恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> 長崎旅日記4 >> 2日目


+2日目+(長崎市)

〜朝から雨です〜
 列福式当日。式は正午からなのでゆっくり寝てても大丈夫かと思いきや、前日にじろーさんとのメールで早めに集合するということになったため、普通に6時起床。なんかよく眠れなかった…11月も終わりだというのに、ホテルの部屋は素晴らしく暖かい。厚着して寝たら暑くて目がさめるわ、風邪気味で咳込んで目がさめるわで散々だった。そんなだから今日もテンション低い。しかも雨か。長崎で初めて雨かも。

〜外に出たら大雨でした〜
 ホテルのレストランで朝食をいただく。わーい、バイキングだ!そしてやはりパンが発見できず、和風の朝食に。パンは奥の方にあったよ、もうご飯とっちゃったよ…。まあいいか。何やら混んできたのでさっさと済ませて去る。
 8時に駅前でじろーさんと待ち合わせだったので、間に合うようにホテルを出る。予報では気温が高そうだったのでコートとマフラーなしで外に出てみたが、あまりの雨に怖気づき、1回取りに戻る。何やってんだ、私は。ちょうどやってきた路面電車に乗り、長崎駅を目指します。これ便利だなあ、そんなに待たずに次の電車が来ますよ。雨の中進み、無事駅前に到着。コンビニでお昼を買い、駅の大きいツリーの前でボンヤリ。もうすぐクリスマスか〜。私はクリスマスの雰囲気が好きです。

〜再会〜
 おや、あちらから大人の女性が手をふってやってくる。誰かしら、と思ったらじろーさんでした。
「わー、お久しぶりです!」
いきなりテンションが上がる。じろーさん、昨晩はあれから一人で飲んで稲佐山まで行ったそうな。素晴らしい行動力だ。
 列福式会場にどうやって行くか相談した結果、バスに乗ることに。私はまた路面電車しか考えてなかったので、これは助かった。あとでわかったのだが、電車はかなり混んでいたのだ。バスはしばらく来なかったが、2人で「アレ?」などと言っているうちにようやくやってきた。こっちは全く混んでいない。やった。いよいよ出発です。

〜メンバー発表〜
 バスの窓から「←列福式駐車場」と書かれた看板と、係員の人が交通整理しているのが見えました。お、もう着くかな…と思っていると、バスはどんどん先へ。「駐車場なのに結構遠そうですね」などと話していると、最寄りのバス停に到着。勢い余って傘をささずに飛び出してしまいましたよ。バカですね。ワーワー言いながら傘(折りたたみ)をさし、いざ会場へ。じろーさんによると、今日は列福式に申し込んで下さったユミさんの他に、いつも長崎の情報を下さる小三郎さん、そして使節に詳しい方も合流するとのこと。おお、いつも1人の私にしては大所帯だ。心細くないぞ。

〜やってきました〜
 会場のビッグNスタジアムは平和公園の近くにありました。「ペトロ岐部と187殉教者列福式」の横断幕がかかり、人々も集まってきています。こんなに早く来ても誰もいないだろう、と高をくくっていた私。甘く見ていた。じろーさんは、雨の中ユミさんたちと連絡を取って下さっている。何から何までお世話になり、大変ありがたい方々です。合流までの間、2人でキョロキョロしていると、何か話しかけられた。

〜ラジオだって!〜
我々に話しかけてきたのは、ラジオのレポーターの方々だった。「今日はどちらから?」とか「長崎は初めてですか?」などなどの質問に答える。
レポーターさん:「今日はどうして列福式に?」
我々:「歴史に興味があって」
レ:「長崎の教会とかも好きですか?」
私:「はい(うっかり)」
レ:「例えばどんな?」
じろーさん:「う〜ん…」
私:「あ、崎津とか?(うっかり)…あ、それ天草だ」
おバカ発言しながらも、最後に「これから放送なんですが、今みたいに質問するので答えていただけますか」とのこと。わ〜〜、こういうの苦手!じろーさんが「待ち合わせしているのでちょっとわかりません」と答えて下さり、事なきを得た。

