恋風旅路 >> 恋風旅日記 >> イスラエル旅日記 >> カナ/ナザレ/タボール山
■カナ
死海から北上、イスラエル北部へやってきました。このあたりにも見どころはたくさん。まずは地図上で「Kfar Kana」と表記される、カナの町へ。イエスが最初に奇跡を起こしたと言われる、「カナの婚礼」の舞台です。
●カナの婚礼教会
カナの婚礼の話は、「ヨハネによる福音書」2章に載っています。イエスと母マリア、弟子たちは招かれて婚礼に来ていたのですが、その婚礼の場でぶどう酒が足りなくなったので、イエスが水がめの水をぶどう酒に変えるという奇跡を行ったという内容です。
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カナの奇跡を記念して建てられた、フランシスコ会の教会。(近づきすぎて入り切ってない(^^;)) |
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内部はこんな感じ |
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聖堂入口にある像。聖フランシスコに
しては若いなあと思ったら、たぶん
聖アントニオですね
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こちらはたぶん聖父子像。聖父子って
日本ではあまり見かけない気がする…
なぜか嬉しくなって撮影 |
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お、こんなところでも遺跡が発掘されてました |
ちなみに「カナの婚礼」のエピソード、聖書には次のように書かれています。
三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があって、イエスの母がそこにいた。イエスも、その弟子たちも婚礼に招かれた。ぶどう酒が足りなくなったので、母がイエスに「ぶどう酒がなくなりました」と言った。イエスは母に言われた。「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」しかし、母は召し使いたちに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。(ヨハネによる福音書2章1−5節) |
ホテルに戻ったあと、友人と「自分のお母さんに向かって『婦人よ』って…なかなか言わないよね」「私もそう思ってた」と、同じ感想をもったことを確認。奇跡の話よりもそっちが気になって「聖書ってたまに面白い表現あるよね」という結論に至ったのでした。昔のイスラエルではこれが普通の話し方だったのか、あえてこの表現にしたのか…まだまだ勉強不足で謎のままです。
このカナの町にはもうひとつカトリック教会がありましたが、現在は閉鎖中で、外からしか見学できませんでした。
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正面に見える建物がカナのナタナエルの教会です |
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正面までやってきました。中は現在荒れ果てているそうです。残念… |
ナタナエルは「ヨハネによる福音書」1章で、イエスの弟子になる人物です。しかし十二使徒の記述部分には名前がないため、どうやら十二使徒のバルトロマイと同一人物らしいとされていますが、結局は謎な人です。この教会の外壁にも「ナタナエル」「使徒バルトロマイ」の名前が彫り込まれています。私の聞き取りメモによると、「ナタナエル=バルトロマイ イエスのことをバカにしてたが、のち目が見えなくなってエリコでイエスにいやされた。」となっているのだが、これは「マルコによる福音書」にある盲人バルティマイを癒す話とつながってるんだったっけ??…やめやめ。これでレポート書けそうな題材なので、ここで終わりにしておこう。
■ナザレ
さて、次はイエスが育った町、ナザレにやってきました。父としてイエスを育てたヨセフ、イエスの母マリアが暮らしていた場所で、古くは寒村だったそうです。
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道路沿いのお店。何のお店だろう |
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お、ロバがいました(真ん中の薄茶色のやつ) |
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現在のナザレの町 |
●聖家族教会(聖ヨセフ教会)
イエスの育ての父、ヨセフの仕事場とされる場所に建てられた聖家族教会(聖ヨセフ教会)。あとで出てくるお告げの教会のすぐ近くにあります。お告げの教会はマリアの家の跡とされているので、この教会の位置関係だけで見ると、二人はご近所さんだったんですね〜。また、ヨセフ一家はイエス誕生後にナザレに戻ったと言われており、暮らしていたのがこの場所とされています。まあ、例のごとく場所には諸説あるらしいですが、いいんじゃないでしょうか。
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見て下さい、なんて可愛らしい像なんでしょう!聖家族教会の建物外壁にありました |
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聖家族像に気をとられてどうやら外観を撮り忘れたらしく、いきなり内部へ。祭壇上の天井にも聖家族が描かれていますね |
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この教会には地下があり、ヨセフにまつわるステンドグラスが設置されていました。まずはヨセフとマリアの結婚 |
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なんとも痛々しい、ヨセフの苦悩と、夢に現れる天使。マリアが身ごもっていることがわかったが、「夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。」聖書にはこれしかありませんが、どれだけ悩んだんだろう |
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ヨセフの死。マリアとイエスが付き添っています。マリアの処女懐胎を大事にするあまり、ヨセフはないがしろにされて老人で描かれたリしてきましたが、最終的には聖人の中の聖人とされ、祝日も設定されました。よかったよかった、苦労が報われた |
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なんだか無気味な緑色で照らされてますが、家族が暮らしていたとされる場所が発掘されてます。やっぱりお金が放り込まれている |
●お告げの教会(受胎告知教会)
日本でも音楽などでよく知られる「アヴェ・マリア」ですが、それに関わりが深い教会が、ナザレにあるお告げの教会です。ガイドブックには中近東最大級と紹介されてます。早速行ってみましょう。
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受胎告知教会遠景。屋根は聖母マリアの象徴、ユリをかたどっているそう |
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正面入口にやってきました。三角の屋根は「アヴェ・マリア(Ave, Maria)」のAの字をかたどっているんだとか(ガイドブック情報) |
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正面の門は閉じているので、わきの回廊から敷地内に入ります |
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じゃーん!!聖堂正面の様子。かなり大きいです。壁面に「主のみつかいがマリアに告げた」というラテン語の言葉や、聖人たちの姿が彫ってあり、見ていて飽きません |
