ドラードの探検記 ヴィラ・ヴィソーザ ブラガンサ邸編
●邸宅内部の様子
ブラガンサ家の邸宅は美しい模様のある種々の色の織物で飾られ、あたかも絵画に見えるほど本当に似ていて完美である。ポルトガル人がこれをタペサリヤ、つまり飾り布と称すと教えてくれた。その幅37パルモ、丈33パルモ余りもある。別の小さいものは幅2パルモ、丈16パルモで、いずれも格別にあでやかである。
美しい掛布と布団を備えてある前述の寝台を別にしても、それに付属する錦の、または絹の天蓋がある。各々の寝台の円柱は天鵝絨(てんがじゅう/ビロードのこと)・金襴(きんらん/絹地に平金糸を横糸に加えて模様を織り出した高級な織物)・琥珀織を張られている。
●礼拝堂の様子
祭壇3つと演壇1つを有する公家の礼拝堂でも私たちは種々の物を見せられた。公爵がミサを聴きに参られる内陣(コーロ)には立派なオルガンがある。数多の専属司祭がいて祈祷をし、ミサを行う。その装飾品は金と銀の織物である。丈約2パルモの聖杯2個と別に大小の聖杯が10個ある。8つの十字架もあって、或いは大きく、或いは中くらいである。燭台8、酒水瓶(ガリエタ)6、ポルタ・パス(聖像牌)2、舟型香壷5、聖体容櫃2、その1つは丈1パルモ半、他の1つは1パルモある。丈4パルモの大きな水指し瓶、食卓でも用いられるほどの大きさの水鉢6個、丈8・9パルモの鍍金(金メッキ)してある銀の十字架1、鍍金してある銀の聖母像、サン・ジョアン、サン・ペドロ、サン・パウロの御像、長さ3パルモ半、周囲3・4パルモの燭台10、よほどの力がある人でないと床から持ち上げられない6・7パルモの大燭台2、他に燭台4、水指し瓶10。
祭服はその数はなはだ多く豊麗を極める。あるものは黒、あるものは緑、あるものは深紅の天鵝絨で、また金襴のものも少なくない。これを私たちに見せてくれた人が言うには、これは仕立てを別にして4万5千〜5万クルサドの価値がある。
●器を保管する建物の様子
銀器を蔵する館ははなはだ大きく、2階がある。正面だけで55を超える窓がある。そのうち23には鉄格子があり、他はない。窓は優美にして光沢ある大理石で作られている。正面玄関も、2階に通じる階段もこれと同じである。
●ブラガンサ家の人々
厩には5・60頭に及ぶ馬がいる。私たちが聞いたところによると、公爵の父君(ドン・ジョアン1世)は常に200頭持っていたが、アフリカの戦争で失ったという。また現公爵もその戦いで捕虜となったが、私たちの主の手に救い出された。年齢は16歳である。弟のドン・ドゥアルテの君は14歳、ドン・アレッサンドロと呼ばれる第3の弟は10歳か11歳である。皆、帯に剣をさしている。第4の幼い弟はドン・フェリペと呼ばれ、3・4歳である。
●ブラガンサ家の狩り場の様子
ブラガンサ家は周囲3レグア(1レグア=約6km)に全て塀を張り巡らせてある廓地(タパーダ)を所有している。遊びに行って数々の猪・鹿・兎を狩る。同所には2・3の部屋と広間がある聖庵が建っている。その奥へ更に進むとまた1つ聖庵がある。公爵は弟たちと共に私たちを案内し、騎馬の者約100人と、更に多数の徒歩の者とを率いてこの廓地に行った。ここで供応を催すため、猪狩りを行い、数頭を得た。最後にカーナ(騎士が槍を持って馬に乗り、標的を突く模擬戦遊技)を見せてもらったが、日本にはない競技だったので喜んでそれを見物した。
(2014.8.16 修正) |