〜素晴らしい方々に出会えました〜
 入り口の方にユミさんたちがいらっしゃるというので、そちらに向かってみる。階段はもう水たまりで、歩くたびにヒタヒタ。階段を上りきったところに、ユミさんたちがいらっしゃいました。みなさんはじめましてです。小三郎さんは何でもご存知なので、年配の方かと思っていたけど、若い!(あとで、小三郎さんも私に同じ印象を抱いていたことが判明)今日は奥様もいらっしゃってました。仲が良さそうで素敵なご夫婦です(でも途中まで奥様だと気づかなかった私)。ユミさんは頼れそうなお姉さんという印象で、これまた素敵な方です。インターネットは怖い面もあるけど、うまく使えばこんな素晴らしい出会いももたらしてくれるんだなあ。

〜もう何とお礼を言えば良いのやら〜
 ユミさんたちは、私たちの分までレインコートを用意しておいて下さいました。なんともありがたい…どうもありがとうございます。そしてカバンを入れるビニール袋まで…いやはや、どこまで気がまわる方たちなのでしょう。私は傘があればいいか、くらいにしか考えてなかったというのに。ありがたくレインコートを着て、会場内に入ることに。ユミさんからワッペンをいただき(例の、持ってないと入れないワッペン)、名前を書いて首にかける。ユミさんは名前を書くペンまで貸してくださいました。本当に何から何まで…どうもありがとうございます。

〜三文以上の得〜
 会場の外側の通路には、人が結構集まっていました。ああ、早く来てよかったかも…。式次第などが入っている袋(列福式セットと呼ぼう)をいただく。ワッペンの紐の色で出入り口が分けられているらしく、私たちは紫色専用の入り口へ。人の流れに乗ってじりじり進み、会場入りです。
 普段グラウンドの場所には緑色のビニールシートが敷きつめられ、電光掲示板の下に舞台(内陣)が出来上がっていて、左右に大きな画面が設置されています。私はグラウンドには舞台しかないのかと思っていたけど、そこにもパイプ椅子がずらっと並べられ、座れるようになっていた。なるべく前の方に行ったら、一番前のブロックに座れた!「早起きは三文の得」だね。


会場内。電光掲示板に何か絵らしきものがかかってます


舞台脇の大画面。映っているのは列福式のマーク



〜グッズって…〜
 席取りを終えた私たちは、「グッズ買わなくちゃ!」と記念品売り場へ行ってみることに。会場の外にテントが並び、長崎のお土産や列福式ならではの記念品が売られていました。あ、この本屋って学校の近くにあるところだ…嬉しいんだか悲しいんだかわからない。じろーさんは地元でなかなか売ってないから、と本を買われていました。私は殉教者が載っている地図とクリスマスカードのセット、小さなマリア像が入った「お守りマリア」を記念に買いました(後に、このマリア様も学校の近くの店で発見)。列福式のDVD申し込みのビラも配られてたのでいただく。これ買おうかな…。

〜見つかっちゃった〜
 席に戻ってから、雨がやんだところでお昼を食べる。放送で「お弁当は食べないで下さい」って言ってるような…??「お弁当」はダメなのか。でも前に座ってるおばちゃんとか普通に食べてるけど…まあいいか。いつのまにか、隣のブロックにうちの学校の旗が立ってる…そういえば、西洋史の先生が学校でも団体で行くって言ってたなあ。とりあえず知らないふりをしていたが、あとでユミさんも私と同じ学校だったということが判明。


後ろの席も埋まってきました

 その後トイレに行ったりして過ごしていると、「あー!」という声が。見ると、
「先輩!!」
サークルの先輩だ!見つかってしまった。先輩は私の方が年上だということを気にして下さっているので、
「いやいや、先輩はそちらですよ」
と言って下さった。彼はサークル内でも敬虔な信者(と私は見ている)なので、学校で申し込んで来たのだそうだ。
先輩:「信者でしたっけ?」
私:「いえ、違うんですけど…歴史の方でちょっと」←口ごもるあたり自信がないことの表れ
などとしばし談笑し、先輩は席に戻っていかれた。信者じゃないのに来てるって、ちょっと失礼に当たらないだろうかと、ふと申し訳なく感じた。
 そうこうしているうちに、始まりの時間が近づいた。おお、晴れてきた!上空の雲がすごい速さで動いてる。「このまま雨が降らないといいですね」と話していると…

