恋風旅路 >> 天正遣欧使節 >> 使節の旅 >> 1584年3

←2月 4月→

使節の旅 1584年3月



3月9日(金) 赤道通過、南半球へ

 はじめて赤道を超える。この航路ではこのように順調に赤道を超えるのは、非常に珍しいということだった。


【3月14日(水)】 風がやむ

 南緯8度のところを通過するとき、突然風がやんでしまい、船が進まなくなった。船に乗っている人々は皆暑さに苦しんでいる。多くの場合、ここで風向きが変わって喜望峰を通過する時期を逃し、年内にポルトガルに到着できないという。するとモザンビークで冬を過ごすことになる。


【3月29日(木)】 風が吹きはじめる

 時期はすでに遅かったが、船尾からゼネラーレと呼ばれる風が吹き、一日に160マイル進んだ。その速さは、今までの遅れを取り戻すくらい速かった。


3月31日(土)】 不幸な事故

 風は吹き続け、遅れを取り戻しつつあるが、不幸なことがあった。船に乗っていた一少年が海に転落してしまったのだ。しかし、風も波も激しく、網を投げることも船を引き返すこともできず、少年をそのまま死なせてしまう結果になった。     




(2014.2.16 作成)


←2月 4月→

恋風旅路 >> 天正遣欧使節 >> 使節の旅 >> 1584年3月