「あ、here、here!!」とテーブルを指して言うと、合ってたのか値段を告げられた。どうやらここで飲むのと、持ち帰りの値段が違うらしい。持ち帰りの方が安いみたい。そうだよなあ、売る方としては片付け賃とかもらいたいよね。 〜わけがわからなくても自己主張〜 お金を払ってしばらく待っていると、ココアが運ばれてきた。「なんかおつりない気がする…」と話していたが、50セントくらいだったし、お兄さんがよくしてくれたので黙っていることにした。すごい金額だったら言葉ができなくても抗議しに行きますけどね。必要なのは自己主張力とネットで読みました。
午後はゴンドラに乗るのだが、集合場所をちゃんと調べていなかったことに、ここで気がついた私。ココアを飲みつつ、二人で調べる。ゴンドラに乗りたいと言い出したのは妹だが、予約したのは私なのできちんと調べるべきだった。でもなんか予約完了で満足してそのまま終了してたんだよね。詰めが甘い。結局、ネットで妹が調べて見つけてくれました。よかった。 〜少しなら流しても平気?〜 ココアを堪能したあと、再びトイレへ。今度は違うおばさんがトイレの案内をしていた。片手にトイレットペーパーを持って、手を洗った人にペーパーをちぎって渡している。なんでそんなサービスを…?面白かったのでしばらく見ていると、私の番がやってきた。今気づいた、これ、紙流しちゃいけないトイレだ!壁に「流さないでね」みたいな貼り紙があった。最初は気がつかなかったが、よく見るとペーパーを捨てるゴミ箱も置いてある。さっき流しちゃったけど、大丈夫だったかな…と考えていたら、なんとまた流してしまった。流してから気がついたので、きちんと流れるか見守る…大丈夫みたい。あとで妹に訊いたら、やっぱり気づいてなかったらしい。普通に流したと言っていた。 〜身を乗り出してみる〜 水道の脇の窓が開いてたのでふと見てみると、すぐそこが運河!!わー、面白い!身を乗り出してみると、たぶんため息の橋が見えた。頑張って写真を撮ろうとしていると、案内のおばさんがやってきて窓を全開にしてくれた。妹を待っている間、何枚か写真を撮る。おばさん、ありがとう。
〜美術館には入らず〜 宮殿を出て、再びサン・マルコ広場へ。帽子なくしたけど、寒さなんかに負けない!史料に建物の装飾について書いてあったのを思い出し、見に行ってみる。確か、サン・マルコ聖堂の反対側の建物って書いてあったから…これかな?おそらくコッレール美術館と思われる建物を外からカメラにおさめる。ほんとに寒いのでこれが精一杯。
〜対岸へ渡りたい〜 さて、次は対岸のサルーテ教会の方に行ってみます。サン・マルコ広場をつっきって、鐘楼を右に曲がり、海沿いに出る。うわ〜、ここでついに雨が降ってきた。でも負けない。これから対岸に数分で渡れるトラゲット(Traghetto)というのに乗ってみようと思います。乗り場を探して海沿いを歩いていると、細い運河にぶつかって道が終わってしまった。あれ??おかしいな…地図をよく見ると、ここ道ないみたい。ひどい、せっかく来たのに。 〜お、お休みって〜 仕方ないので広場に戻り、細い通りを進んで乗り場を探してみる。トラゲット乗り場とゴンドラの集合場所がどうやら同じあたりみたいなので、確認がてら行ってみる。ヴェネツィア、ほんと迷います。たまに教会があるので目印になるけど、あの入り組んだ道を歩いていると距離感がなくなる。「橋渡って、もう1本向こうの道じゃない?」とあーだこーだ言いながら探検していると、やっと到着。近づいて行ってみると、なんと…「トラゲットお休み」の貼り紙が。イタリア語と英語でよくわからなかったが、たぶんそう。
〜複雑なヴェネツィアの路地〜 じゃあ、どうしたらいいんだろ…地図を見ていると、サルーテの教会前にヴァポレットの停留所があることがわかった。また7ユーロか…しかし泳ぐわけにもいかず、これで行くしかない。「Giglio」という停留所がすぐ近くみたいなので、そこに行こうとすると、またもや運河に阻まれた。え???この構造、どうなってるの?すぐそこにヴァポレット乗り場が見えるのに、ここから行けないってどういうこと? 〜券売機ない〜 相談の結果、もう一本向こう側の道から停留所に行けるのでは、ということになった。橋を渡り、人が一人通れるくらいの路地を進んで行く。傘をさしているとすれ違い不可能。海沿いに出ると、やっと停留所が見つかった。ここからもサルーテに渡れるみたいだけど、ここにはチケット売り場はもちろん、券売機すらない。さっき見た「S. Marco-Giardinetti」の停留所は大きくて、券売機もあった気がする。「もう一回戻らないとー!」