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お、修道士さんらしき方が…サングラスとかしててかっこいい〜 |
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扉の浮き彫りも凝ってる…見ていて飽きない(2回目) |
さあさあ、中に入ってみましょう。この教会は2層構造になっているらしい。まずは下から。
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1層目にある祭壇。背後はマリアの住居跡とされる洞窟です |
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祭壇上の天井。2階から下をのぞけるみたいですね |
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下から見上げた様子。あのユリの天井、中はこうなってたのか〜 |
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祭壇の背後にあるマリアの住居跡。天使がマリアに受胎告知した場所とされ、大事にされています。きれいになってますが、壁などは古そうですね〜。ちなみに柵があって中までは入れません |
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床に落ちるステンドグラスの光。きれいですなあ… |
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十字軍時代の壁が残されていました。受胎告知の洞窟として最初に教会を建てたのは例のコンスタンティヌス帝の母で、ビザンツ→十字軍と時代を経て、現在はフランシスコ会が管理する教会になっています |
次は上に行ってみましょう。
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わ〜〜〜、上は広々とした聖堂になっていました。祭壇の絵は三位一体、イエスとペテロ、マリア、世界の聖職者たちなどが描かれているそうです |
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聖堂の椅子で説明を聞いていたら、ちょうど正午の鐘が鳴り響きました。私は教会の鐘の音が好きなので、ムービーにおさめるも、このときのデジカメはマイク機能がなかった…
かなり盛大に、長い時間鳴っていました |
この日は隣の聖家族教会でミサの予定でしたが、こちらが空いたということでお告げの教会でミサができることになりました。添乗員さんによると、この日はマリア様の誕生日だったそうな。
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さきほどのマリアの洞窟に近い方の祭壇でミサです |
信者の添乗員さんはミサ後、「良かった、良かった」と涙を流しておられた。私は信者でないので、マリア様の誕生日に、受胎告知の教会でミサに与れたということが嬉しいのかと思ったが、今思うとそんな単純なものじゃなさそうな気もしている。他人にはわからないような苦しみとか苦労とかがあって、この場にやってきて、たまたま私がツアーに参加してて、泣いているのを見て、「嬉し泣きか」なんて片付けられないよなあ…とぼんやり考えてみた。
最後に、回廊と教会内部にあった世界のマリア様をご紹介。変わっているものを狙ったら、アジア圏のが多くなってしまった。
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まずはスタンダードなマリア様。ナザレのものです |
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お、アジア的な顔…と思ったら、インドネシアでした |
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こちらは中国。天女のよう |
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おお、韓国はチマチョゴリですな〜私はこのスカートが可愛いと思ってよく韓流時代劇を見ている |
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スペイン。なんか個性的…しかし下の文字はスペイン語じゃないような??私の不勉強で読めないだけか |
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日本のものは外の回廊ではなく、教会内部の壁にありました。痛みやすいから中に入れてるのかな |
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教会の庭にあったマリア像が見送ってくれました。これにてナザレはおしまい |
■タボール山
ナザレの町の東には、タボール山という標高600mの山があります。頂上には「主の変容」を記念して建てられたご変容の教会があります。この話は「マタイによる福音書」17章にあり、イエスが弟子たちを連れて高い山に登ると、イエスの姿が弟子たちの目の前で変わり、モーセとエリヤが現れ、イエスと語り合っていたという内容になっています。この話、私にとってかなり??な内容で、何を言っているのかチンプンカンプンだったのですが、調べた結果、イエスが自分の神性を示した出来事だということでした。「神性」については、私では説明できないので、ここで語るのはやめておこう(^^;)
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売店の前で頂上まで送ってくれるワゴン車を待つ…と、またもや聖父子が!!これはランチョンマットかと思ったが、よく考えたら御絵(壁に貼ったりしてお祈りとかするための絵)のようですね |
ワゴン車に揺られ、頂上の教会へ到着です。
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奥に教会がありますよ〜 |
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木にくっついてた看板。強烈すぎて黙る。なんか古風な髪型 |
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着きました、ご変容の教会です |
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内部はこんな感じ |
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主祭壇上の天井画。変容の様子が描かれています |
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一段低くなっている主祭壇。他国の巡礼団が説明を受けてました |
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エリヤの部屋にある絵。エリヤは紀元前9世紀くらいのイスラエルの預言者で、イスラエルの神ではないバアル神を信仰する人たちと対決しました。この絵はそのときの対決で、神の火がエリヤの捧げものに下ってきたときの様子を描いています。…実はここ、天井にヤモリがいて気をとられ、説明メモをあまりとってない(^^;) |
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こちらは、おなじみモーセの図。十戒が書かれた石板をもっています |
見学を終え、外に出ると、素晴らしい景色が広がっていることに気がつきました。来るときは聖堂しか気にしてなかった…というわけで、山頂からの景色4連発です。
「ご変容」についてなんとなく理解したところで、この教会ともお別れです。
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教会の庭にあった木。同ツアーの方が「夾竹桃だよ」と教えて下さったので記念に一枚。ミゲルの小説を思い出した |
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