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使節の旅 1585年7月

7月1日(月)

 教皇使節から華やかな宴会に招かれる。           


7月2日(火) 聖母ご訪問の祭日

 ミサに参列。天主堂でイエズス会のパードレから聖体を拝領した。これを見た者は皆喜びの涙を流した。          


7月3日(水)

 貴顕の人々とともに、パードレたちがするように宿舎にて軽い昼食をとる。
 造船所を見学。ここにはナウやガレオン、ガレーやフラガータ、その他様々な船で構成されたヴェネツィアの艦隊が、よく整頓され装備されていた。
 またリドの2つの城の見学にも行った。そのうち1つの城では、使節のために盛大な夕食が準備された。食後は魚釣りをして楽しんだ。                             


7月4日(木)

 午前中、政庁へ別れの挨拶に行く。そこで織物をたくさん贈られたが、それは1000スクードの価値があるものだった。
 それから、元老院の会議室にて肖像画を描いてもらう。大統領は使節が去ったあとも何か残したいと思い、着物姿の彼らの絵を大会議室に掲げることを思い付いた。この絵の製作はヤコボ・ティントレットに命じられた。この絵には「この人物がどんな人々で、どこから、誰に派遣されてきたか」を日本文字とイタリア語で併記した銘文が添えられることが決まった。しかし、その後何らかの事情で、この仕事は行われず、ティントレットの作品の中に伊東マンショの肖像画の完成したものと、他の肖像画の下絵が残っているのみである。           


7月5日(金)

 サンタ・マリア・デラ・カリタ学院を訪問。使節は聖遺物を崇拝し、日本にもカリタの名前でここに似た学校を作ろうと誓願した。学院長と門下生は使節にカッパを贈った。          


7月6日(土)

 ヴェネツィアを出発。          



(2014.8.24 作成)


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