と我々が意気込んで戻ろうとすると、同じ路地から荷物をゴロゴロ引きながら、外国人の家族連れが出てきた。妹が見てたところによると、やっぱり券売機がないと騒いで、戻ろうとしていたようだった、とのこと。みんな引っかかるよね、これ。 〜タイムリミットが近いです〜 やっと「S. Marco-Giardinetti」の停留所まで戻ってきました。さっきは人気のない停留所にいたのでなんだか不安だったが、今度は人がたくさん。よかった、チケットも買える。券売機は相変わらず使いにくそうなので、窓口で「サルーテに行きたいのですが…」と行ってみると、左の乗り場だよ、とお姉さんが指を差して教えてくれました。チケットを買って、急いで乗り場へ。あと数分で来るみたい。一息ついていると、「サルーテの停留所に券売機がなかったらどうするんだ」ということに気がついた。慌てて窓口へ戻ろうとしたが、よく考えたら片道券でも1時間は乗り放題だということを思い出し、大丈夫そうだということでやっと落ち着いた。さっきから急いでいるが、ゴンドラの集合時間が3時15分、現在2時半前。30分くらいで対岸に渡って戻ってこなければならないので必死である。ばたばたしている間に、ヴァポレット1本逃したが、また数分後に来るみたいなのでとりあえず待機。 〜ついに何もないところきた!〜 数分後、ヴァポレットがやってきた。お姉さんの言ったとおり、次の停留所がサルーテだった。すぐに降り、停留所の反対側の海沿いへ。ここはGoogleさんのストリートビューで予習していたので、迷わずいけます。こっちの島は人があまりいない。サルーテ教会に少し来ているみたいだけど、外にはほとんどいません。教会横の道を通り、橋を渡ってまたもや細い路地へ。我々が一体どこへ向かっているのかというと、使節が宿泊した跡地へ行こうとしているのです。使節の追っかけっぽい感じになってきました。日本だと使節ゆかりの地は人気がない、ほとんど何もない場所ばかりなので、こんな感じじゃないと使節を訪ねる旅っぽくないですよね(笑)
〜誰もいなかった〜 さて、着いてみると、壁があって何も見えなかったけど、中庭みたいになっているようでした。妹が「バスケットゴールがあるみたい」と言っていたので、何か運動場のようなところになってるのかな?実はここ、グーグルさんのストリートビューで見ると、上からのぞけたことがあるのですが、偶然見かけて消してしまい、その後出てこなくなってしまった…。そこで現地でどう見えるか試してこようと思ってたのだが、壁をよじのぼるわけにもいかず、とりあえず見える範囲で眺めて帰ってきました。ここ、海の景色がとても開放的で素晴らしいです。使節の部屋が海向きだったら、毎日この景色を見てたんだろうなあと思うと、同じ景色が見られてなんだか嬉しくなりますよね。
〜寒いのでぼんやりもできず〜 寒すぎるのでこれくらいにして、時間もないのでサルーテの停留所に戻ります。気候がいい季節だったら、もう少しゆっくりぼんやりしていたかったなあ。停留所にはちょうどヴァポレットが来ていました。本当はサルーテ教会にも入りたかったのだが、諦めてヴァポレットに乗り込む。まあ、ここは1600年代に作られた新しい教会みたいで、使節追っかけとしては必須ではなかったので、また今度ということで。 〜早すぎちゃうのは日本人だから〜 心配して早く戻ったが、少し早すぎた。集合時間になるまで、しばし待機。寒すぎるので近くの教会に避難しようとしたが、入ってみたらチケット売り場みたいなところがあったので「え、お金とるんだ!」「やめよ、やめよ」とまた外に出てしまった。戻れる範囲で探検してみることに。細い路地を進んでいくと、橋に出た。下の運河を、客を乗せたゴンドラがゆっくり通って行く。船頭さんが口笛を吹いてて楽しそう。橋の上から見ていると、ゴンドラに乗っている客もニコニコしながらこちらを見ている。手を振ってみると、振り返してくれた。
〜日本人発見〜 そろそろいいかな、という時間になったので、集合場所に戻ってみる。人がちらほら集まっている。これは仲間か?と様子を見ていると、日本人の女性が一人でいるのを見つけた。あの人もそうなのかな?一緒に乗りたいなあ(一人だから静かそうなので)。 ここはトラゲットの乗り場でもあると書いたが、これに乗ろうとする人が結構来るみたいで、貼り紙を見ては引き返していく観光客の姿が何度も見られた。みんな同じだな。やっと乗り場に着いたんだろうに、残念。さっき経験したので気持ちはよくわかる。