〜ザーザー〜
 なんか、大雨なんですけど…レインコートをしっかり着込み、式に臨む。ユミさんたちは大きいゴミ袋まで用意してくれていたので、カバンやら列福式セットやらを全てその中にしまう。ゴミ袋がこんなにありがたい物だったとは。
 雨が降ったりやんだりの中、まずは列福式までの歩みということで、画面に映像が映し出される。25年ほど前に、前教皇がいらっしゃった時から今回の列福式の準備が始まったということです。前教皇が屋外の舞台でお話しになっている様子が映っていたが、すごい雪!なんか吹雪なんですけど!参加者からも「うわ〜〜」というような声が上がる。そして今日は大雨。天気に恵まれないのかとチラリと思ってしまう。
 そしていよいよ開祭です。司祭の方たちが入場してきます。あとで聞いたところによると、天気が変わりやすいので、入場直前までレインコートを着たり脱いだりとせわしなかったそうです。しばらくして、教皇代理のマルティンス枢機卿も入場されました。殉教地の土も運ばれ、内陣に安置されてました。


こちらは右の大画面。内陣の様子が映し出されてます


〜驚き〜
 式次第を出したいのだが、雨が降っていて出せない…出したらこれ、絶対しわしわになるよね。聖歌隊の人は楽譜とかしわしわじゃないのかしら。みんな静かにしてるのに1人ごそごそやるのも気がひけるし、ここはおとなしくしておこう。
 式はだいたいミサの流れと同じようにすすんでいきました。司祭の方のお話の中で、二十六聖人記念館の前館長、結城了悟神父が亡くなられたことを知る。驚いた、まさか亡くなられていたとは。結城神父は今回の列福式のために尽力されたが、今日参加されることなく亡くなられたそうだ。結城了悟神父といえば、使節に関する新史料も紹介されており、会ったことはなかったけれども、私にとっても馴染みの深い方だ。天にいらっしゃる神父さまに本当に感謝です。

〜ここで涙した〜
 感動的だったのは、電光掲示板にかかっていた肖像画の除幕。若者たちが幕を引きます。女の子2人振袖だけど…雨だから大変そうだ。それはともかく、幕が引かれた瞬間、白い鳩が飛びたってゆき、聖歌隊の合唱が響きました。鳩は殉教者の数に合わせて188羽いたらしい。宗教って不思議だなあ…昔の人と同じものを信じているということが、なんだかすごいことのように思えた。


除幕後。肖像画が現れました



〜素敵な笑顔でした〜
 涙したり、調子に乗ってマスクをしないで咳が止まらなくなったり、なんか私個人にいろいろありましたが、予定より1時間くらい遅れて式は終了。今日も祝福が受けられて良かった。雲の合間からサーッと光が差し込む瞬間があったりして、天気も粋な演出をしてました。


さー、帰りますよ…時計が4時前をさしてます


最後まで大活躍の大画面。
「退場の際は係の案内順に」と注意を表示

 帰りは混乱が起こらないように、ブロックごとに順番に退場という形をとっていました。いろいろ考えられているなあ。雨もすっかりやみ、ボランティアのみなさんに笑顔で見送られて退場。これ、準備も片付けも大変そうだな…みなさんに感謝です。楽しかった…というと軽い感じだが、なんだか心温まる式だった。


あ、晴れてきました



〜国際的体験〜
 帰りは順番に退場したにも関わらず、ものすごい人ごみ。「○○カトリック教会」という旗がたくさん掲げられ、カラフルな風景になってます。じわじわと進む私たち。あ、私一人はぐれた!でも小三郎さんが見えるので頑張って追いかける。なんか、前からスペイン語が聞こえてくるよ…そういえばこの式には世界各国からも参加者がいらっしゃったそうです。式でも日本語・英語・韓国語が流れていたし。列福されたのは日本人なのに、他の国の方々がいらっしゃっていることは、単純に嬉しく感じました。

