6月26日(水) ヴェネツィアに到着
使節は大統領のピアッタ船3艘に乗り、ヴェネツィアの町へ。この船は特殊な船で、豪華な装飾が施してあり、王侯の歓迎のために使われるものである。ゴンドラがこの船のまわりにたくさん集まってきた。使節を迎えた議員らは、使節が宿舎に直行するのを許さず、迂回してサン・マルコ広場に面する地点から、ヴェネツィアの最もよい場所に沿って流れる大運河を通過し、ジュデカの運河を静かに漕いで進んだ。こうして日中はほとんど船に乗って過ごした。家々の窓や岸辺には、人々が集まって見物していた。
夕方になって、使節はイエズス会の宿舎に到着した。議員らの案内でイエズス会の会堂に入ると、サン・マルコ大聖堂の聖歌隊によって「テ・デウム・ラウダムス」が荘厳に歌われた。次に別の一室に案内されたが、その部屋は既にヴェネツィア市の命令によって立派に飾られ、豪華な調度品がそろえられ、床には精巧なトルコ絨毯が敷き詰められていた。食卓では優雅な音楽が演奏され、聖歌が教会におけるよりも見事に歌われた。
夜、教皇の大使の訪問があった。
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