〜ゴンドラはこのくらいの天気ならやる〜 ゴンドラは3時半からスタートなのだが、待っている15分間がキツい。風も吹いてきたし、雨も降ってる。あまりの寒さに、民家と思われる軒下に避難したが、お住まいの人が来てしまったので再び吹きさらし。15分すぎても準備をする様子もなく、「もう中止でいいから中止と発表してくれ!」と言い始めたとき、小さい小屋に入っていたおじさんたちが動き始めた。あれ、すごい天気だけどやっちゃうの?これ、やばいんじゃないの?我々は一番後ろに並んでみた。すぐ前に、さっきの日本人のお姉さんがいた。予約票に日本語で書き込みしてあるのが見えたので、確実に日本人だ。何のぞいてんだか。 〜セレナーデっぽい雰囲気じゃない〜 やっぱりゴンドラは決行されるようだった。日本人のお姉さんと一緒のゴンドラになれた。一番いい席にはインド人っぽいご夫婦が座り、我々日本人3人はその前に座る。私とお姉さんが向かい合って座り、妹が一番前の席だった。雨がシトシト降る中、ゴンドラ出発。今回は5艘くらいあるみたい。予約したのは「ゴンドラ・セレナーデ」というもので、1艘に歌を歌う人が乗っている。雨だから楽器はまずいんじゃないかと思ったが、ちゃんとアコーディオンの人が一緒に乗っていた。雨が降ってなければだいぶいい感じだと思う。傘さしてゴンドラ…雨は雨でいいんだけど、傘をつたった水がお尻にたれて、なんかしみこんできてる気がする。
〜なんかしみこんできてる気がする〜 途中から、しみこんできている感覚は本物だとわかった。これ、確実にお尻濡れてるもん。これ以上濡れないように、タオルを置いてみたが、なんかあまり意味なかった。お姉さんも「全然ロマンチックじゃない」とボヤイていた。 冷たいお尻は気になったが、ゴンドラ自体は楽しい。水がすごく近くて怖いかなと思ったが、そうでもなかった(私は高いところと水が嫌い)。ただ、席によって感じ方が違うようで、妹の席は「ひっくり返るかと思った」ほど不安定さを感じたらしい。確かに彼女の椅子はちょっと高い気がしてたんだよね。
〜もったいないですが、さっさと撤収〜 広い運河に戻ってゴンドラは終了。降りた人から順に解散。時間はまだ4時半くらいだったが、少し暗くなってきていたのと、濡れて寒いのとで、すぐホテルに戻ることにした。またチケットを買わないといけないので、一番近い「S. Marco-Vallaresso」の停留所まで戻る。みんな同じことを考えているのか、ヴァポレット混んでる…仕方なく空いている外にいたが、後から後からどんどん人が乗ってきて、ついに前方の方へ追いやられる。でもここ、風がビュービュー当たってかなり寒い。外に設置してある椅子も濡れてて座れないし。敢えて前に行っても、立ってると運転手さんが見えないらしく、後ろに下がれと注意される。これ、夏だったらかなり気持ちいいだろうなあ…と考えながら、ひたすら寒さに耐えた。
〜ちょっとギョッ〜 我慢と引き換えに、素晴らしい眺めが与えられた。薄暗いくらいなので、まだ十分景色は見える。あとから乗ってきた中国人(韓国人?)の女性に、写真を撮ってくれと妹が頼まれていた。後で聞いた話によると、「あれは素人じゃなかった、自撮りを研究している人間のポーズだった、ちょっとギョッとした」とのことだった。 船はカナル・グランデを進んでいるので、観光名所もたくさん通る。今回行けなかったリアルト橋やアカデミア橋もくぐっていくので、最後の観光ができました。
しかし、駅まで意外と長いな…早く着かないかな、超寒い。使節は6月とかに来てたんだよね、うらやましい。
〜ついにみぞれ〜 「Ferrovia」の駅に着くと、人がどっと降りていきました。便乗して我々も降りる。このころにはすでに氷まじりの雨。「雨より雪の方が濡れなくていいよね」と妹と話していたが、中途半端なみぞれって。 明日は電車で移動なので、サンタ・ルチア駅に予習に行ってみる。ついでに食べ物を売ってる店がないか探してみたが、いい感じの店がなかったのでそのままホテルへ。昨日成田で買ったパンがあるので、それでいいか、ということになった。 〜体調やばくなる〜 フロントのお姉さんに部屋番号を告げ、鍵をもらう。部屋に戻ってもなかなか身体が暖まらず、風邪ひく一歩手前な感じ。ベッドでダラダラしていたら、妹がバスタブにお湯をためてくれた。助かった、とりあえずあったまろう。少し動けるようになったのでパンをモソモソ食べる。目も開けづらいので、なんかやばい、ということでパブロンを飲んですぐ寝てしまった。暑いのも疲れるが、寒すぎるのもまずい、ということを実感した。 明日はイタロでフィレンツェまで移動、楽しみにしていたシニョリア広場へ行ってみます。 +3日目(その1)+(ヴェネツィア〜フィレンツェ) 恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> イタリア旅日記 >> 2日目 |