恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> イスラエル旅日記 >>エルサレム〜シナイ山(エジプト)
乾燥したゴツゴツの岩山の景色を抜けると、死海が見えてきました。
死海に沿った道は、死海と反対側は相変わらず岩山ですが、このあたりは塩を含んだ岩塩の岩山です。ソドム山もそんな岩山の1つで、聖書には神に滅ぼされた町の名前で出てきます。一緒に出てくる「ゴモラ」の町はどのあたりかわからないそうですが、「ソドム」はこのあたりだろうと言われています。ソドムとゴモラって、初めて聞いたときは怪物か何かの名前かと思ってた… ソドム山に住んでいたロトは、町を滅ぼしにきた神の使いをかくまってあげたため、神は町を滅ぼす前に、ロトに逃げるように言います。ロトは家族を連れて逃げましたが、そのときにロトの妻が、神の言い付けを守らずに町を振り返ってしまったため、塩の柱になってしまいました(旧約聖書創世記19章)。この話になぞらえて、ソドム山に偶然できた塩柱が「ロトの妻の塩柱」と呼ばれています。
さて、さらに南下して本日のミサの場所へ。アラバ砂漠という場所の、道路沿いのちょっとした休憩スペースで行われました。
ミサ後、さらに南下してエイラットへ。エジプトは目前です。エイラットにはショッピングモールがあり、かなり発展しているように見えました。ここのファストフード店でお昼ご飯です。私は食事にはあまり興味がないので、いつもはそんなに書きませんが、今回はひよこ豆のコロッケがおいしかったのでちょっとご紹介。
食事を終え、国境にあるタバという地へ。いよいよエジプト入国です。
■シナイ山(エジプト) エジプトに入国、時差があるので時計の針を1時間戻します。時間が遡るとなんか得した気分になる。まあ、あとでまた戻るのだが。 バスはシナイ半島の紅海沿いを進みます。これが、かの有名な紅海…聖書にも「敵を紅海に沈める」というような内容が出てきます。紅海のまわりは現在エジプト・イスラエル・ヨルダン・サウジアラビアがあり、今もそうですが昔も重要な場所だったようですね。
さて、紅海をそれて内陸の方へ…現在、シナイ半島に住む人は移住してきたベドウィンの人がほとんどだそう。空気がきれいなので長生きするとのことでした。友人はベドウィンの人の生活が自分に合いそうと言ってたが…彼女ならやれそうな気がする。
このあたりの景色は岩がむき出しで、「ドラ●ンボールに出てくる景色って本当にあったんだ…」と思いました。よく主人公が戦ったりしてる場所ですね。敵に飛ばされて岩とかにぶつかったりしてるところですね。例えがアニメしか出てこないあたり、庶民な感覚しかもってない証拠。 そんな砂漠の中に国連の建物があったり(エジプトとイスラエルを見張ってるらしい)、なんかここも複雑なんだなあ…と実感したシナイ半島でした。
日暮れと同時にデジカメの電池がまたもやなくなり、しかも充電器がトランクの中という大失態をやらかしつつ、今夜のホテルへ。生活水用で2リットルのミネラルウォーターが配給された。エジプトの水道水は細菌が入っているとかで、日本人は飲まない方がいいらしい。イスラエルの水は石灰分が多いので、飲んでもいいけど人によっては…という事情だったけど、エジプトはさらに危険。夕飯にはおいしそうな果物が出たけど、それも危険ということで私はパンとスープのみ(実はお腹が全く空かない状態がずっと続いていたので)。 夕飯が終わり、友人と二人でシャワーをどうするか相談。結果、ミネラルウォーターを浴びようということになった。それだけでなく、うがいも、顔を洗うときも、コンタクトを入れるときも、全てミネラルウォーターを使用。2リットルもらっておいてよかった。 さて、次の日はシナイ山頂上でご来光を見るという予定のため、10時就寝、12時半起床という鬼なスケジュール。なんか気が張ってるのでウトウトしただけですぐ起床になってしまった。 夜中1時にロビーに集合し、バスで登山口へ。登山口には他の登山グループも集まっていた。みんなご来光を狙っているのだろう。 ぼちぼち歩きだし、登山開始。最初は平坦な砂利道なので、私でも余裕。懐中電灯を持ってくるように言われてたけど、月明かりがあるので、目が慣れれば必要ない。近くの岩山に月明かりが当たって岩肌が浮き上がっている。小さいころ、絵本か何かでこんな風景を見たなあ。これ、カメラで撮っても写らないんだろうなあ。そんなことを考えながら歩いていると、だんだん登り坂がきつくなってきた。 「ラクタ、ラクタ。camel, camel 」と言いながらついてくるベドウィンのオジサンたちが、いつのまにかまわりにいる。ラクダを連れて歩き、疲れた登山者を狙って、ラクダに乗せて歩くのだ。日本語を知ってるあたり、日本人は利用する人が多いんだろうな。同じツアーで来ていた足の悪いおじさんは無理せずラクダを利用していた。ちょっといいなあ…しかし体力ゼロとはいえ、特に具合の悪くない私は、ラクダの誘惑を乗り越える。料金も貧乏学生にとっては高かった(たぶん30ドルくらい)。 道はさらに急になり、ラクダも歩けないような岩山になると、ベドウィンのオジサンたちは消えた。いよいよ自分で歩かないといけない。休憩をちょこちょこはさみつつ、さらに登る。 頂上付近は、岩がゴロゴロ。次の一歩でどこに足を置いたらいいのかわからないので、前の人が登っている通りにする。同じツアーの人がもういないし。みんな体力あるんだなあ…遅れた私には添乗員さんがついててくれたので、最後まで無事に登りきりました!! もう日の出に間に合わないと思っていたが、まだ大丈夫だった。友人がいい場所をとっておいてくれたので、隣におさまる。デジカメの電池が切れたので、携帯電話のカメラ片手に日の出を待つ。
ついに日の出です!!