〜満員電車解消案〜
 電停でやっとみなさんに追いつく。すみません、要領が悪くて…。路面電車もフル稼働し、2両続けて走ったりしてました。いろんな人が協力してくれてるんだ。電車内では、ユミさんの満員電車話で盛り上がる。吊り革争奪戦になるという話。私もやったことがあるのでよくわかる。自分がつかまってるのに他の人も同じ吊り革につかまってくるのだ。朝の満員電車に乗るたびに、「これは何とかならないものか…」と考えるものの、妙案浮かばず。イライラするのも嫌なので、違うことを考えてやりすごすしかないという結論に達した。

〜信者ではない者の戸惑い〜
 駅につき、みんなでレストランへ。あ、昨日も来たところだ…私は今日はちゃんぽんではなく普通にパスタにすることに。列福式などについてしばし談笑。小三郎さんは式がミサの形で進んでいくことにとまどいを覚えたとおっしゃっていた。確かに。歌がいきなり始まっても信者の方々は自然に歌えるのだが、私たちは歌えない。さらに私は、一般信者は歌わなくていいものだと思っていたので、初めてミサに参加したときは周りが歌いだしてギョッとしたものだ。今は何回か参加し、少し慣れてきたけど…座ったり立ったりするタイミングはまだよくわからないな。でも私はミサが好きなので戸惑いなんかに負けませんぞ!

〜明日の朝は〜
 じろーさんの夜行バスの時間が近づいたのでお開きになった。小三郎さんにご飯をごちそうになってしまった。助かりました、どうもありがとうございました。あ、使節に詳しい方は今日来られなくなってしまったそうで。また今度会えるといいなと思います。
 歩道橋の上でみなさんとお別れ。本当に本当にお世話になりました。私が今こうしていられるのはみなさまのおかげです。どうもありがとうございました。そして私たちはそれぞれの帰り道についたのでした。私はまた思案橋方面へ。途中、築町の電停で降りて、明日の空港行きのバスターミナルを確認。明日の朝はまた早いんだわ、6時過ぎのバスで空港に向かうのだ。そして早朝すぎて朝食が食べられないのだ。…どれだけ食い意地はってるんだ。

〜慣れてきた思案橋〜
 築町の電停から、思案橋のホテルまでテクテク歩く。もう真っ暗だけど大通りなのでわりと明るい。線路があるから道もわかりやすくて素晴らしい。パチンコ屋に、小さい雑貨屋、飲み屋、なぜかベンチに座ってる銅像…長崎の街とも明日でお別れです。そして無事思案橋に到着。


思案橋入口の透かし彫り。もっと近くで見たいなあ…

 思案橋の商店街(と言っていいのかな?)にある街灯には、偉人像の透かし彫りのような飾りがついてます。全部観察したいが、写真にきれいに写らないので諦める。私のちょっと好きな諭吉先生がいた。


諭吉先生。なんかぼやけてしまった


ホテル入口にあったツリー。青い光がきれい

 ホテルのロビーにインターネットサービスがあったので、路面電車が何時から動くのか調べてみる。…が、さすがに早朝は動いていない。やっぱり明日の朝は歩くしかないな。ホテルから築町のバスターミナルまでは歩いて10分くらい。よし、明日は5時半過ぎに出発だ。ギョエ〜ッ。

〜新しい長崎が始まるらしい〜
 部屋に戻ってから、スペイン語の宿題を忘れていることが判明し、せっせと励む。さらに東洋史…さっぱりわからん。世界史は習ったけど、もう7年前くらいだよ、最後にやったのは。しかもこれ、普通に世界史の教科書のような歴史じゃないよ、先生の専門分野の歴史だよ…。わからないなりに勉強し、ちょっとテレビ。長崎でしかやらないテレビ番組を探す。CSの方(?)に、ひたすら長崎の名所について繰り返し流してる番組があった。ケーブルテレビかな。「新しい長崎が始まる」って言ってた。寝るときまで流しっぱなしにして、なるべく長崎に浸っておく。本当は列福式について考えたり、資料を整理したりしたかったのに。なんか今までの旅とは一味違う感じでした。


3日目(長崎市〜長崎空港)東京編へ+


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