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 ギリシャと言えばパルテノン神殿や神話が有名ですが…そして私もそんなイメージしかなく、今回のツアーもそんなイメージみたいですが、よく見るとギリシャも聖書ゆかりの地がたくさんです。
 なんと言っても、パウロが宣教に来た土地ですし、もともと新約聖書もギリシャ語で書かれたものをラテン語に訳して使ってたということなので、なかなか縁が深そうです。
 そこで、ツアーで行ったところから、聖書に関する場所をピックアップしてご紹介したいと思います。

アテネ

アレオパゴスの丘

 アテネといえば、なんと言ってもアクロポリスの丘、そしてパルテノン神殿が有名です。知ってはいるものの、それほど興味がないので、見学もそこそこに、さっさと丘を下ってしまった私。目指すは「アレオパゴスの丘」です。
 この「アレオパゴスの丘」、パウロがギリシャに宣教に来た際、演説をしたと言われている場所です。新約聖書の「使徒言行録」17章16節からは、パウロがアテネに来たときの様子が書かれています。19節には、「パウロをアレオパゴスに連れていき」という言葉も見えます。

エルサレム遠景2 単独行動でやってまいりました、「アレオパゴスの丘」と呼ばれる丘です。ちょっとした岩山です。階段が急で、若干危険
エルサレム遠景2 壁面に埋め込まれている板。ギリシャ語でわかりませんが、新約聖書「使徒言行録」17章22節〜32節が書かれているようです。「パウロは、アレオパゴスの真ん中に立って言った」と始まる部分です

 ここ、かなりマイナーな場所のようで、ガイドさんも(キリスト教にあまり関わりがない日本人客が相手のせいか)「あっちがパウロが来た場所、ホントかわからないけど」と適当な説明で終わり、ガイドブックにも載っていないという有り様(ちなみに某インターネットのマップでも見つからなかった)。私はパウロについてあまり下調べをしていなかったので、ギリシャでパウロの本を買ったが、何やら当時「アレオパゴスの丘」と呼ばれた場所が他にもあって、断定できない、みたいなことが書いてあった(英語なので適当に訳して理解)。
 まあ史実なんてそんなものなので、「もしかしたらここにいたのかも…」と楽しむのが一番だと思います。ちなみにこの本には、パウロの演説内容が本人の考えと違うので、「使徒言行録」を書いたと言われるルカの考えなのではないかという説も載っていました。疑い出したらキリがないのが歴史でもあるので、旅先ではやはり「もしかしたら」で楽しむのがいいですな。
 というわけで、丘に登ってみました。

エルサレム遠景2 岩がむき出しなので足下注意です。あちらに見えるのはパルテノン神殿がある中心部の山
何かがあった気配をうかがわせる穴。ちなみにこの丘、柵も壁もないので落ちそうで恐い(ロープは張ってあったかな??)

 パウロに思いを馳せたところで、丘から降ります。下りは危ないので、設置されてる階段で降ります(登りから使えばよかった)。
 このアレオパゴスの丘、パルテノン神殿がある丘から降りてくる途中にあります。地図がないのでこんな説明だけですが、パウロゆかりの地に行きたい方はぜひ。


スニオン岬

 エーゲ海クルーズが中止になったため、アテネの南にあるスニオン岬に行くことになりました。この中止の理由、機械の故障とのこと。しかも前日から知らされている。え?前日に故障がわかったなら、直すとか代わりの船を出すとか、何か対処できるんじゃないかと思ってしまうが、そこはギリシャクオリティなんだな、とギリシャに失礼な納得の仕方で諦める。というか、実は私としては代替案のスニオン岬に行きたかったのだ。やったぞ。
 アテネからバスに乗り込み、海沿いに南下します。この海が何ともきれいで、ずっと眺めていました。海沿いはリゾート地のようになっていて、ガイドさんによると、アテネの人たちはここに家を買うのが夢なんだとか。お金持ちの人はもちろん別荘を持っていて、休みの日に遊びにくるそうです。地元の人があこがれるくらいだから、よっぽどいい土地なんだろうな〜。

エルサレム遠景2 遠くに見えるのがスニオン岬。もう少しで着きます。肉眼だと、岬の先にあるポセイドン神殿が見える
神殿拡大。いや〜、カメラの望遠って便利だなあ

 ところで、なぜスニオン岬に来たかったかというと、パウロが宣教旅行のときに通った可能性があるからなのです。
 パウロは2回目の宣教旅行のときにアテネに来ていますが、アテネに行くために、このスニオン岬を船で迂回したと考えられています。もしかしたら、この神殿も見えたかも…と、また曖昧な話ではありますが、そう考えると楽しくなりますよね(^^)

主嘆き給う教会 はい、着きました。スニオン岬にあるポセイドン神殿です
神殿前からの眺め。パウロはこの海を航海していったのかなあ…
お、船影が見えました。パウロもあんな感じで船に乗ってたのかも…
岬の先っぽ
裏手はこんな湾になっていました。船が来るのかな??
アテネへの帰り道。晴れてきて海の色がよく見えました。エーゲ海だ!とはしゃいでいたら、地図上では「サロニコス湾」の表示が…まあ、つながってるからいいよね


アカイア地方

 さて、お次はもっと曖昧な感じの、伝説の域にあるキリスト教ゆかりの地です。イテアという町から、オリンピアという町に移動途中、添乗員さんの説明の中で出てきました。
「ここは…(中略)…イエスの弟子、アンデレが亡くなった町です」
 ん??そんな情報、聞いたことがなかったので、同行していた神学部の友人に確認。「知らない」とのことだった。そもそも、弟子のことはほとんど知らないなあ…バチカンの地下にあるペトロのお墓のことはよく聞いていたが、アンデレ…

なんか変わった橋が見えてきたので、写真に撮ってみる。あれ渡るのかな〜〜とノンキに考えている
橋が近づいてきた、背後がすごい山だなあということでまだノンキに撮影している
橋を渡り始めた。なんか変わった建物があるので写真に撮ってみる
添乗員さんのいきなり発言「アンデレ終焉の地」にガタッとなり、慌てて撮影。あとで調べたら、リオという町の要塞跡が左の方に写ってた

 帰国後、このときの旅メモを見たら、リオかパトラという町の説明のときに出てきたと書いてあった。調べてみたら、アンデレはギリシャに宣教に来て、アカイアで亡くなったというのが伝説で残っているとしか出てこない。アカイア??と思って調べてみると、ペロポネソス半島北部の地方名だということだった。え、範囲広すぎ…しかも伝説。まあ、ここも候補地の1つということですな。そんな微妙なところなので、観光することもなく素通り。説明して下さっただけ良かったかも。
 ちなみに「アンデレ」、ギリシャ語で「男らしい」という意味だそう。なんかかっこい〜。絵画だとXの形の十字にはり付けられてたり、自分でX型十字を持ってたりします。見かけたら「アンデレだ!」と思ってください。

 ギリシャの聖書関連の地、「ヨハネの黙示録」が書かれたと言われるパトモス島など、もっとあるのですが、今回は残念ながら行けませんでした。また機会があったら行ってみたいなあ〜〜。

エルサレム遠景2 最後にパルテノン神殿(裏側)。よく写真で出てくる表側は工事中でした


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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


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