山登りに必死で忘れてましたが、ここシナイ山は、モーセが神から十戒を授かった所です。この話は旧約聖書の出エジプト記に載っています。その昔、イスラエル人はエジプトのとらわれの身になってましたが、そこで生まれたイスラエル人モーセはエジプト王ファラオの王女の子として育ち、成人した後に召命を受け、イスラエル人を率いてエジプトを脱出します。その途中、神から十戒を授かります。それは次のようなものでした(諸説あるらしいですが)。 1.ほかに神があってはならない。2.いかなる像も造ってはならない。3.神の名を みだりに唱えてはならない。4.安息日を覚え、聖別しなさい。5.父母を敬いなさい。6.殺してはいけない。7.姦淫してはならない。8.盗んではならない。9.隣人に関して偽証してはならない。10.隣人のものを欲してはならない。 はい、ここで日本人にもなじみ深い決まりがあります。4番目…そう、曜日ですねー。私は水曜日あたりになると、「あーあ、神さまが3日目に休んでくれてたら、今ごろ水曜が休みなのになあ」などと不謹慎なことを考えたりしとりますが、仕方ないですね。6日連続働く神さま…働き者だ。人間はすぐ怠けることを考えていけませんな。 さて、ご来光を満喫したあと、ぼちぼち下山です。下りは明るくて景色を見ながら歩けるし、楽しいなあ。
下山途中、友人がベドウィンの人にからまれる。ラクダは連れていないので、私は道案内か何かでボッタクリに来たのかと思い、しばらく見張り、何もなさそうなので離れたが、友人はずっと話していた(あとで何を話してたのかきいてみたが、よくわからなかったらしい。一体何してたんだ)。ベドウィンさんはボッタクリせず、なぜかお菓子を友人に与えて去っていった。2つもらったから1つあげる、と私も分けてもらったが、なぜかハングルが書いてあるパッケージ…中身は羊羹のような?ものだった。韓国人の巡礼者が多いから、その人たちにもらったのを友人にくれたのかな?ともかく、やたら疑ってしまったことをちょっぴり反省した出来事でした。 下山途中の話をもうひとつ。ベドウィンと思われる子どもたちが、平らな岩場で店を開いているのを見かけた。何を売っているのかというと、卵型に磨きあげられた天然石らしき石である。きれいな瑠璃色をしている(他にもきれいな色があったが、忘れてしまった)。それも小さいものではなく、普通の卵のサイズなのだ。前を行く添乗員さんに、子どもが何か話しかけていたので、何と言ってたのかきいてみる。すると、「自分たちはノートも鉛筆も持っていない、売ったお金でそれを買って勉強するんだ」とのこと。私は海外では警戒心が倍増するので「本当かなあ、ぼったくられそう」なんて思っていたが、「買ってもいいんですか」ときいてみると、「助けたいなら買ってあげなさいな」とのことだったので、素直な友人は卵を2個購入していた。友人は純粋に物珍しい卵が欲しかっただけかもしれないが、やたら警戒心を抱いた自分にちょっぴり空しさを感じた出来事でした。
シナイ山のふもとまで来ると、修道院が見えてきました。こんなのあったかな?暗くてよく見てなかったんだわ。
今回は修道院の見学はせず、おとなしくホテルへ帰る。あまり食事をとらずに登山したおかげか、空腹を感じました。やっと体が慣れてきたのかな。 朝ご飯の後、ホテルの小さい聖堂(?)でミサ。その後疲れた友人と私は、片付け途中でベッドに横になってうっかり眠ってしまい、出発15分前に起きるという事態に。ギリギリ間に合った?かな? ここでエジプトから北上し、再度イスラエルへ。今日は死海のホテルで一泊です。予定では夕方には着いて死海に入れるはずだったが、時間がかかり、着く頃にはすっかり夜に…死海は明日のお楽しみ。
最後に、シナイ山に登ったときの私の装備をご紹介します。行く前に他サイトさんを拝見し、装備について調べたので、ここも誰かの参考になればと思います。 ●登山時期:9月上旬 ●私の体質:寒がりな方 ●当日の天気:晴れ・風ほとんど無し ●当日の装備:半袖Tシャツ1枚、薄い長袖1枚、長袖上着1枚、膝上の長さのウィンドブレーカー、ジーンズ、いつものスニーカー(これでちょうど良いくらいの体感) ●準備して使わなかったもの:カイロ(そこまで寒くなかった)、懐中電灯(晴れていたので月明かりがあった) 頂上は手が少し冷たくなる程度だったので、冷え性でない人は全く平気だと思います。靴は普通のスニーカーで大丈夫でした。あとは動きやすい服装がいいと思います。そんなに重装備でなくても乗り切れました。日が出ると気温が上がるので、下山のときにはウィンドブレーカーは用無しです。 恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> イスラエル旅日記 >> エルサレム〜シナイ山(エジプト) |
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