7月4日(木)
午前中、政庁へ別れの挨拶に行く。そこで織物をたくさん贈られたが、それは1000スクードの価値があるものだった。
それから、元老院の会議室にて肖像画を描いてもらう。大統領は使節が去ったあとも何か残したいと思い、着物姿の彼らの絵を大会議室に掲げることを思い付いた。この絵の製作はヤコボ・ティントレットに命じられた。この絵には「この人物がどんな人々で、どこから、誰に派遣されてきたか」を日本文字とイタリア語で併記した銘文が添えられることが決まった。しかし、その後何らかの事情で、この仕事は行われず、ティントレットの作品の中に伊東マンショの肖像画の完成したものと、他の肖像画の下絵が残っているのみである。
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