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(イスラエル 旅のこぼれ話1)
外国人と会話してみよう

 海外に来たけど、英会話の能力はほぼゼロ。ましてやイスラエル公用語のヘブライ語やアラビア語なんて字も読めない。というわけで、だんまりを決め込んでいた私と友人。乗り継ぎで訪れた韓国の仁川空港で、私がさっそく話しかけられる。相手は若いアジア系の女の人だった。搭乗を待っていたとき、偶然隣に座っていたのだ。
「Are you from Japan?」
女性が突然話し掛けてきた。
「Yes.」
びっくりしたが、なんとか答えた私。
「Why ~~~~~~~~~~?」
え??全く聞き取れない。戸惑って
「???シェ…??」
と、最後の方で聞こえた音を聞き返そうとしていると、女性が口元のあたりを四角く囲うジェスチャーをしている。マスクのことか?なんで日本人はマスクしてるのって言ってるんだろう。適当に予想して、答える。
「Japanese is nervous.」
日本人は神経質なのです、と言ったつもりになってみた。女性はうなずきながら
「I see.」
と言っておられた。なんとなく納得したみたいだし、まあいいか。インフルのせいか、空港では確かに日本人はマスクをしていたが、外国人でしている人は全く見かけなかった。

 さて、ところ変わってティベリアのホテルである。旅行も後半にさしかかり、外国人の中にいることに慣れてくる。イスラエルでは英語が通じるので、単語ならなんとか意思疎通できることがわかってきた。それでも通じないときはジェスチャーである。
 ある朝、朝食に向かうエレベーターの中で、夫婦らしきカップルと一緒になった。二人とも30代くらいだろうか。アジア系ではない人たちだ。
 ふと、旦那さんのTシャツが目に入った。肩の近くに「龍」と大きく書いてある。こんなところに日本語が!嬉しくなって騒ぎだした私。
「Japanese, this is dragon!」
旦那さんは「知ってるよ」という顔つきで笑っておられたので、調子にのってきいてみる。
「Where are you from?」
すると、
「Costa Rica.」
という返事が。奥さんが「あなたたちは?」ときいて下さったので、「日本です」と伝えたが、特に感心がなさそうだった。旦那さんは漢字Tシャツを着てるのに、なぜだ。それはともかく、
「You speak Spanish!」
と言ってみると、
「Yes.」
という答え。さらに面白くなり、スペイン語を持ち出してみる。(スペイン語は特殊な文字があるので、以下日本語訳)
「(こんにちは!)」
旦那さん、私がいきなりスペイン語を出したのでちょっと驚いている。しかし、
「(こんにちは、元気ですか)」
と返してくれた。学校で練習した一連の挨拶である。ここで気が抜けてしまった私。
「(元気です。君は?)」
失敗した。スペイン語には友達に使う言い方と、知らない人や目上の人に使う言い方があったのだ。練習相手がいつもクラスメイトだったのがアダとなってしまった。
 旦那さんは苦笑しながら
「(元気です)」
と答えてくれた。ちょうどロビーに着いたので、ここでお開きに。いい人たちだった。

 私は恥ずかしがりで無口なせいもあって、これくらいしか交流できなかったが、添乗員さんはさすがである。食事のテーブルがたまたま一緒になったときに、ウエイターさんに
「(地元の方ですか)」
などと話し掛けていた。観光が終わってバスに戻る途中にも、そこらへんにいる人に話しかけている。私たちには
「こうやって話して行けばいいのよ」
とおっしゃっていたが、英語/スペイン語がペラペラな上に、人なつっこい性格だからできることかもしれないなあ…と、ちょっとハードルの高さを感じた。でも結局は「習うより慣れろ」だということも感じた旅でありました。


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